モデルカーズ

我流の可動ギミックを仕込んで楽しむ、US生まれのスタイリッシュワゴン!アオシマ製プラモ「CF2型アコード」【モデルカーズ】

逆輸入ワゴンの二代目

1990年代の日本に澎湃として湧き起こったステーションワゴン・ブーム。その立役者と言えばまず思い起こされるのはスバルのレガシィだが、それに次いで大きな役割を果たしたと言えるのが、ホンダ・アコードである。

【画像38枚】ブラックのボディが迫力のアコードワゴンとその制作過程を見る!

今では4ドア・セダンのイメージが強いアコードだが、1976年のデビュー当初は3ドア・ハッチバックのみであった。追ってセダンも登場するのだが、二代目にも引き継がれた3ドア・ハッチバックは、三代目に至ってシューティングブレーク的な2ドア・ワゴンのエアロデッキへと変化する(海外向けには従来のような3ドアも存在した)。続く四代目では4ドア・セダンのみのラインナップとなったが、北米での販売向けに現地で生産していたワゴンを、「U.S.ステーションワゴン」と銘打って1991年4月から輸入販売したのである。

四代目アコードは海外での評価の高さとは裏腹に国内では若干地味な存在ではあったが、このワゴンはその本格的な内容とスタイリッシュなエクステリアが受けて大人気となった。また、同様に北米からの逆輸入で発売された2ドア・クーペも人気を博したことは記憶に留めておきたい。そしてベースであるアコードは1993年9月にフルモデルチェンジを行い五代目へと進化、日本国内ではまたも4ドア・セダンのみの発売となったのだが、ワゴンおよびクーペも遅れての追加が予告されていた。

そのアナウンス通りワゴンは翌1994年3月、2ドア・クーペとともに、先代と同じく北米からの逆輸入というかたちで発売されたのである。この五代目アコードは、税制改革を受けてボディを3ナンバー・サイズへと拡大したのが特徴であったが、むろんワゴンもこれは同様で、先代よりも余裕のあるスタイリングは非常にスタイリッシュであった。FFレイアウト、四輪ダブルウィッシュボーンのサスペンションなどもセダンと同様である。

エンジンは、セダンでは1.8L、2L、2.2Lの3つの排気量があったが、ワゴンに搭載されたのは2.2Lのみ。2.2LのエンジンにはDOHCとSOHCがあったが、ワゴンに組み合わされたのは後者だけ、すなわち最高出力145psのF22B型である。グレードはベーシックな2.2Viと、その上級版である2.2VTLの2種類。

1995年9月にはマイナーチェンジによりフロントグリルやバンパーのデザインを変更。それだけでなく、中間グレードのViXを追加している。さらに1年後、1996年9月のマイチェンでは、ついにDOHC搭載のスポーティグレードが登場。最高出力190psのH22A型を搭載したSiRが、ラインナップの頂点として加わったのである。この二代目アコード・ワゴンは輸入車の年間登録台数No.1という栄誉を獲得するほどの人気を集めつつ、1997年10月まで販売された。

リリース当時よりも充実した内容の好キット
さて、この五代目アコードのプラモデル化は2種類あるが、うちひとつのタミヤ製1/24スケールはJTCC仕様のセダンであり、ワゴンを再現したのはアオシマ製1/24キットの方である。これは実車が新車だった当時、1996年にキット化されたもので、その後様々なカスタマイズ仕様でバリエーション展開もされてきた。初登場の時点では中期型VTLとしてのリリースであったが、後に後期型の最高グレードSiR(CF2型)に改められており、さらにその後はSiRとVTLの選択式となって、現在(2024年1月)も入手可能である。

ここでご覧いただいているのは、SiRに改修後、インテリアのデカールを加えて再販された時点でのものである。この再販は2012年に行われたのだが、作例は自動車模型専門誌「モデルカーズ」195号(同年)での記事用に制作されたものだ。この作品は新車当時の実車イメージカラーであるパールブラックで仕上げてあり、現在のバージョンのキットをSiRとして作る場合でも参考にしていただけるほか、リアシートの可倒ギミックを盛り込んであるので、同様の改造に挑んでみるのも面白いだろう。

作例制作=勝村広和/フォト=羽田 洋 modelcars vol.195より再構成のうえ転載

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