それから30年以上経ち、ミレニアムに再評価の機運が盛り上がったわけでもないのに、こうしたテーマが続いた真の理由とはなんだったのか。アメリカンカープラモ開発の古参たちは、高精細化の可能性をかつてないほどに秘めたデジタル・ツーリングにみなスーパー・ディテーリングの夢を観た。「この技術をつかってパリッとしたエンジンが欲しい」——この至極単純な、いかにも古参らしい思いつきが、まず先行してすばらしく完璧なディテールのホットロッド・フラットヘッドを生み出した。
写真:羽田 洋、秦 正史