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カリフォルニアの風を纏う次世代シボレー「コルベット」 ― GMパサデナスタジオが描く未来のコンセプトモデル

未来を形作りイノベーションを推進

ゼネラルモーターズ(GM)は、2025年にデビューする一連のシボレー・コルベットのコンセプトモデル(デザインスタディ)のうち2番目となるモデルを、2025年7月24日に公開した。

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英国スタジオの作品に次ぐ第2弾

この一連のモデルは全部で3種類を公開すると予告されており、最初のモデルは2025年3月に公開済みだ。これはオープンしたばかりの英国(ロイヤル・レミントン・スパ)のデザインスタジオによる作品であったが、今回公開されたふたつめのモデルは、本国アメリカのカリフォルニア州パサデナの同社スタジオが手掛けたもので、その名もカリフォルニア・コルベット・コンセプト。

この最新コンセプトモデルは、南カリフォルニアの持つ未来的なテイストを加えてコルベットを再創造したものであり、同地のデザインコミュニティにGMが持つ深いルーツを反映したものとされている。GMのグローバルデザイン担当副社長ブライアン・ネスビット氏は、「我々のアドバンスド・デザイン・チームは、未来を形作り、イノベーションを推進し、可能性を探求することに専念している」と述べた。

英国のアドバンスト・デザイン・スタジオが2025年3月に発表した、コルベットのデザインコンセプト。同スタジオは、ロータスやジャガーでのキャリアで有名なジュリアン・トムソン氏が率いる

「カリフォルニア・コルベット・コンセプトは、未来志向のデザインのもう一つの例である。我々は複数のGMスタジオにコルベットにインスパイアされたハイパーカーを構想するよう依頼し、その最初の1台は3月に我々の英国スタジオによって公開された。今回、カリフォルニアチームは、コルベットの伝説的なパフォーマンスに敬意を表しつつ、独自のビジョンを注入した補完的なスタディを提示した」

伝統へのオマージュと未来志向の融合

先細りのキャビンとドラマチックなコックピットキャノピーを持つカリフォルニア・コルベット・コンセプトは、クラシックなコルベットのプロポーションと未来的な要素を組み合わせたもの。コルベットの伝統にオマージュを捧げつつも、独特の南カリフォルニア風味が加えられている。

1953年にコルベットが誕生して以来何十年もの間、GMはコルベットのネームプレートを活用して、カーデザインとエンジニアリングを進化させるコンセプトカーや実験車、プロトタイプを発表してきたが、カリフォルニア・コルベット・コンセプトもこの伝統を受け継いだものと言えるだろう。生産を前提としたものではないものの、パサデナ・チームはコルベットがどうあり得るかを、白紙から再創造した。

前ヒンジのコックピットキャノピーは取り外し可能で、公道走行可能なスポーツカーからオープンエアのサーキット専用車に様変わりする。GMアドバンスド・デザイン・パサデナのデザインディレクターであるブライアン・スミスは次のように語った。

「南カリフォルニアは一世紀にわたり自動車とデザイン文化の中心であり、GMは約40年間ここに深いデザインの拠点を置いてきた。我々はこのコンセプトが南カリフォルニアのレンズを通して開発され、かつグローバルで未来的な展望を持つことを確実にしたかった。デュアルパーパス性が、このコンセプトのデザイン戦略の基礎である」

サイドビューに潜まされたC1コルベットへのオマージュにあなたは気が付くだろうか

このワンオフのハイパーカーは、レーシングシミュレーターからのインスピレーションと、コルベット的な要素を融合させたものとも言える。ホイール部分がワイドで、キャビンが狭く先細りになったプロポーションは、クラシックなコルベットのDNAを反映している一方、一体型の前ヒンジキャノピーが可能性の限界を押し広げているのだ。

インテリアデザインは、ドライバーの集中を最大限に高め注意散漫を最小限に抑える音を目的に設計。ミニマリズム的なデザインがなされた内装はドライバーを中心に据え、統合された構造要素と、パフォーマンスにフォーカスしたディスプレイで構成される。拡張現実(AR)HUDは、最も重要なデータのみを表示することで高速走行をサポートする。

2025年中に公開されるというもうひとつのコンセプトモデル、そしてそれにより完成する一連のデザインスタディが未来のコルベットにどのような影響を及ぼしていくのか、今後が楽しみだ。

アメリカン・スポーツカーの明日は、コルベットだけが知っている

【カリフォルニア・コルベット・コンセプトの技術仕様と想定】
●寸法:全高41.4インチ(1051mm)/全幅86インチ(2184mm)/全長182.5インチ(4669mm) ホイールベース 109インチ(2767mm)
●ボディ構造:軽量カーボンタブを備えたトンネル状のアンダーボディを持ち、アクティブ・エアロスポイラーとエアブレーキが備わる
●前後異径ホイール:フロント21インチ/リア22インチ
●バッテリーパックはT字型多面形を想定:低い着座位置と、シャシー周りや内部のより良いエアフローが可能に

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