35年前のメタルインレットは使えるのか…?
グンゼ(現GSIクレオス)製ハイテックモデルのジャガーEタイプを作ってみましょうか、というこの連載。今回は、ボディ周りの作業をしてみた。
前回書いたように、どこか1ヶ所の作業に集中しすぎると、あまり興味を引かないような画像の羅列となってしまうので、色んな部分の作業を進めているのだが、本筋の順番で言うと、バルクヘッドの工作やすり合わせをしなければ、先へ進めないのである。しかしその部分の工作はやるべきことが多く、その割には写真が地味になるので、少しずつ進めながら他の部分も記事にできるよう、同時に作業している、といったわけなのだ。
さて今回は、ボディ周り……外観に関する部分である。クルマのスタイリングで重要な要素と言えば、まずボディ全体のライン、その次がフロントフェイス、ということになるだろう。すくなくとも私は、そのように考えている。ところでこのグンゼ製Eタイプは、そのフロントフェイスが少々頼りない。似ていない、という意味ではなく、ボディ単体では顔つきの雰囲気が掴めないのである。そうは言っても、ロードカーなら大体それは同じで、どのクルマでもフロントグリルやバンパーを取り付けなければ、顔つきがよくわからないだろう。
ところがこのEタイプでは、フロントフェイスの大事な要素が、プラの部品になっていない。それは何かと言うと、ヘッドライトカバーのリムである。ヘッドライトがハマる孔はもちろんボンネットには開いているし、ライトもライトカバーもパーツとして付属しているのだが、ひとつだけ、ライトカバーの枠(ヘッドライト・クロームベゼルあるいはヘッドライトグラス・サラウンドなどと呼ぶらしい)だけが、おいそれとは仮組みできないものになっている。つまり、この部分はメタルインレットでの再現となっているのである。通常メタルインレットは、組み立ての最後に貼り付けるべきものだ。
ボディ側に作り込んで立体感を持たせたい!
という訳で、今までは小さいライト孔の開いたウーパールーパーのような顔のボディで仮組みなどをしていたのだが、ではこのインレットを使うかというと、それも微妙であった。メタルインレットの性質上、ペラッとした平面形のライトカバーベゼルとなっているのだが、実車のそれは、わりと立体的なのである。しかも、キットのそれは少し小さめに出来ているので、正面から見ると離れ目がちなEタイプになってしまうのだ。さらに、これは当時の模型誌の記事で指摘されているのだが、少しも曲面に馴染まず、とても貼りづらいのだという。
そもそも35年以上前のメタルインレットがそのまま貼れるのかも怪しいので、上記のような事情から、ライトカバーベゼルは、ボディ(ボンネット)にじかに自作して、組み立ての最後の方で糊付きアルミ箔などを貼ることを、以前から考えていたのであった。そこで今回は、まずその土台となる太めのフチを、ボディに取り付けてみたという訳である。形なども実車の写真とにらめっこの上、メタルインレットそのままよりも実車に近づいたように思う。