数あるBBS製ホイールの中でもとりわけ硬派路線をいくのがRI-Aだ。レーシングホイール直系を色濃く漂わせ、サイズも18インチのみ。それをストリートで味わい尽くせば、日常はもっとホットになる。
多様な車種を支える18インチという最適解
BBSホイールは、そのどれもがスポーツホイールと呼ぶに相応しいものばかり。中でもこの銘柄は特に硬派路線を貫いてきた。スーパーGTに投入されるレーシングホイールと同じ思想をもって、その設計手法を市販品へと落とし込んだアルミ鍛造1ピースホイール「RI-A」だ。強烈なトラクションがかかった際にホイールとタイヤとの空転を抑制するアンチスリップペイントに象徴されるように、モータースポーツ直系の技術は枚挙にいとまがない。
ベイファールが製作したM135i xDriveはBBS RI-Aを履くほか、STサスペンションによって約20mmローダウンされる。タイヤは225/40ZR18サイズのミシュラン・パイロットスポーツ4だった。日常を楽しむプレミアムホットハッチとしては格好の存在だ。
もっとも直系を感じるのはその造形だ。BBSが伝統として貫くクロススポークは、それを極限まで研ぎ澄ましたかのような2×5本へ。これもスーパーGTのレーシングホイールと同じ潮流である。超超ジュラルミン鍛造製法を採用するRI-Dもまた同様のデザインながら、RI-Aはさらにコンペティションに特化させたかのような無骨さを持つ。
隣り合うスポークをY字状に繋げるクロススポークはBBSがポリシーとして貫いてきたもの。RI-Aは5つのクロススポークで構成され、その間にボルトホールがある。スポーク天面は極限まで細くなりながらリムへと到達する。縦断面や股部には駄肉を排する切削加工が施されている。
だからといってRI-Aをコンペティションユースにとどめておくのはもったいない。用意されるサイズは、トヨタGR 86/スバルBRZ用の16、17インチを除けば18インチのみ。巷のスポーツ系コンパクト、ミドル勢にマッチングさせやすく、実際、BBSジャパン側も豊富なサイズ設定を敷いている。18インチであればタイヤ銘柄だって豊富だ。
BBS RI-A
その象徴としてBMW専門チューナーとして活動するベイファールが製作したF 40型 M135ixDriveを取り上げる。いわゆる1シリーズのトップグレードで、F40型になってからFF化したことが賛否両論を巻き起こしたが、いざフタを開けてみればBMWらしい“駆けぬける歓び”は健在だと評判だ。基本骨格はFF化し、M135iはxDrive(4WD)となることで、タイヤは前後同サイズの225/40ZR18へ。ここに狙いを定めたのが前後8.0J×18インチのRI-Aである。サイズは純正と同等ながら、1本あたり8.0kgと軽量に仕上がった。持ち前の金型アルミ鍛造製法を武器とする優れた設計手法の賜物だろう。
BBS RI-A
この軽量ホイールはストリートであっても確かな効果を発揮する。路面の段差を軽くいなし、足もとに何もついていないような“軽やかさ”を感じる。STサスペンションによるセッティングがピタリと決まって乗り心地も上質だ。ミシュラン・パイロットスポーツ4のしなやかなグリップ力を鮮明に感じ取りながら、快適なスポーツドライビングができる。極限まで軽く、そして強いホイールは、結果としてタイヤ性能を最大限に引き出すことを可能とする。それはコンマ1秒を争うコンペティションユースだけではなく、デイリーユースにだって役立つ。
BBS RI-A
この個体に組み合わされたRI-Aは、いかにもBBSらしいダイヤモンドブラックで彩られる。鍛造の質感を強く訴えていきながら、光があたればクロススポークがキラリと光り輝き、陰影がくっきりと出るのが特徴だ。まるでアスリートの筋肉のような逞しさを秘める様子を眺めるにつれて「強き者は美しい」のだと再確認した。
BBS RI-A
BBS RI-A
◎サイズ/価格(税込)
16インチ×7.0J/73,700円、17インチ×7.5J/97,900円、18インチ×7.5〜11.0J/104,500円〜119,900円
◎カラー
マットブロンズ(MBZ)、ダイヤモンドシルバー(DS)、ダイヤモンドブラック(DB)、ゴールド(GL)/マットグレイ(MGR)
◎対応車種
メルセデス・ベンツ/BMW/アウディ/VW/その他国産車等
【Shop Information】
優れた技術力とセンスでのチューニングやドレスアップに取り組み、きめ細かいメンテナンス術にも定評のあるプロショップ。BBS製ホイールには絶大なる信頼感を抱き、デモカーやユーザーカーに率先して取り入れてきた。
Beifall(ベイファール)
東京都八王子市堀之内3-4-13
TEL︎042-678-7246
https://www.beifall.jp