メルセデス・ベンツ

【比較試乗】 アナタにベストなEクラスを探せ!「メルセデス・ベンツ Eクラス・セダン vs オールテレイン vs ステーションワゴン」

快適性と安全性を高める様々な新技術が導入された新型Eクラス。ここでは、Eクラス・セダン、ステーションワゴン、オールテレインを全方位から比較し、走りのテイストや装備がどう違うのかを検証してみる。

常に時代をリードする中核モデルがEクラス

メルセデスを代表するクルマといえば、フラッグシップモデルという意味ではSクラスということになるが、常に時代をリードしてきた中核モデルという点では、アッパーミドルクラスのEクラスといっても異論はないだろう。

MERCEDES-BENZ E350e SPORTS EDITION STAR/E350eは走行中の静粛性が高いのも魅力。

最新のEクラスは6代目にあたり、2023年4月にワールドプレミアを果たしたあと、2024年2月にはセダン、ステーションワゴンがともに日本で発売になった。

MERCEDES-BENZ E350e SPORTS EDITION STAR/セダンのE350eスポーツは現在のラインナップの中では最上位グレードで標準装備も充実している。E200は894万円で、E350eは988万円と94万円の価格差があるが、PHEVは国から44万円の補助金が交付され、さらに地方自治体によっては追加の補助金が用意されるため、実質的な購入金額の差がほとんどなくなる。

他のメルセデス同様、このEクラスも、「センシュアル ピュリティ(官能的純粋)」というデザイン思想に基づき、優雅な曲面で構成されたボディと、メルセデスのシンボルであるスリーポインテッドスターが鎮座するフロントマスクによって、ひと目でメルセデスの一員とわかるエクステリアに仕上げられている。さらにEクラスでは、ラジエターグリルとヘッドライトの間をグロスブラックのパネルでつなぐことで、EV(電気自動車)のEQEを想起。また、テールライトにスリーポインテッドスターのモチーフを取り入れたことで、はるか先を走っていても、一発でEクラスとわかる個性を手に入れているのだ。

MERCEDES-BENZ E350e SPORTS EDITION STAR

エクステリアに負けず劣らず、Eクラスのインテリアも見応えがある。キーを持って近づくと自動でスッとせりだしてくるドアハンドルを引き、キャビンを覗き込むと、センターから助手席までガラスに覆われたコクピットに圧倒される。EQSなどに採用される「MBUXハイパースクリーン」の普及版である「MBUXスーパースクリーン」だ。エンジン車のなかで真っ先に採用されるというのも、常に時代をリードしてきたEクラスらしいところだ。

MERCEDES-BENZ E350e SPORTS EDITION STAR

マイルドハイブリッドで全モデルが電動化に

デザイン以外にも、最新のEクラスには見どころがたくさんあり、たとえば、搭載されるパワートレインは、プラグインハイブリッド、または、マイルドハイブリッドにより、全モデルで電動化を図ったところが見逃せない。

MERCEDES-BENZ E350e SPORTS EDITION STAR

また、アップル社のiPhoneをデジタルキーとして利用できたり、ダッシュボードのカメラでビデオ会議に参加できる機能など、ユニークな機能も目白押しだ。

MERCEDES-BENZ STATIONWAGON EXCLUSIVE(右)とE220d 4MATIC ALL-TERRAIN(左)

2024年3月には2つのグレードが追加され、現時点ではセダン、ステーションワゴンそれぞれに4グレードが設定されている。このうち、2L直4ガソリンターボのE200アバンギャルド、2L直4ディーゼルターボのE220dアバンギャルド、よりパワフルな2L直4ガソリンターボを積むE300 エクスクルーシブはセダン、ステーションワゴンともに用意される一方、PHEV(プラグインハイブリッド車)のE350eスポーツ・エディションスターはセダンのみ、クロスオーバーのE220d 4MATICオールテレインはステーションワゴンのみで選ぶことができる。

MERCEDES-BENZ STATIONWAGON EXCLUSIVE/インテリアの意匠はEクラス全車共通で、ダッシュボードにはメリハリのあるフローティング形状を採用。ホイールベースの数値はセダンと同一で、後席のスペースはヘッドルーム、ニールームともにアッパーミドルセグメントにふさわしい余裕を誇っている。

このなかから、今回はとくに個性的な3台にフォーカスした。
まずは、PHEVのE350eスポーツ。このクルマには、2L直4ガソリンターボと電気モーターが搭載され、バッテリー残量が許せば電気だけで走行が可能。もし電気が足りなくなったとしても、ハイブリッド車同様、給油することで長距離走行が可能である。E350eスポーツの場合、満充電で最大112kmのEV走行が可能というから、多くの人にとって、ふだんはほぼEVとして使えるにちがいない。

MERCEDES-BENZ STATIONWAGON EXCLUSIVE

さっそくEV走行するエレクトリックモードで走り出してみると、最大トルクが440Nmと強力なモーターは、街中はもちろんのこと、高速道路でも不満のない加速を見せてくれる。エンジンを使わないだけに、走行中の静粛性が高いのも魅力だ。試しにアクセルペダルを大きく踏み込んで急な加速を試みると自動でエンジンが始動するが、ふだん、そこまで加速が必要なことはあまりない。バッテリーモードを選ぶと、走行中にエンジンを使うことが増え、その際、モーターがエンジンをアシストするので、よりスポーティな走りが楽しめた。バッテリーを搭載するぶん、エンジン車のセダンに比べてラゲッジスペースが170L減るのが弱点だが、EVに興味はあるけれど、長距離移動時の充電などに不安があるという人には、打ってつけの選択肢である。

MERCEDES-BENZ STATIONWAGON EXCLUSIVE

E300ステーションワゴン・エクスクルーシブで注目したいのは、なんといってもフロントマスク。他がラジエターグリルに大きなスリーポインテッドスターを埋め込む「アバンギャルドラインエクステリア」を採用しているのに対して、こちらは、ボンネットの上に小さなスリーポインテッドスターのマスコットを配する「エクスクルーシブラインエクステリア」としていて、それだけでグッとくるのは私だけではないはずだ。

MERCEDES-BENZ STATIONWAGON EXCLUSIVE

アッパーミドルクラスにふさわしい仕上がりだ

搭載される2Lターボは、最高出力258ps、最大トルク400Nmを発揮するハイパフォーマンス版で、さらにマイルドハイブリッドシステムのスターター・ジェネレーターが加速時にエンジンをアシスト。そのため、低回転からエンジンは力強く、素早い加速が可能なうえ、アクセルペダルを深く踏み込めば2000rpm半ばから6000rpm超えまで、爽快な加速が楽しめるのがいい。連続可変ダンピングシステムとエアサスペンションを組み合わせたAIRMATICサスペンションを標準装着するだけに、快適な乗り心地と落ち着いた挙動を両立するのも、アッパーミドルクラスにふさわしい仕上がりといえる。

MERCEDES-BENZ E220d 4MATIC ALL-TERRAIN/ステーションワゴンをベースに全高は1495mmに引き上げ、最低地上高は145mmを確保する。オールテレインの駆動方式はEクラスで唯一のディーゼルエンジンと4WDの組み合わせ。ドライブモードにはSUVモデルと同じ「オフロード」モードが設定される。

クロスオーバースタイルのE220d 4MATICオールテレインは、Eクラスのなかで唯一、ディーゼルエンジンと4WDを組み合わされる。ブラックのフェンダーアーチカバーやシルバーのアンダーガードなどにより、アクティブな印象が強まっているのも、このクルマの魅力である。

MERCEDES-BENZ E220d 4MATIC ALL-TERRAIN

197ps、440Nmを発揮する2Lディーゼルターボは、前述のE300同様、マイルドハイブリッドシステムが搭載されるおかげで、より太いトルクにさらに磨きがかかり、1950kgのボディを軽々と加速。アクセル操作に対する反応も実に良好で、回せばスポーティな一面も見せてくれる。

MERCEDES-BENZ E220d 4MATIC ALL-TERRAIN

車高が高いぶん、全高は他に比べて15mm高い1495mmだが、AIRMATICサスペンションのおかげもあって高くなった重心を感じることはなく、ロールやピッチングを抑えたフラットで快適な乗り心地が味わえる。ステーションワゴンだけに、広大なラゲッジスペースも魅力で、アウトドアアクティビティなどを楽しむ人にとっては、そのオールマイティな性格が頼もしく思えるはずだ。

MERCEDES-BENZ E220d 4MATIC ALL-TERRAIN

今回採りあげた以外にも、魅力的な選択肢が用意されている今度のEクラス。メルセデスの看板モデルに死角はないようだ。

MERCEDES-BENZ E220d 4MATIC ALL-TERRAIN

Eクラス徹底研究【1】モデルバリエーションは8種類

選べるパワーユニットは、ガソリン、ディーゼル、プラグインハイブリッドなどを織り交ぜた全4種類で全モデルが電動化されている。モデルバリエーションはセダン、ワゴン合わせて8モデルを用意している。

Eクラス徹底研究【2】フロントフェイスは3種類

E200/E220d/E350eのフロントグリルは、シングルルーバーを採用。オールテレインはダブルルーバーとなり、クロームアンダーガード付の前後バンパーが特徴的。E300は、ボンネットにスリーポインテッドスターと3本のルーバーを備えたグリルとなる。

Eクラス徹底研究【3】ラゲッジルームの使い勝手は?

Eクラスには40:20:40の分割可倒式シートバックを採用。E200/E220dセダンのラゲッジルーム容量は通常時で540Lを確保。E350eはバッテリーを搭載するため370Lとなる。ステーションワゴンは615Lで、リアシートを倒せば最大で1830Lに拡大し、優れた実用性も魅力。

Eクラス徹底研究【4】おすすめのオプションはMBUXスーパースクリーン

インテリアのハイライトのひとつが、「MBUXスーパースクリーン」だ。助手席用スクリーンをオプションで装備した場合、大型ディスプレイが、ダッシュボード全面を覆う形になる。

Eクラス徹底研究【5】標準装備される先進安全・運転支援技術とは?

Eクラスは、充実した安全装備を備えている。特に注目すべきは、前走車との距離を自動で調整し、一定の車間距離をキープする「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」などの先進的な運転支援システムを標準装備する。

Eクラス徹底研究【6】イルミネーテッドラジエーターグリルをオプションで用意

ラジエーターグリルの縁が白く光り、夜間に圧倒的な存在感を放つ「イルミネーテッドラジエーターグリル」は新型Eクラスから採用された新機能だ。E300は標準装備され、E350eにはオプション設定されるアイテム。

Eクラス徹底研究【7】ノーマルサスペンションとエアサスペンションの違いは?

AIRMATICサスペンションは、連続可変ダンパーとエアサスを電子制御することで、快適性と俊敏性を両立し、路面状況によって瞬時に最適化される。E300セダン/ステーションワゴン、E220dオールテレインに標準装備。

【PERSONAL CHOICE】E220d 4MATIC ALL-TERRAIN

ワゴン好き、長距離ドライブ好きの私としては、速さ、走り、燃費に優れ、さらに、プラスアルファの走破性と見た目のカッコ良さを手に入れたオールテレインで決まり!

【SPECIFICATION】MERCEDES-BENZ E350e SPORTS EDITION STAR
■車両本体価格(税込)=9,880,000円
■全長×全幅×全高=4960×1880×1485mm
■ホイールベース=2960mm
■車両重量=2170kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1997cc
■最高出力=204ps(150kw)/6100rpm
■最大トルク=320Nm(32.6kg-m)/2000-4000rpm
■モーター最高出力=129ps(95kw)/2100-6800rpm
■モーター最大トルク=440Nm(44.8kg-m)/0-2100rpm
■トランスミッション=9速AT
■サスペンション=前:4リンク、後:マルチリンク
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤサイズ=前:245/40R20、後:275/35R20

【SPECIFICATION】MERCEDES-BENZ STATIONWAGON EXCLUSIVE
■車両本体価格(税込)=11,390,000円
■全長×全幅×全高=4960×1880×1480mm
■ホイールベース=2960mm
■車両重量=1950kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1997cc
■最高出力=258ps(190kW)/5800rpm
■最大トルク=400Nm(40.8kg-m)/2000-3200rpm
■モーター最高出力=17ps(10kW)/1500-3000rpm
■モーター最大トルク=205Nm(20.9kg-m)/0-750rpm
■トランスミッション=9速AT
■サスペンション(F:R)=4リンク:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=225/55R18:225/55R18

【SPECIFICATION】MERCEDES-BENZ E220d 4MATIC ALL-TERRAIN
■車両本体価格(税込)=10,980,000円
■全長×全幅×全高=4960×1880×1495mm
■ホイールベース=2960mm
■車両重量=2020kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1992cc
■最高出力=197ps(145kw)/3600rpm
■最大トルク=440Nm(44.8kg-m)/1800-2800rpm
■トランスミッション=9速AT
■サスペンション(F:R)=4リンク:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=255/45R19:255/45R19

 

フォト=郡 大二郎 ル・ボラン2025年1月号から転載

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