海外試乗

驚愕のオフロード性能を披露したディフェンダーの最強モデル!「ディフェンダー オクタ」

ディフェンダー オクタ

多彩なボディサイズとラインナップを誇り、好評を博しているディフェンダーに、最強モデルの「OCTA」が加わった。南アフリカで行なわれた試乗会では、その卓越した走行性能を披露したのだ。

オフロードでの走破性を高めたOCTAモードを搭載

最新の4.4L V8ツインターボエンジンとランドローバーが独自開発した6Dダイナミック・サスペンションを搭載することを最大の特徴とするディフェンダーOCTA。しかし、この組み合わせは一昨年に発表されたレンジローバースポーツSVとまったく同じ。では、2台の間にはどのような違いがあるのか。両モデルの開発を指揮したコリン・カークパトリックに訊ねると、こんな答えが返ってきた。「レンジローバースポーツSVとの違いは、OCTAモードを設けたことに象徴されています」

【画像11枚】ディフェンダーの最強モデル「オクタ」フォトギャラリーを見る

ディフェンダー オクタ

タイヤを空転させながらフカフカの砂地を一気に駆け抜けるOCTA。こういったシーンでは635psを発するV8エンジンが威力を発揮する。国内220台が限定販売されるOCTAは今年度分が完売したが、来年以降も設定される可能性が高い。

スペシャル・ヴィークル・オペレーションズのプログラムディレクターという肩書きを持つコリンパトリックは、さらにこう続けた。「レンジローバースポーツSVにはSVモードを設定しましたが、あれは6Dダイナミック・サスペンションの油圧を高めてよりスポーティなドラビングを可能にするもの。いっぽうのOCTAモードでは逆に油圧を下げ、オフロード性能の向上を図りました」

ディフェンダー オクタ

ダンパーの油圧系をX字状にたすきがけしただけでなく、前後間でも連結した6Dダイナミックサスペンション。「主にピッチングの抑制を狙ったマクラーレンとは異なり、SUVに求められるロール剛性の強化も実現した」とカークパトリック氏はコメントしていた。V8エンジンはBMWとの共同開発だ。

サスペンション・ダンパーの油圧系を相互に連結することで、スプリングレートやダンピングレートを無闇に上げることなく、ボディをフラットに保つ効果を生み出す6Dダイナミック・サスペンションは、油圧回路内の油圧を電子制御する機能を有している。ここで油圧を高めればスポーティなハンドリングを実現できるいっぽう、油圧を下げると4輪がしなやかに
路面に追従し、オフロードでの走破性を高めることができる。つまり、6Dダイナミック・サスペンションはスポーツ性能の強化に役立つだけでなく、オフロード性能の改善にも役立つ万能なサスペンションシステムなのである。

ディフェンダー オクタ

上質な素材を用いてラグジュアリー性を高めたOCTAのインテリア。前席のパフォーマンスシートは振動でも音楽を楽しめる「ボディ&ソウル・オーディオ」を内蔵。路面ごとにプリセットされたドライビングモードのほかに、各種設定を好みにあわせて選ぶこともできる。

南アフリカで行なわれた国際試乗会では、その驚くべきパフォーマンスを幾度となく体験した。砂粒のキメが細かくてフカフカに柔らかい砂漠のような砂地では、優れたロードホールディング性と635psのパワーを駆使し、砂を大きくまき散らしながら轟然と進んでいったかと思えば、ときに車体が直立近くまで立ち上がる岩場でも確実な駆動力を発揮して難なく走破してみせた。
ディフェンダー オクタしかし、なんといっても驚きだったのが硬く締まったダート路を恐ろしいほどの速度で疾走したときのこと。足元はガタゴトと揺れているのに、その振動がキャビンにあまり伝わってこなかったばかりか、スタビリティコントロールを外せばコーナリング中の軽いブレーキングで、前後のトルク配分がリアバイアスとなるOCTAモードでは、コーナー出口でアクセルペダルを強く踏み込むことでオーバーステアを引き出せる。そのハンドリングは、車重が2.5トンを越す巨大なSUVであることが信じられないほど。ちなみに本国発表の資料によれば、0→100km/h加速を4.0秒でクリアし、最高速度は250km/h(装着タイヤによって異なる)に達するパフォーマンスを誇る。
ディフェンダー オクタそれでいながら舗装路ではレスポンスが良好で正確なハンドリングを実現。乗り心地はやや硬めだったが、これはオプションのアドバンスド・オールテレイン・タイヤを履いていた影響である可能性が高い。
ディフェンダー オクタ悪路を走る機会の多い今回の試乗会ではこのタイヤが欠かせなかったが、日本ではオプション設定されない模様。もっとも、このタイヤをオーダーするとスピードリミッターは160km/hに設定されるので、どうしても欲しい向きは車両購入後に同種のタイヤに交換したほうが賢明だろう。
いずれにせよ、オフロード性能をさらに極めながら、オンロードで優れたハンドリングと快適性をもたらすOCTAがディフェンダーのフラッグシップに相応しモデルであることは間違いない。

【Specification】ディフェンダー オクタ
■車両本体価格(税込)=20,370,000円
■全長×全幅×全高=5003×2105×1995mm
■ホイールベース=3023mm
■車両重量=2585kg
■エンジン種類=V8DOHC32V+ツインターボ
■総排気量=4395cc
■最高出力=635ps(467kW)/5855-7000rpm
■最大トルク=750Nm(76.5kg-m)/1800-5855rpm
■トランスミッション形式=8速AT
■サスペンション形式=前後:マルチリンク/エア
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤ=前後:275/60R20

問い合わせ先=ジャガー・ランドローバー・ジャパン 0120-18-5568

ルボラン2025年2月号より転載
大谷達也

AUTHOR

大学卒業後、電機メーカーの研究所にエンジニアとして勤務。1990年に自動車雑誌「CAR GRAPHIC」の編集部員へと転身。同誌副編集長に就任した後、2010年に退職し、フリーランスの自動車ライターとなる。現在はラグジュアリーカーを中心に軽自動車まで幅広く取材。先端技術やモータースポーツ関連の原稿執筆も数多く手がける。2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考員、日本自動車ジャーナリスト協会会員、日本モータースポーツ記者会会員。

愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?

複数社を比較して、最高値で売却しよう!

車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。

手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!

一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業不特定多数の業者からの大量電話をなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!

【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>

注目の記事
注目の記事

RANKING