名車と｢912c｣の特別コレクターズエディションを発表｡フル&セミカーボンで軽量化､ロード仕様の重量はわずか699-750kg！
ハンガリーのKAMMマニファクチャーは、｢ポルシェ912」の誕生60周年を記念して、これまでで最もコレクション性の高いモデル「KAMM 912c 60thエディション」を発表した。ユニークなデカールとインテリアのディテール、そしてモータースポーツにおける912の成功を記念した特別なペイントカラーが、KAMMのこの特別なモデルのコレクターとしての地位を確実なものにしている。
「KAMMの創設者であるMiki Kázmér氏は「912は常に私の情熱でした。この象徴的なスポーツカーがデビューしてから60周年を祝うモデルを製作できることは、KAMMにとって特別な瞬間です。私たちのアニバーサリー912cは、912の素晴らしい個性と自動車の歴史における輝かしい地位を称えるユニークなクルマなのです」
1965年のニューヨークオートショーで発表された912は、｢356」とポルシェの永遠のレガシーとなる「911」とのギャップを埋めるモデルとして、ポルシェの魅力を広げるために誕生した。過去60年のほとんどの期間、912はより有名な911の影に隠れていたが、今日ではエンスージアストやコレクターから非常に高い評価を受けている一台だ。
【写真9枚】912は、911に代わる手頃なモデルとして1965年に生産が開始された
超軽量のKAMM 912cは、1960年代のクラシックなデザインの魅力を余すところなく受け継ぎ、さらに自社開発のカーボンファイバーを多用することでクラストップレベルの750kgという軽さを実現している。
シンガー、ケーニグセグ、ポルシェ・モータースポーツなどで経験を積んだ情熱的な専門家チームによってブダペストで製作された912cは、クラシックな912のドナーカーをベースにしており、オリジナルの信頼性を保証している。
オリジナルの912は1965年から1969年の間にわずか32,000台しか生産されず、911の兄弟車よりもはるかにエクスクルーシブなモデルとなっている。912を後継モデルであるポルシェ356に近い価格で販売するため、エンジニアは911の大型で高価な6気筒エンジンではなく、356と同じタイプ616/16の1.6L4気筒エンジンを採用した。
このエンジンは356よりも5馬力低い90馬力だったが、911よりも車重が軽いため、912は優れたハンドリングを実現した。KAMM 912cの広範囲に渡って再設計された空冷4気筒エンジンは、有名な616パワープラントをベースにしており、オリジナルの本質に忠実な完全アナログの純粋なドライビング体験を保証する。
KAMM 912c フルカーボン 60thエディションは、モータースポーツにおける912の輝かしい歴史を称えている。1960年代後半、911はすでにサーキットレースとラリーの両方でその名を馳せていたが、1967年に注目を集めたのは912だった。
911の初期の成功を考えると、912は当然の選択とは思えなかったかもしれないが、1967年、ポーランドのドライバー、ソビエスワフ・ザサダが912を駆り、グループ1ツーリングカーによるヨーロッパ・ラリー選手権で総合優勝を飾ったとき、912はその兄貴分として真価を発揮した。KAMM 912c 60thエディションの美しいポーランド・レッドの塗装は、このラリーを制覇した912からインスピレーションを得ている。
バハマ・イエローは、1967年にスウェーデンのラリーで成功を収めた912に使用されたものと同じ塗装である。同年、3台の912がスウェーデンのラリーに参加し、もう1台がガルフ・ロンドン・ラリーにエントリーした。912はモータースポーツの歴史にその名を刻むこととなった。
KAMMは、912c 60thエディションモデルによって、912の歴史に名を刻む、いまや栄誉あるモデルを購入者に提供する。フルカーボンの912cをベースに、世界中で912cが高い評価を受けたのと同じ特注のリエンジニアリングが施され、各モデル1台のみが製作される。
当時のカラーリングは特別な特徴のひとつに過ぎず、両モデルには、Bluetoothオーディオシステム、エアコン、キャビンヒーター、ワイヤレス電話充電など、KAMM 912cオーダーメイド・プログラムで利用可能なあらゆるオプションが装備される。オーナーは、912c 60thエディションをストリートまたはサーキット用にチューニングすることができ、ギアボックス比、シート、規定の安全装備、エンジンチューニングを選択することができる。
さらに、購入者はブダペストでKAMM創設者ミキ・カズマーとの1:1デザイン・コンサルティングを受けることができ、60周年記念の特別レーシング・ヘルメット、特注ウェア、KAMMアートワーク、カーボンファイバー製スケールモデルなどの特別記念グッズを受け取ることができる。
「私は、ドライビング・エクスペリエンスを向上させるために現代性をさりげなく取り入れるべきであり、本物であることは保証されるべきであると固く信じています。その真正性こそが私たちKAMMの原動力であり、だからこそ私たちは912のすべてのパーツを徹底的に再設計し、現代のドライバーの要求に適したスポーツカーを作り上げたのです」と、Miki Kázmér氏はコメントした。
ポルシェ912の60周年を記念して製作された、特別な60thエディションの「912c｣。コレクターズアイテムとしてだけでなく、ポルシェの歴史において重要な位置を占める象徴的なスポーツカーの遺産にオマージュを捧げる、運転する勇気のある人のためのクルマだ。KAMM 912c 60thエディションは現在オーダー可能で、価格は395,000ユーロ(約6170万円)。
