Garage Life

ダットサン&VW! D.I.Y. で自ら仕上げた、旧車好き施主自慢のアイディアガレージ。【ガレージライフ】

趣味が高じてクルマの製作をしようと考えるほどの施主のガレージ、その名も「LOW LIFE GARAGE」は、自分の手で完成させた宝箱!

山々が連なる、自然豊かな長野県伊那市。父親の代から自動車の販売、整備、鈑金作業を営む「T自動車」に勤めるTさん。いつしかミニトラック、「ダットサン620」の世界にのめりこみ、HOTRODの世界にも興味があったため、いずれは雑誌で見ていたようなカスタムカーを製作したいと考えていた。もちろん、鈑金塗装からカスタマイズまで自分でできるため、その作業を楽しむことも趣味のひとつとなっていたのだ。

約6年前、クルマの製作の前にガレージを建て、作業が途中でも放置できるスペースを手に入れたいと考えていた。そこで、塗装ブースの前に建てられた4台を収めるカーポートをカスタマイズし、ガレージにしようと考えた。その作業にはD.I.Yが好きな父親も巻き込んで、基本親子2人での作業となった。鉄骨で組まれたカーポートを色々と研究をし、外壁を立ち上げる作業から開始。基本は自宅の近所にあるホームセンターの部材を使い、D.I.Yで作業を進めることに。

木材で柱を組んで、屋根材として施工されている屋根材、オンデュリオンをコークスクリューで止めていく。約10日間かけてカーポートの背面、左右両側、そして前面に施工。高い作業は脚立と仕事で使うフォク―リフトを使っての施工。あらかじめグリーンに塗装された軽量な屋根材をコークスクリューでとめていく作業となった。壁面が完成すると、床材の作業になる。

【写真19枚】カーポートを活用して、ガレージに大変身。 

「自分の手で満足したガレージを建てる」が実現した、クルマの保管スペース
もともと土だったスペースに、約55平米のに35mm厚の古材を敷き詰めることになるが、下地処理にも時間を費やした。一般的な防水シートを貼り、その上に砂利を敷き詰めてフラットにしながら、板を固定するための筋交い用の角材を這わせ、通信販売で購入した古材をコースレッドで留めていく。この水平を出す作業に苦心して、約1か月の歳月が費やされたという。その後、鉄骨で組んだ型枠に木材のガレージドアを製作した。

クルマのウインチ用のモーターを用いて、ガレージドアが持ち上がるように設計。これは普段からクルマを運ぶときに使用しているトラックについているウインチからの応用という。そのために、鉄骨の躯体にはガイドも溶接してすんなりガレージドアが上がるよう、工夫している。唯一の難点は自動でモーターが停まらないため、自分でスイッチをオフにすること。あくまでも自己責任における自分のためのガレージドアである。

さてガレージが完成してオンデュリンの裏側が黒いために暗かったので、のちにOSB鋼板を貼って壁面を造作するなど、ガレージは年月とともに進化を遂げているという。中2階にはクルマのパーツを保管するための収納スペースがあり、木造の階段により行き来ができるなどの工夫もしている。

親子でクルマに携わっている仕事をしていることから、溶接技術などの特殊な作業ができるもTさんの強み。基本はホームセンターで購入している部材と、電動ドリル、電動ノコギリ、コークスクリューで完成させたガレージ。このスペースは手塚さんにとっては自分で自作した満足感と、これらの夢、カスタムカーを産みだす場所となった。

今後の夢を聞くと、まずはダットサン620にVWエンジンを積んだカスタムカーを完成させること。そしてVWをベースにしたVOLKS RODの製作をしたいとのこと。クルマのカスタマイズの世界の固定概念を壊すクルマを生み出すのが夢と語る。このガレージから生まれるカスタムカーがデビューするのを楽しみに待っていたい。

◆PLANNING DATA
 所在地:長野県伊那市
 家 族:1人
 敷地面積:約200坪
 ガレージ面積:約55平米
 竣 工:2017年4月
 外装/内装仕上げ:オンデュリン/OSB合板
 愛 車:1978年式 日産・ダットサン620
     1967年式 日産・ダットサン521
     1976年式 フォルクスワーゲン・タイプ1

◆OWNER’S CHECK
・一番気に入っているところは?
 自分で頑張って貼った床は、雰囲気がよくて想像通り。またアメリカのバックヤードのような壁面のディスプレイにも満足している。
・ちょっと失敗したところは?
 シャッターに設置した窓は、なくてもOKだったかもしれません。
・次の夢はなんですか?
 ダットサン620を仕上げて、カスタムカーが集まるショーにデビューさせたいと考えています。

好評発売中『GarageLife Vol.99』掲載

Photo/Masatake-ISHIKO(石河正武) Text/Jun-ISHIHARA(石原 淳)

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