プレミアムEVの新たなベンチマーク、その実力を北欧の道で証明
欧州で2024年10月に発売されたアウディの最新EV、「A6 e-tron」が、デンマークのコペンハーゲンからノルウェーのベルゲンを目指す1000kmを超える長距離ロードトリップへと出発した。800V技術を核とする新開発の「プレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)」を採用し、一充電で最大700km以上(欧州仕様値)の航続距離を誇る。その実力は、スカンジナビア半島の雄大な自然を駆け抜ける過酷なテストドライブでも証明された。
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静寂に包まれハイウェイを北上。旅の前半で見せた卓越した快適性能
旅の始まりはデンマークの首都、コペンハーゲン。ここから最初の目的地、スウェーデン第2の都市ヨーテボリを目指す。バルト海に架かるオーレスン・リンクを渡ると、すぐにスウェーデンだ。ヘルシングボリ、ハルムスタッドといった街を抜け、滑るようにして南スウェーデンのハイウェイを北上する。アダプティブエアサスペンションと遮音性に優れたアコースティックガラスがもたらす静粛性と快適な乗り心地は、長距離ドライブの疲労を微塵も感じさせない。約470kmを走行し、ノルウェーとの国境に近いストレームスタードで最初の充電を行った。スカンジナビア半島は充電インフラが非常に充実しており、特にノルウェーではそのネットワークが津々浦々にまで張り巡らされているため、航続距離に関する不安は一切ない。

最初の夜をオスロで過ごした一行は、2日目、この旅のハイライトとも言える区間、ベルゲンへの道へと駒を進める。この日のルートは、ハイウェイから離れ、よりダイナミックなハンドリングが要求されるカントリーロードが中心だ。ヨーロッパ最大の高原であるハルダンゲルヴィッダを抜け、壮大なヴォーリングフォッセンの滝を横目に西へ。息を呑むような絶景が続く。そして、このルートの象徴的な建造物が、ハルダンゲル橋とヴァラヴィーク・トンネルだ。特にトンネル内では、A6 e-tronが誇る先進のライティング技術がその真価を発揮する。周囲の状況に応じて配光を最適化するデジタルマトリクスLEDヘッドライトが、暗闇を昼間のように照らし出し、安全な視界を確保した。
ワインディングで実感する真のスポーツセダンとしての歓び
厳しいワインディングロードも、A6 e-tronは意のままに駆け抜ける。quattroモデルに搭載された2モーターは、システム出力315kW(=428ps、ローンチコントロール時340kW=462ps)を発生し、あらゆる路面状況で最適なトラクションを確保。まるで路面に吸い付くかのような安定したコーナリングと、力強い加速性能を両立させている。このA6 e-tronは単なる長距離ツアラーではなく、ドライビングの歓びをもたらす真のスポーツセダンであることを実感させてくれた。
1000kmを超える旅路は、A6 e-tronの卓越したパフォーマンスと快適性、そして電気自動車の旅が持つ新たな可能性を雄弁に物語っていたのである。

この新型アウディA6 e-tronは、セダンタイプの「Sportback(スポーツバック)」とステーションワゴンタイプの「Avant(アバント)」の2つのボディ形状で展開される。日本市場への導入時期は公式には未定とされているものの、それに先駆け、東京・日本橋にあるアウディの都市型ショールーム「Audi City 日本橋」にて、2025年8月3日までの期間限定で欧州仕様の「A6アバントe-tron」が先行展示されている。間もなく日本の路上で、この革新的なEVの姿を見ることができるだろう。
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※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。