これは全くの余談だが、当時マイケル・マンがプロデュースした刑事ドラマにもう一作、『クライム・ストーリー』(1986-1988年)という作品がある。日本のマニアにも『刑事貴族』(舘ひろし編)の着想元として知られるドラマだが、作中の時代設定は1963-1964年であり、主人公・トレロ警部補は1957年型クライスラー300Cを愛車とする。アメリカンカープラモの題材としてはこちらの方が相応しくも思えるのだが、そのキット化の実現(AMTアーテルによるもの。劇中仕様ではない)は、このテスタロッサから10年以上後のことであった。
写真:秦 正史、畔蒜幸雄(ご提供画像除く)