ここでひとつ、皆さんにとって身近な企画を展開したいと思います。メインテーマはチューコ車。選ぶ条件は二つ。ひとつは手に入れやすい価格帯ということで200万円以下。もうひとつは、それほど速くなくても運転を楽しめるマニュアルモデル。このお題で、ティーポ編集部員がアチラコチラで探してきたら、こんな魅力的なクルマが集まりました。「オレならこれだなぁ」「いやいやコッチだろ!」と、皆さんも一緒になって選んでください。前回のアルファ ロメオ・ミトに続いて、今回はルノー・トゥインゴ・ゴルディーニをピックアップ!
名チューナー、ゴルディーニ付きホットハッチ
ここ最近、ルノー系の話題と言えばアルピーヌ1色だが、ちょいと忘れていませんか? 2010年に復活したもう一つのブランドを。
ブルーのボディにホワイトのストライプを身に纏ったそのルーテシアRSは、「ゴルディーニ」というブランドを名乗っていた。ゴルディーニとはルノーの名チューナー、アメデ・ゴルディーニ氏のこと。1964年に発表したルノー8ゴルディーニは、WRCの前身であるEWCで暴れまくっていた。
僕のようなヒネクレものは、アルピーヌ、アルピーヌと周りが騒いでいると、どうしてもそこから一歩距離を置いたものが欲しくなる。そうして見つけたのが今回の「トゥインゴRSゴルディーニ」だ。
【写真9枚】ブルーボディを身に纏い参上だぜ! ルノー・トゥインゴ・ゴルディーニの詳細を写真で見る
ブルドッグのような愛嬌のあるフェイス周りの後期型。どうせ乗るならちょっと派手目がいい。ボディカラーは通称ゴルディーニブルー(正式名はブルーマルトメタリック)と呼ばれる鮮やかな青。それにゴルディーニのイニシャルである「G」の文字がプリントされたラインが、ボンネットからルーフ、そしてリアハッチにまで走る。
エンジンは自然吸気ながら134PSを絞り出す1.6Lツインカムユニット。自然吸気らしく上まで淀みなく吹け上がる感覚は、最近のターボ車では味わえない痛快さだ。
シャシーは、トゥインゴRSは本来カップシャシーだが、ゴルディーニモデルはスポールシャシーとちょっとソフト志向。スポーツモデルだからとヤリ過ぎないところはまさにボク好み。適度にスポーティ、適度に快適と、まさにいいトコ取り。
インテリアに目を移すと、シートは、フランス車らしくクラスを感じさせない立派な作りで座り心地もいい。リアシートがスライドしてトランクの大きさが可変するのも、小さなボディを思う存分使いきれていて好感が持てる。ドライバーの目の前には愛嬌のあるデザインのタコメーターが生えるように取り付けられ、その他の情報はセンターメーターの液晶に映し出される。この適度な個性の強さが、フランス車好きにはたまらないスパイスとなるのだ。
個体としては2013年式の走行距離4.9万km、価格は133万円。年数だけ見れば割高に感じるけど、ゴルディーニという希少性や、ルノースポールの走りが楽しめると考えるなら決して高くはない。アルピーヌもいいけど、ゴルディーニもね! というワケでこの1台、いかがでしょうか?
(後編に続く)
【SPECIFICATION】ルノー・トゥインゴ・ゴルディーニ(2013年式)
全長×全幅×全高:3700×1690×1460mm
ホイールベース:2365mm
トレッド(F/R):1460/1445mm
車両重量:1090kg
エンジン:直列4気筒DOHC
総排気量:1598cc
最高出力:134PS/6750rpm
最大トルク:16.3kg-m/4400rpm
サスペンション(F/R):ストラット/トレーリングアーム
ブレーキ(F/R):Vディスク/ディスク
タイヤ(F&R):195/40R17
中古車両価格(取材時):133万円