××年前の今日…

小型キャブオーバーの名車ここに誕生す!「初代サニーバネット/チェリーバネット」発売!【45年前の今日、こんなことが…】

シャレた軽快なバン、颯爽と登場

この記事の公開日は2023年11月16日。今から45年前の今日――すなわち1978年11月16日に発売された名車をご存じであろうか? 答は、日産バネットの初代モデル(サニーバネット/チェリーバネット)である。

【画像15枚】初代バネットのバリエーションと詳細を見る!

サニーバネット/チェリーバネットは、小型キャブオーバー車のライトバン/ワゴン(コーチ)/トラックであるが、そのデビューは、それまで存在していたサニーキャブ/チェリーキャブの後継車種としての登場だった。この初代バネットにはもうひとつ、ダットサンバネットという兄弟車があるが、これは1980年に加わったもので、当初は存在していなかった。ちなみにバネットという名は、小さい、あるいは可愛いといった意味の接尾語「ETTE」を「VAN」に付けたもので、「シャレた軽快なバン」というような意味である。

その商品コンセプトは、すぐれた積載効力と作業性を追求するとともに、運転のしやすさ、居住性、安全性、乗降性も重視した、ドライブやレジャーにも使える「マルチユースカー」というものであった。従来のサニーキャブ/チェリーキャブにも乗用仕様(コーチ)はあったが、この初代バネットではコーチをより乗用車志向とし、商品力強化を目指したのである。

エンジンは車名の通りサニーやチェリーF-Ⅱと同じく直列4気筒OHVのA型を搭載、1.2LのA12と1.4LのA14があったが、前者はトラックとバンに、後者はコーチとトラックに使用されている。レイアウトは前述の通りキャブオーバー式のFR。サスペンションは前後ともリーフスプリングを使用したもので、フロントが横置きリーフによる独立懸架、リアがリジッドとなる。ブレーキは上級モデルのみ前輪がディスクで、基本は前後ともドラム。

言うまでもなく、「サニー~」と「チェリー~」の違いは販売店によるもので、両者の差異はごく僅かである。外観では、ライトグリルのデザインにハッキリとした違いが持たされており、車名ロゴの配置のしかたなども異なる。しかし、バリエーション展開は両車で完全に共通なものとなっていた。すなわち、前記の通りライトバン/ワゴン(コーチ)/トラックの3種類。トラックにのみロング仕様が設定されており、ホイールベースは標準の2075mmに対して2405mmとなる。

デビュー当初のバリエーションは比較的簡素
グレード構成について詳述すると、コーチには1.4LのデラックスとGLという2種類のグレードがあったが、ボディはいずれも標準ルーフ・4ドア・9人乗りのみとなる。ライトバンは1.2Lのみ、ボディは標準ルーフとハイルーフの2種類に大きく分かれるが、両ボディに4ドアと5ドアがそれぞれ用意され、計4種類のボディそれぞれにデラックスとGLという2種類のグレードを設定、さらに標準ルーフにのみ4ドアCTというモデルが存在し、全部で9種類だ。積載量は3名乗車で600kg/6名乗車で400kgとなるが、CTだけは3人乗り・600kg積みのみ、つまり前席しかシートが具わらなかった。

次にトラックについて述べると、まず標準シャシーには1.2Lと1.4Lの2種類があり、それぞれに、低床平ボデーと高床の2種類の荷台が組み合わされる。ロングシャシーは1.4L・高床のみが設定されており、トラックは合計5種類であった。トランスミッションはコーチ/バン/トラック全てでコラムシフト・4速MTが基本だが、コーチのデラックスにのみ、ニッサンマチック(3速AT)が用意されていた。

当時の車両価格は、コーチGLで105万円、コーチ・デラックス(ニッサンマチック)で103万円。ライトバン・ハイルーフ5ドアGLで81.2万円、同4ドア・デラックスで74.7万円、標準ルーフ4ドアGLで74.7万円、同4ドアCTでは67.6万円。トラックはロング高床のデラックスで69.8万円、標準低床の1200デラックスで65.9万円、標準高床の1200デラックスで63.7万円(いずれも東京地区)。

その後の変遷について簡単に触れておくと、1979年にはバンとコーチにもロングボディを加え、1980年にはダットサンバネットが新登場。また、コーチにSGLを新設しているが、このSGLこそ、回転対座シートを国産車で初めて採用したモデルである。1981年には2Lモデルを追加、1982年にはワイドボディ/高級志向の派生車種ラルゴがデビューするなどし、初代バネットは1985年まで生産された。

CARSMEET web編集部

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