
EQEやEQSを投入したメルセデス、i4やiXのほかに3シリーズや7シリーズもデビューさせたBMW。そしてアウディはQ4の導入と、何かと話題が多かった2022年のプレミアム3。2023年も魅力的な車種が続々と登場予定だ。
広報担当者に聞く2023年の展望1:
メルセデス・ベンツ日本 製品広報課マネージャー 山本和宏さん
「2023年以降はEQモデルのラインナップがより充実」
2022年は、年初にCクラス・オールテレインを発売して、その後7月にEQB、9月にEQSとEQEを導入しました。BEVを強くアピールした年になったという印象です。日本全体のBEVシェアはまだ1~2%程度で、ヨーロッパのマーケットとは大きな開きがありますが、日本市場でもEQモデルはお客様にご支持をいただいています。その意味では成功と言っていいと思います。
半導体不足やロシアのウクライナ侵攻などの影響はありましたが、今年は販売も好調でした。おかげさまで輸入車ナンバーワンブランドを維持しています。Gクラスなどは大量のバックオーダーを抱えてしまい、一時的に受注を止めている状況です。AMG専用モデルとなった新型SLも受注好調です。また納期も改善され、モデルや仕様ごとの受注停止や、一部装備が省略されるような状況も順次解消されています。とはいえ、早くコロナ禍前の状況に戻ってほしいです。
’23年は、すでに本国で発表されているEQS SUVのほか、いくつかのSUVも導入を予定しています。またAMGモデルや新しいラグジャリーブランドなどを強化して、より魅力的なライフスタイルの提案をしていきたいと考えています。EQモデルは、現在5モデルですが、来年以降もラインナップを充実させていきます。日本市場のラインナップが、いつBEV100%になるかは判りませんが、お客様に商品の魅力を今以上にお伝えしながら、BEVに対する不安や懸念をひとつひとつ解消していきたいと思っています。
広報担当者に聞く2023年の展望2:
BMW製品広報ゼネラル・マネージャー 前田雅彦さん
「新型M2にはMTを設定! 新社長は日本人に」
今年は電動化戦略を推し進めた1年でした。昨年11月にiX3とiXを同時に発表して、今年の頭からデリバリーを開始。2月にはi4を発表し、この11月にはi7も導入しました。中でもiXとi4は非常に良い反響をいただいています。xDrive 40とxDrive 50、そしてM60の3モデルを用意しているiXは、BMWの次世代自動車として、新しいデザインコンセプトを採用した、今後のBMWにつながるモデルです。新型7シリーズや3シリーズのマイナーチェンジモデルのインテリアも、自動運転の次代を見据えたiXの流れを汲んだものとなっています。
半導体不足などの影響で、お客様に御迷惑をおかけしてしまったことは申し訳ありません。材料価格の高騰や円安による値上げもさせていただきましたが、影響は最小限に抑えることができたと思います。納期もある程度の国内在庫を持つことで、短縮しています。’23年には、新型M2とXM、新型X1などの導入を予定しています。M2はMTも用意する予定なので期待してください。M1以来のM専用モデルとなるハイパフォーマンスPHEVのXMは、かなり攻めたデザインですが、実車はかなりカッコ良いので、こちらもご期待ください。X1にはBEVのiX1もあるので、我々としても楽しみにしています。
1月1日に新社長の長谷川が就任します。20年以上ぶりに日本人社長となることもあり、これまで以上にお客様目線で販売活動ができればと考えています。またラグジャリーモデルの販売を強化して、BMWのブランド力をより上げたいと思っています。
広報担当者に聞く2023年の展望3:
アウディ ジャパン 広報部部長 有澤久美子さん
「電動化シフトをさらに進め、ディーラーの数も拡大」
1月にQ4 e-tron/Q4スポーツバックe-tronの国内導入を発表し、3月にe-tronS/同スポーツバックを発売したアウディジャパンにとって、2022年はまさにEVシフトへ向けて大きく前進した年となりました。Q4e-tronのお披露目の際には、ICEの製造を’33年に終了し、’26年以上にリリースするモデルをすべてBEVとするという、電動化ロードマップを明確にした経営戦略「Vorsprung 2030」を発表しました。
またポルシェジャパンと「プレミアムチャージングアライアンス」を締結して、日本における150kW急速充電器ネットワークの拡大も実現。この秋からアウディとポルシェのBEVオーナーは、全国102基の150kW急速充電器を利用できるようになりました。2024年までには、e-tron店の急速充電器をすべて150kW級のものに置き換え、設置されるアウディディーラーの数も120店舗を目指して拡大する計画です。
再生可能エネルギーによる持続可能な社会の実現を目指す地域をe-tronで巡り、産官学で未来についての議論の重要性を訴える「アウディ・サステナブル・フューチャー・ツアー」というイベントも実施しました。今後も同様のイベントを開催し、持続可能な社会の実現の重要性について、積極的に発信する予定です。
日本市場には、これまでに8車種のBEVを導入しました。2024年までには、本国で11月に発表されたQ8 e-tronを含む15車種以上のBEVを導入します。2023年はそれに向けて、電動化シフトをさらに進める予定です。