2300万人が暮らす台湾。観光地としても有名なここ台湾の限られた土地で楽しむガレージライフは、60年前の住居をリノベしたスペースで。
台湾の州都・台北市の高級住宅街をクルマで走ること10分。小高い山の上に建てられているのが、Rさんが2004年に購入した築60年以上も経過した200坪の邸宅だ。以前は、市内のマンションで暮らし、駐車場を確保していたRさんにとって、ガレージを所有するのが夢だったという。日本の雑誌『GarageLife』を10年前から愛読する彼にとって、焦がれ、憧れていた空間なのだ。
アメリカ生まれのRさん。大学はアメリカのカリフォルニアでデザインを専攻。卒業後、帰国して台北にてビジネスを展開。ガレージのある生活を選択したのはごく自然の流れだった。当初から所有していた1992年式「MINI」は、結婚をする前の’02年10月にレストアし、12月の奥さま・グレースさんの誕生日にプレゼントしたという。
たびたび’98年式「ロータス・エリーゼ」でデートを重ねるなど、建築家の奥さまをRさんはクルマの世界に引き寄せていった。2004年に自宅物件を購入。奥さまの設計によりリノベーションが施された。もちろん、将来はガレージ付きの自宅になるようにだ。
まず、最初に奥さまがプランニングしたのは築60年になる自宅の躯体を残しながらも、空間を大きくすることで視野を広げること。鉄骨のH鋼を使いながら、敷地面積ぎりぎりまで住まいを広げ、ファザードをブラックの木で覆うことでシンプルなデザインに変更。スペースを広げる場所は採光を考えながらも、高さを意識することで広い空間を感じることができるように空間を広げている。
外壁となっていた石の素材はホワイトに塗ることで明るく、そして室内から素材を楽しめるように工夫している。ウォールナットの床材、扉、そして奥さまがデザインした家具を入れることで落ち着いた近代的な居住空間へと生まれかわった。もちろん各部屋にはテーマが与えられ、そのシーンによって使いやすくなっているのが最大の特徴だ。
開放感あふれる住居スペースは、木と石を使ったシンプルモダン。
その後、ガレージも奥さまの手によってリノベーション。”男の空間”というテーマが与えられた。2年前の2012年に完成、ご主人・Rさんの好きな色・グレーがふんだんに盛り込まれた。ガレージシャッター、エポキシで塗られた床、壁面や戸棚なども、すべて同色で統一した。
エアコンまで目隠しにするなど、細部のディテールにこだわった。そして最近購入したポルシェのエンジン始動時に悩んでいた白煙を解消するために日本で発売し好評を博している「EGWayOut」を台湾で初めて導入している。ただし壁面には鉄筋がなかったため、H鋼の梁を利用してモーターを設置した。
◆PLANNING DATA
所在地:台湾・台北市
家族構成:3人
敷地面積:200坪
延床面積:100坪
ガレージ面積:50平米
設 計:十一事務所(xrange)
愛 車:1966年式 ポルシェ
1967年式 ジャガー・E タイプ
2011年式 テスラ
1992年式 ミニ
1998年式 ロータス・エリーゼ
◆OWNER’S CHECK
・一番気にいっているところは?
クラシックコーナーに収まる2台の旧車。ガレージのカラーと
ボディカラーのマッチングも悪くない。
・ちょっと失敗したところは?
もっとガレージが広ければクルマを増やすことができる。
・次の夢はなんですか?
実は、1967年式シトロエンDSも購入してしまいました。
あと1台、どのように保管しようか悩んでます。
・読者へのアドバイスを!
EGWayOutを導入したことで臭いの問題を解決しました。おすすめです。