
































誕生から100年超、「マイバッハ」は伝統のブランド
2015年に日本でも登場した「メルセデス・マイバッハ」は、100年超の歴史を持つ最高級ブランド「マイバッハ」の現代の姿で、これまでにない新しいポジション(クラス)を創出していると捉えられます。
現在は、セダンの「メルセデス・マイバッハ Sクラス」、SUVの「メルセデス・マイバッハ GLS」、BEVの「メルセデス・マイバッハ EQS SUV」がラインアップされていて、いずれもハイエンドのラグジュアリーモデルとしてブランドに相応しい実力を持っています。今回は、そのブランドと各モデルの魅力や特徴を中心にご紹介します。
【画像32枚】細部に宿る絶対的ラグジュアリー。メルセデス・マイバッハ、匠の技をギャラリーで味わう
「マイバッハ」は、「メルセデス・ベンツ」の生みの親の一人である「ゴットリープ・ダイムラー」と共にエンジンの研究をしていた「ヴィルヘルム・マイバッハ」が1909年に息子の「カール・マイバッハ」と共に「ツェッペリン伯爵(飛行船の父とも称される)」の飛行船用のエンジンを制作する「Maybach-Motorenbau GmbH(マイバッハ・モトーレンバウ社)」 を設立したのが起源で、初のシリーズ生産車となる「W3」が発表されたのも1921年9月にまで遡り、自動車ブランドとしても誕生から100年超の歴史を持っています。
「ヴィルヘルム・マイバッハ」の信条は「最高のものから最高のものを生み出す(Creating the best of all from the best of all)」で、その既成概念を打ち破るプロダクト(自動車)によって高い商品性を誇る最高級ブランドの「マイバッハ」として、1920年代から1930年代には数々の優れた高級車を世に送り出してブランドを確立しました。
その後、「カール・マイバッハ」の引退を期に「ダイムラー・ベンツ社(現在のメルセデス・ベンツ グループ社)」が1950年代には経営への関与を強化、1960年代には同社のブランドのひとつとなり、生産販売の停止期間を経て2002年の復活へとつながっていきます。
自動車の最高級ブランドとして復活した「マイバッハ」
2002年に復活した最高級ブランドの「マイバッハ」は同社の理念である“最善か無か”を最も体現したモデルで、全長からネーミングされた「57〔約5700mm(W240)〕」と「62〔約6200mm(V240)〕」の2タイプの車体には、専用に設えられた550ps/5250rpm(900Nm/2300-3000rpm)を発揮する5.5LのV型12気筒ツインターボエンジン〔M285〕が搭載されています。
その後、6.0Lに排気量を拡大して最終的には630ps/4800-5100rpm(1000Nm/2000-4000rpm)にまでハイパワー化された「57 S」と「62 S」も追加され、さらに最高出力640ps(1000Nm)を誇る世界限定100台の「Zeppelin(ツェッペリン)」やオープンモデルの「ランドレー」もラインアップされていました。
いずれのエンジンも定評のある5速オートマチックトランスミッションと組み合わせられ、その圧巻なボディサイズ(全幅も1980mmとワイド)と迫力のあるデザインや深い輝きを持つ塗装等によって圧倒的な存在感を放つエクステリア、優雅さを極め数多の機能が備わるインテリア、さらに「ツインセンソトロニック・ブレーキ・コントロール」にはブレーキ・バイワイヤーの「SBC(Sensotronic Brake Control)」系統に加えて「SBC」に不具合があった際に備えて油圧ブレーキ系統も持っているため、何と!ブレーキは2系統であったように、全ての面で同社の最善が尽くされていました。
最終のフェイスリフト等が施された2010年当時の日本における税込車両本体価格は「57」が4850万円、「57 S」が5470万円、「62」が5550万円、「62 S」が6310万円、オープンモデルの「ランドレー」は1億4200万円、いずれも左ハンドルと右ハンドル(150万円増)が用意され、さらに数々のオプション(装備)も組み合わせ次第では数千万円にもなりました。
「マイバッハ」は、同社の主力工場のひとつであるドイツの「ジンデルフィンゲン工場」の熟練工が工程のひとつひとつを丁寧に担い生産、2013年に納車が終了するまで同社の日本法人である「メルセデス・ベンツ日本」によって(2007年からは「株式会社シュテルン品川」でも)一握りの限られたオーナーへ直接販売されました。
またアフターサービスの面では「マイバッハ/SLRサービスセンター東京」や札幌、仙台、大阪、福岡の「サービスサポートセンター」も開設されていました。
「マイバッハ」は日本とも縁深く、液晶調光パノラミックガラスサンルーフ(オプション230万円ほど)は、かつて横浜に存在した同社のデザインセンターで障子をモチーフにデザインされたとも言われています。
「62」に試乗した際の記憶を辿ってみると、V型12気筒ツインターボエンジンは遠くでかすかに心地良い音を奏でていて、シフトショックがほぼない5速オートマチックトランスミッションと相まって、走り出しから極めてスムースに車両重量2855kg(参考までに「57」は2735kg)の車体を力強く軽々と加速させていき、極上のフィールを体感することができます。
特に圧倒的な静粛性と後席における液晶調光機能が付いた電動ガラスパーティション他(オプション445万円ほど)によって前席と隔離されることなどから得られる特別感、そして、他にないボディの重厚感は凄まじく、3827mmものホイールベース(参考までに「57」は3390mm)による抜群の安定感と洗練されたエアサスペンションによる滑らかな乗り心地は素晴らしく、唯一無二の快適性を味わうことができました。
当時、「マイバッハ」と同じく最高級ブランドの「ロールス・ロイス」も保有するユーザーは、どちらかというと静粛性の高さや圧倒的な快適性から仕事での移動は「マイバッハ」、芸術的かつ絢爛豪華であることからレジャーやプライベートでの移動は「ロールス・ロイス」といったように乗られている傾向があったようです。
近年のF1(Formula1)における史上最長の8連覇(2014年~2021年コンストラクターズタイトルを獲得)もそうですが、「自動車を発明」した会社の“本気”の底力には凄まじいものがあると感じずにはいられません。
「メルセデス・マイバッハ」が切り開いた新しいポジション
2013年に販売が終了していた「マイバッハ」ブランドは、2015年2月に日本ではオペラの披露と共に発表され、新たに「メルセデス・マイバッハ Sクラス(X222)」として世に送り出されました。
以前とは少し趣が異なり、メルセデスの“究極のエクスクルーシブ性”を担うとされた新ブランドは、唯一無二の独自のポジション(クラス)を創出したと捉えられます。具体的には「メルセデス・ベンツ」のトップモデルである“Sクラス”をベースに後席乗員の快適性向上のためホイールベースを200mm延長、量産車として世界最高の静粛性を実現するために風切り音の低減、遮音材、特殊なシーリング技術などを専用に用いています。
登場時の車体は1タイプ(全長5460mm、全幅1900mm、全高1495mm、ホイールベース3365mm)で、既に定評のあるエンジンが用いられ「メルセデス・マイバッハ S 600」には最高出力530ps/4900-5300rpm(830Nm/1900-4000rpm)の6.0L V型12気筒ツインターボエンジン(M277)が7速オートマチックトランスミッションとの組み合わせで搭載され、車両重量は2350kg、車両本体価格は2600万円でした。
「メルセデス・マイバッハ S 550」には最高出力455ps/5250-5500rpm(700Nm/1800-3500rpm)の4.7L V型8気筒ツインターボエンジン(M278)が9速オートマチックトランスミッションとの組み合わせで搭載され、同じく2300kgで2200万円でした。
基本的に搭載されるエンジンの違いによる装備の差はなく、当時の最新技術として最大15m前方の路面の凹凸をステレオマルチパーパスカメラで捉え、路面状況に応じて瞬時にサスペンションのスプリングストラットとダンパーのオイル流量を制御、ボディに伝わる衝撃を最小限にすることによって、フラットで極上の乗り心地を実現した世界初のサスペンションシステムとされる”マジックボディコントロール”を搭載しています。
導入時は左ハンドルのみの設定で、後に「4MATIC(四輪駆動)」や右ハンドルの追加と2016年には車両本体価格が8800万円という「メルセデス・マイバッハ S 600」をベースにホイールベースが1000mm以上拡大されて4418mm、全長6500mm、全幅1900mm、全高1598mm、乗車定員が6名(後席4名)というスペシャルモデルの「メルセデス・マイバッハ S 600 プルマン」も導入されました。
その後、「メルセデス・マイバッハ S 650」としてハイパワー版の6.0L V型12気筒ツインターボエンジン(M279)や「メルセデス・マイバッハ S 560」として新世代の4.0L V型8気筒ツインターボエンジン(M176)への換装やフェイスリフト等も2017年に実施されて、各種改良も幾度か施され現行モデルへとつながっていきます。
「メルセデス・マイバッハ S 550」に試乗した際の記憶を辿ってみると、既に“Sクラス”や“SL”、“Eクラス”等にも用いられ、熟成の域に達していたV型8気筒ツインターボエンジン(M278)は良い意味で重さのある質感の高い回り方で、9速オートマチックトランスミッションと相まって静かにスムースに加速することができ十分にトルクフルです。
当時の“Sクラス(V222)”に対してリアセクションの遮音が強化されたことで特に後席における静粛性が高いと感じられ、以前の「マイバッハ」のように前後席間のパーティション(オプション)が無いので前席シートポジションの調整自由度は高いと感じました。
さらに”マジックボディコントロール”は車体をフラットに保ち安定していて、よほど路面が荒れていない限りは突き上げも抑えられていて、乗り心地は絶品であったと思います。
また「メルセデス・マイバッハ S 600」に試乗した際には、V型12気筒ツインターボエンジンによって、さらになめらかでしっとりとした極上のエンジンフィールを前席では堪能することができるものの、後席ではさほどその違いは感じられませんでした。
そして、当時は急速に技術進化を続ける“部分自動運転”の領域において、歩行者検知やステアリングアシスト等の各種機能がメルセデスでは他に先行して導入されていて、周囲も含めた全体の安全性や運転者への快適性が以前よりも明らかに高められていたと思います。
「メルセデス・マイバッハ」は、かつての「マイバッハ」ほどの重厚感はないものの“Sクラス”とは確実に異なる後席における1ランク上の快適性が実現されていて、「ロールス・ロイス」や「ベントレー」、あるいは“Sクラス”や”7シリーズ(BMW)“や”A8(アウディ)“もしくは”LS(レクサス)“とは違った独自のポジション(クラス)を生み出したと考えられます。
そのベースモデルがメルセデスというプレミアムブランドの“Sクラス”という高級車をリードするモデルではあったものの、わずか1世代で新たに独自のブランドポジションをおおよそ作りあげたとさえ感じます。
そして、その販売実績からも、ひらたく言えばコストも鑑みる広義の意味で経済合理性の高い“ビジネスユースにおけるハイエンドモデルとしてのポジション(クラス)を新たに“創出”していて、同様に和(日本)の設えを代表するハイエンドモデルの「センチュリー(トヨタ)」とは異なるも、ある意味では和と洋で対を成すメルセデスのオリジナリティあふれる“究極のエクスクルーシブ性”を体現しているブランドであると捉えられるのではないでしょうか。
王道セダンの「メルセデス・マイバッハ Sクラス」
日本では2021年7月に発表された現行モデルの「メルセデス・マイバッハ Sクラス(X223)」は、車体(全長5470mm、全幅1920mm、全高1510mm、ホイールベース3395mm)が先代モデル(X222)よりもボディはわずかに各10-20mmほど、ホイールベースは30mm拡大されています。
「メルセデス・マイバッハ S 680」には612ps/5250-5500rpm(900Nm/2000-4000rpm)を発揮する6.0L V型12気筒ツインターボエンジン(M279)が搭載されて車両重量2380kg、「メルセデス・マイバッハ S 580」には最高出力503ps/5500rpm(700Nm/2000-4500rpm)で気筒休止機能も備わる4.0L V型8気筒ツインターボエンジン(M176)と23ps(205Nm)のISG(Integrated Starter Generator=マイルドハイブリッドシステム)が組み合わせられ、同じく2410kgです。
どちらも9速オートマチックトランスミッションとの組み合わせで「4MATIC」による四輪駆動、「メルセデス・マイバッハ S 680」は左ハンドルのみ、「メルセデス・マイバッハ S 580」は左ハンドルと右ハンドルが設定され、当初は各モデル名に「4MATIC」も入っていました。
2025年6月現在、オフィシャル(WEBサイト上)にラインアップされるのは「メルセデス・マイバッハ S 580」のみでメーカー希望小売価格は3252万円ですが、調べたところお店によっては「メルセデス・マイバッハ S 680」も購入できるようです。
「メルセデス・マイバッハ S 580」に試乗してみると、ISGの効果によって先代モデルよりもさらにスムースで静かにスタートすることができ、ストレスを感じずに狙った速度域まで加速を続けていきます。
絶対的な静粛性の高さとエアサスペンション(AIRMATIC)のシステムをベースに4輪それぞれを48Vのアクチェーターがスプリングレートとダンパーの減衰力を個別制御することができるフルアクティブサスペンション(“E-ACTIVE BODY CONTROL”)によるフラット感は高く、安定した挙動は乗り心地の良さにも貢献していると感じます。
先代モデル同様に後席はもちろんのこと前席の快適性もとても高く、「メルセデス・マイバッハ」のモデルは複数存在するものの、やはり、その中でも最も運動性能が高い“Sクラス”をベースにしているからこそ得られる走行時の安定感は抜群で、さらに最新のインフォテインメントシステムであるMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)の様々な機能やオプションで用意されるボディーカラーによって好みに仕上げられるエクステリアや高級車に乗っていると実感させてくれるインテリアも魅力的です。
シート等の調整はこのモデルから静電式に変更されていて、最初のうちは慣れが必要ですが、慣れれば問題なく操作することができ、これは各種タッチパネルの操作も同様であると思いました。
SUVの「メルセデス・マイバッハ GLS」
2021年7月に登場した「メルセデス・マイバッハ GLS 600(X167)」は、メルセデスにおけるSUVの“Sクラス”とも言える“GLS”をベースにしています。ボディサイズ(全長5210mm、全幅2030mm、全高1840mm)は「メルセデス・マイバッハ Sクラス」より260mm短く、110mm広く、330mm高く、ホイールベース(3135mm)も全長同様に260mm短いといったディメンションを持ち、左ハンドルと右ハンドルが用意されていて、当初はモデル名に「4MATIC」も入っていました。
搭載されるパワーユニットは、最高出力557ps/6000-6500rpm(770Nm/2500-4500rpm)の4.0L V型8気筒ツインターボエンジン(M177)と21ps(250Nm)のISG(Integrated Starter Generator=マイルドハイブリッドシステム)が9速オートマチックトランスミッションと「4MATIC」を介して四輪駆動され、車両重量は2810kg、メーカー希望小売価格は3220万円です。
「メルセデス・マイバッハ S 580」同様にエンジンには気筒休止機能が備わり、具体的には運転モードをコンフォートにしていて、エンジン回転数が800-3250rpmの間で各種条件が揃えば4つのシリンダーを休止させて燃費の向上が図られます。もちろんアクセルを強く踏み込めばすぐに気筒休止がキャンセルされてパワーが立ち上がり、4気筒と8気筒の切り替えは常にスムースに行われます。
「メルセデス・マイバッハ GLS 600」へ実際に試乗してみると、まず前席も後席もセダンに比較するとヒップポイントが高く(公表値で250mm以上)、とても見晴らしが良いことに気づきます。
室内は内装材やシート、操作系にも上質でさわり心地の良いマテリアルが用いられていて、いかにも高級車に乗っていると感じられ、特に後席は4人乗り仕様でスペースが広いため贅沢でリラックスできる環境が整えられています。
室内の静粛性や快適性は「メルセデス・マイバッハ」モデルに相応しく、エンジンの音量は「メルセデス・マイバッハ Sクラス」よりもいくらか大きくて、特に前席には届いてくるものの、力強さを感じさせてくれる好ましい音質で絶対的な音量は小さいです。2500rpmから最大トルクを発揮するエンジンは立ち上がりからトルクフルで扱いやすく、3tに迫ろうかという車両をいとも簡単に加速させてくれます。
ワインディングではさすがにその車体の大きさと重さを感じさせられるものの、大型SUVを運転しているならではと思える見晴らしが良くて心地良い運転感覚を得ることができます。
また運転していて気筒休止が行われていると感じられるシチュエーションもなく、それだけスムースに機能が働いている裏返しでもあると考えられます。
後席の快適性は素晴らしく、(自身が運転していないことを考慮しても)前席よりエンジン音やロードノイズ、風切り音がシャットアウトされていて静粛性が高く、フルアクティブサスペンション(“E-ACTIVE BODY CONTROL”)のフラット感が高く乗り心地が良い面でも「メルセデス・マイバッハ」に乗っていると実感することができます。
そんな中、全体を通して気になったのは後席に備えられているタブレットの操作方法がパッと理解できないところとアクセルとブレーキペダルに「マイバッハ」のロゴが入っていて踏むのを最初はためらうところぐらいでしょうか。他の「メルセデス・マイバッハ」モデルについても、これらのポイントについては同様です。
BEVの「メルセデス・マイバッハ EQS SUV」
2024年8月に登場した「メルセデス・マイバッハ EQS 680 SUV(X296)」は、メルセデスのBEV(バッテリー型電気自動車)モデルのSUVである「EQS SUV」をベースとする「メルセデス・マイバッハ」として初めてのBEVモデルです。
ボディサイズ(全長5135mm、全幅2035mm、全高1725mm)とホイールベース(3210mm)を「メルセデス・マイバッハ GLS」と比較すれば、全長が75mm短く、全幅が5mm広く、全高が115mm低く、ホイールベースが75mm長いといったディメンションから見た目の印象としても低くてホイールベースが長いため安定感が感じられます。
そして、乗り降りに便利なランニングボードは固定式で電動格納式が用いられる「メルセデス・マイバッハ GLS 600」とは異なります。
左ハンドルと右ハンドルが用意され、車両重量3050kg、メーカー希望小売価格は2790万円です。
現行の3モデルの中では最もパワフルで、前後に搭載されるモーターによってシステム最高出力658ps、システム最大トルク955Nmを発揮、四輪駆動によって「メルセデス・マイバッハ GLS」より240kg重くてもパワーウェイトレシオは4.64と(同じく5.04より)小さく、バッテリー容量は118kWhです。
「メルセデス・マイバッハ EQS 680 SUV」へ実際に試乗してみると、BEVの電動モーターらしくスタートからの凄まじいトルクとどこからでも湧き出てくるパワーによって、とても力強く一瞬で高い速度域まで加速できます。
他の2モデルとは異なりフルアクティブではないエアサスペンション(“AIRMATIC エアサスペンション”)が搭載されていますが、フラットでなめらかな乗り心地の良さは共通で、しっとりと路面の凹凸をいなしてくれます。
エンジン音がないため他の「メルセデス・マイバッハ」モデルと比較しても静粛性はさらに高く新鮮で、それに伴って気になるはずのロードノイズや風切り音もよく抑えられていて、車両重量3t超による重厚感も相まって快適性と高級感はすこぶる高いと感じました。
高級車とBEVの相性が良いとされる所以はこのあたりにあると思いますが、一方で加速時にエンジン音があるのに慣れてしまっていると、少し違和感を覚えるのもまた確かで、走行時の速度域は異なりますが、新幹線等の電車に比べれば走行時の絶対音量が小さい、或いは小さく感じるのも影響しているのかもしれません。
「メルセデス・マイバッハ EQS 680 SUV」は、給電を心配することがない都市部の近距離移動等においては、ショーファードリブンとしてVIP他の送迎に非常に適したモデルであり、10年間または走行距離25万kmのいずれか先に達するまで高電圧バッテリーが保証される「EQケア」によって、そのあたりも抜かりないので安心できると思います。
ある意味ではビジネスユースにおけるハイエンドモデルとして、トヨタの誇る和のセダンでハイブリッドの「センチュリー(セダン)」と対極に位置する洋のSUVでBEVの「メルセデス・マイバッハ EQS 680 SUV」とも捉えられ、ユーザーにとってはこのポジション(クラス)の選択肢が増えて、とても良い状況であると考えられます。
三車三様の魅力とメルセデスのハイエンドモデル専売店
メルセデスの“究極のエクスクルーシブ性”を担い、“ビジネスユースにおけるハイエンドモデルとしてのポジション(クラス)を新たに創出”した「メルセデス・マイバッハ」は、ISGの導入やBEVモデル化等、カーボンニュートラルに向けた取り組みが着実に実行されています。
「メルセデス・マイバッハ Sクラス」、「メルセデス・マイバッハ GLS」、「メルセデス・マイバッハ EQS SUV」の3モデルには、共通して最高レベルの性能、特に快適性が備えられています。
それぞれ“走りのポテンシャルが高くて揺れの少ないセダン”、“室内が広くて見晴らしも良いSUV”、“電動モーターによって圧巻の静寂を提供するBEV”といった自動車のパッケージングとしての特徴がかけあわせられることで、ユースケースや趣向に合致したモデルラインアップを取り揃えています。
結論として3モデルは、三車三様に魅力があって、何とも贅沢に選択できるというバリューを提供してくれます。
2025年後半にはオープンスポーツモデルの「SL」をベースにした「メルセデス・マイバッハSL モノグラムシリーズ」が導入予定のため、さらに選択肢が増えてブランドとしての価値は向上すると思います。
それらの「メルセデス・マイバッハ」を中心に取り扱い、東京の銀座にあるメルセデスにとって世界初のハイエンドモデル専売拠点が「スターズ@メルセデス・ベンツ銀座(東京都中央区銀座 5-11-1/TEL:03-4564-5111/営業時間10:00-18:00/定休日 水曜日)」です。
同店で取り扱うブランドは、メルセデスの“究極のエクスクルーシブ性”を担う「メルセデス・マイバッハ」、“究極のパフォーマンス性”を担う「メルセデスAMG」、そして、“別格”に位置づけられるモデルの「Gクラス」です。
「スターズ@メルセデス・ベンツ銀座」の坂口店長にお話をお伺いしたところ「およそ全体の70%ほどの期間を『メルセデス・マイバッハ』の専売拠点として運営しています」とのことで、今回、ご紹介した「メルセデス・マイバッハ」の3つのモデルについても「ご試乗希望の場合は事前にご相談ください」とおっしゃられていました。
お店にはクルマの展示やカラーサンプル等々、専売拠点ならではの対応がなされていて貴重な機会を得られますので、ぜひ、一度お店へ訪れて「メルセデス・マイバッハ」に触れてみてはいかがでしょうか。
【画像32枚】細部に宿る絶対的ラグジュアリー。メルセデス・マイバッハ、匠の技をギャラリーで味わう
【参考リンク】
ホームページ(メルセデス・マイバッハ)
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/mercedes-maybach.html
メディアサイト(メルセデス・ベンツ日本)
https://media.mercedes-benz.jp/
メディアサイト(Mercedes-Benz Group AG)
https://group.mercedes-benz.com/press/