



























猛暑の日本に向けて涼しげな光景をお届け
日本は恐ろしい暑さの毎日だとニュースで見聞きしています。こちらドイツは30度を超える暑い日が来たと思ったら、一気に大雨が降り気温が急降下して寒い日が続くという繰り返しで、夏らしい日はあまり多くはありません。
【画像27枚】のどかなブドウ畑やライン川の渡し舟などドイツの夏は楽し!
ブドウ畑の真ん中にあるホテルに宿泊
真夏ながら涼しいこの日は、とある取材でアイフェル地方へ行くこととなりました。アイフェル地方とはニュルブルクリンクやスパ・フランコルシャンサーキットにも近い森の多い地方で、クルマがないと移動が難しい田舎ということもあり、愛車で向かいました。行きはまさに猛暑の後の大雨の日に当たり、アウトバーンを走っている際に視界が真っ白でほとんど何も見えません。一旦、大雨が収まるまで休憩したいと願うものの、そんな時に限ってサービスエリアがない区間で困りました。その大雨の雨雲の区間を抜けるとウソのようにまた晴れて、そしてまた大雨に……という繰り返しでぐったり。天候が悪いことを見越して予定よりも3時間早く家を出たのですが、渋滞等で7時間程か掛かってホテルに到着! ゆっくりしている間はなく荷物だけ置いてすぐに取材先へ。
取材先から22時位にホテルに戻りましたが、真夏のドイツは日没が遅く、この時間でもまだ夕方のような明るさです。帰り道にはキレイな夕焼けが見えましたので、翌日は良いお天気になる気配。
取材翌日はとても清々しい朝を迎えました。前日の悪天候がウソのようです。宿泊していたのは青々としたブドウ畑の真ん中にあるホテルで、モーゼルワインの産地です。私の住む南ドイツのミュンヘン近郊ではビール用のホップの畑が広がりますが、ブドウ畑は見掛けませんので、その青々とした美しい風景に圧倒されました。
チェックアウトをしてから少しブドウ畑の周りをお散歩しましたが、クルマで走れることも分かり、久々にオープンカーの屋根を開けてホテル近辺のブドウ畑の山間を気持ちよくのんびりとドライブしてみました。そして、せっかくなのでワイン畑を降りて麓のアールヴァイラーの町へも立ち寄りました。この辺りは2021年に大洪水の被害に遭い、数多くの方が亡くなった上、家屋の被害も相当なもので、いまも復旧復興作業の途中のところもあるそうです。町中を歩いていて、その際の水位を示す印もいくつか見掛けました。また、水没した歴史的な家屋を若い方達がボランティアでレストアをされている作業場を幾つも目にしました。
さて、このまま自宅へ戻ろうかと思いましたが、久々に良いお天気に恵まれたということもあり、息とは少し違うルートで帰ることにしました。距離的にほぼ同じなのですが、たまには違う景色も観てみたいものですね。
ライン川の渡し舟を初体験
宿泊していたホテルからあまり遠くないこともあり、以前から行ってみたかったビルケンシュトックのアウトレットへ立ち寄りました。私が宿泊していたのはライン川の西側、東側にあるビルケンシュトックへ行くには川を渡る必要があるのです。ライン川にはどこにでも橋が架かっているワケではありませんので、船で川を渡ってみることにしました。以前に他の国や地域で渡し舟に乗った経験はあるのですが、ライン川は初めての経験でドキドキ。
船着き場に到着すると、特に時刻表等はなさそうです。あれよあれよと船に誘導されて、乗船する前に急いで写真をパチリ。乗ったと思ったらもう船がユサユサと動き始めました。切符売りのお姉さんが1台ずつをてきぱきと回り、現金で6.50ユーロを支払ったらもう到着。対岸の船着き場には乗船を待つ徒歩、自転車、クルマやバイクが既に待機していました。ライン川は、北はオランダ(オランダ国内からワール川)を抜けて、南はフランスやスイス方面まで流れるとても長い川で、貨物船やホテル船も数多く運行されている物流や観光の要でもあります。
船で対岸に渡って国道を20分程走るとビルケンシュトックのアウトレットに到着しました。ドイツでビルケンシュトックというと、室内履きや仕事用の履物としての用途が有名でしたが、昨今は日本や欧米のブームで若い世代がファッションとしてうまく取り入れて、一気に有名になりましたね。いまでもTypisch Deutsch(典型的なドイツ)と称され、短パンに白いスポーツソックス、ビルケンシュトックのサンダルを履くという組み合わせは、夏のドイツ人中高年男性の定番スタイルで、外国でのバケーション地でもこのスタイルを見掛けるとドイツ人だとすぐ判別がつくと言われています(笑)。
ビルケンシュトックのアウトレットはすごい規模だった
お店に入ってみると見たこともないような数のビルケンシュトックで埋め尽くされていて圧倒されます。アウトレットとはいえ、かなりお値段はお高め。コレ欲しいな、と思うデザインのものはアウトレット価格でも130ユーロ前後(約22,500円)しており、今回は購入を断念。代わりに定価30ユーロの皮の中敷きを10ユーロ(約1,700円)でお得に購入してきました(笑)。これで手持ちの疲れやすいパンプスが、疲れ知らずのビルケンシュトックの履き心地になってくれるでしょうか⁉
さすがに道草はそろそろ終えて、自宅方面へ戻らないといけませんね。アウトバーンに乗る前に価格の安い下道のガソリンスタンドへ。給油をして、ロングドライブの前に一応空気圧もチェックしておきました。
特にフランクフルト手前から空港を過ぎて暫くの区間のアウトバーンでは、暫く全く動かない程の渋滞でしたが、ガソリンもタイヤの空気圧もOKで心の余裕がありました。渋滞がない時にこの辺りを走行している際には、景色を見ている間は殆どありませんが、この日は渋滞が酷く暫く停止していた際にふと左の方を見てみると、以前にテレビで観た見覚えのあるホテルを初めて見て大コーフン!
フランクフルトにはクルマに乗ったまま客室に行けるホテルが!
ヨーロッパに初めて出来たこのホテルは、愛車に乗ったままエレベーターで客室まで行けるそうなのです。バルコニー部分に高級車が何台か並んでいるのが見えましたが、まさしくそれです。さぞかしお金持ちの方が宿泊されているのでしょうね。
いまでは色んな国や都市にも同じようなホテルが開業しているようです。このホテルではEV車両も安心、お部屋というかクルマを駐車するスペースのバルコニー部分に充電設備が備えてあり、直接充電が出来るそうです。これは『b’mine』というホテルで、客室の窓からは離発着する飛行機やフランクフルトの高層ビル群も見えるそうです。
フランクフルトの渋滞を抜けて、ビュルツブルグからニュルンベルグ方面を走っているとまた長距離の渋滞でした。今回はさすがに途中で一度サービスエリアに降りて休憩……と思ったら、皆さん考えることは同じで駐車場がいっぱいでした。
渋滞の中にも数多くのバカンスへ向かう途中、ご帰宅中の方らしきクルマを見掛けました。キャンピングカー、牽引タイプ、バン、ステーションワゴン等、様々です。ドイツでは16の州があるのですが、一斉に夏休みになるのではなく、6月末から8月1日まで少しずつずらして始まります。それでも近隣国のバケーションシーズンにも入っていますからサンデードライバーを更にパワーアップした感じのドライバーで溢れています。ドイツでは『Urlaubsfahrerウアラウプスファーラー』といい、バケーションシーズンだけ長距離ドライブをするようなドライバーのことを差し、いわゆる長距離運転に慣れていない、アウトバーンの走行ルールや自分のクルマの車幅やポテンシャル+重量を理解出来ていない困ったちゃんドライバーが大量発生します。
アウトバーンの速度制限解除の区間では、スピードを出しているクルマが連なって追い越し車線を走っているというのに、サイドミラーやバックミラーを確かめずに突然その合間にのっそりと割り込むドライバーの多いこと! ヒヤリどころではありません。
バカンスシーズンに入ると特に数多くの事故のニュースを毎日見聞きしているだけに、明日は我が身と思いながら車間距離を十分に取って気を引き締めて走ろうと思います。
【画像27枚】のどかなブドウ畑やライン川の渡し舟などドイツの夏は楽し!