
ジープ、第10回レベル・ラリーでタイトル防衛に挑む
ステランティス傘下のジープ・ブランドは2025年8月28日、記念すべき第10回大会を迎える女性限定のオフロードナビゲーションラリー「レベル・ラリー(Rebelle Rally)」に、今年も参戦することを発表した。米国最長の競技オフロードラリーとして知られるこの過酷なイベントで、ジープは2チームをサポートし、過去4年間で3度手にした総合優勝タイトルの防衛に挑む。
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「ジープの精神を体現する戦い」ブランドが情熱を注ぐ理由
レベル・ラリーは、ネバダ州とカリフォルニア州にまたがる1,500マイル(約2,500km)以上もの険しい地形を舞台に、2025年10月中旬、8日間にわたって繰り広げられる。参加者はGPSやインターネットの使用を禁じられ、地図とコンパスだけを頼りにチェックポイントを通過しながらゴールを目指す、極めて高度なナビゲーションスキルとドライビングテクニックが要求される競技である。
ジープ・ブランドにとって、このラリーは自社の車両が持つ伝説的なオフロード性能と耐久性を証明するための場となっている。それを裏付けるように、ジープの4×4車両は過去9回の大会で7度の総合優勝を飾っており、市販無改造車両で競われる「ボーンストック」アワードにおいても、過去8回中5回を受賞するという圧倒的な強さを見せつけてきた。さらに、参加者の3分の1以上が個人のジープ4×4でエントリーしており、競技者の間での高い信頼性も示している。
ジープ・ブランドのCEOであるボブ・ブローダードーフ氏は、「レベル・ラリーの創設者エミリー・ミラー氏とその素晴らしいチームが、気概と粘り強さで10周年という並外れた節目を迎えられたことを祝福します」と敬意を表した。さらに、「このラリーは、ジープの伝説的な耐久性と性能にとって究極の実証の場であるだけでなく、情熱的なジープ4×4オーナーたちが競い合う姿を披露する力強いショーケースでもあります。この競技は車両とドライバーの双方を限界まで追い込み、ジープ・ブランドの精神そのものを体現しています。我々はこの素晴らしい旅の一部であることを誇りに思います」と述べ、参戦への熱意を語った。
市販仕様の「グラディエーター」で挑む盤石の2チーム体制
今年、ジープがサポートする2チームが駆るのは、いずれも市販のジープ「グラディエーター・モハベ」である。グラディエーターは、業界で唯一のオープンエア・ピックアップトラックであり、その強靭さ、スピード、そして卓越した多用途性は、8日間にわたる過酷なラリーにおいて大きなアドバンテージとなることが期待される。
ディフェンディングチャンピオンとして連覇を狙うのは、ゼッケン129番のチーム「ストリクトリー・ビジネス」だ。ドライバーのネナ・バーロウとナビゲーターのテラリン・ペテレイットは、ジープのサポートを受けて5年連続の参戦となる。このコンビは過去4年間で総合優勝とボーンストック部門のタイトルを3度も獲得しており、今大会でも優勝候補の筆頭と目されている。二人はレベル・ラリーをそれぞれ8回経験している百戦錬磨のベテランであり、特にペテレイットはこれまで出場した全ての大会で表彰台に上がるという驚異的な記録を保持している。
もう一方のチームは、ゼッケン101番の「ファン・ダ・メンタルズ」。ドライバーは経験豊富な自動車ジャーナリストのリン・ウッドワード、ナビゲーターは不動産のプロフェッショナルであるレネー・ヴェントというユニークなコンビだ。チームとして組むのは今回が初めてだが、ウッドワードは6回目、ヴェントは7回目と、個人としてはラリーの経験が豊富である。このチームはペンゾイル・ウルトラ・プラチナム・モーターオイルのサポートを受けて戦う。
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約85年にわたり、ジープは自由、冒険、信頼性、そして情熱をブランドの核として、伝説的なオフロード走破性を持つSUVを世界に送り出してきた。近年では、伝統的な内燃機関に加え、ハイブリッド技術や完全電動パワートレインといった多様な選択肢を提供し、イノベーションへのコミットメントも示している。過酷な自然に挑むレベル・ラリーは、ジープが築き上げてきた伝統と、未来へ向かう先進性を改めて世界に示す最高の舞台となるだろう。4度目の総合優勝を目指すベテランチームと、新たなコンビで挑む実力派チームの活躍に大きな期待が寄せられる。
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