300Cにもグリーンは用意されていたが、パレードグリーンと呼ばれるそのカラーは深みがありつつも明るく鮮やかな色で、このような色調ではなかった。このカラーは、300Cの専用色でないながらも同年型クライスラーに存在した(そして300Cに特注で塗ることも可能だった)フォレストグリーンの再現と思われる。クローム部分がシルバーでペイントされ、300Cのバッジが3色で塗り分けられているだけでなく、エンジンルームも黒く塗られ、さらにルーフ内側はタンで塗装されているという、実に手の込んだ仕上げである。
写真:羽田 洋、秦 正史