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7.8億円で落札。マセラティ史上最高値を記録した「MC12ストラダーレ」に流れる血統と希少性に迫る

マセラティの至宝、MC12 ストラダーレが520万ドルで落札

マセラティは2025年9月1日、ブランドのアイコンとも言える2005年製「MC12 ストラダーレ」が、去る8月13日に米国カリフォルニア州で開催されたモントレー・カーウィーク期間中のオークションで、520万ドル(日本円換算約7億8千万円)という記録的な価格で落札されたと発表した。これは同モデルの過去の記録を大幅に更新するだけでなく、これまでに販売された現代のマセラティの中で最も高価な1台となり、ブランドの歴史に新たな金字塔を打ち立てた。

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生産台数はわずか50台

オークションの舞台となったのは、世界中から最高峰のコレクターズカーが集う、ハガティ社傘下のブロード・アローが主催する「モントレー・ジェットセンター・オークション」である。そこで落札されたMC12 ストラダーレの価格は、これまでの同モデルの記録を実に37%も上回るものであった。

MC12 ストラダーレは単なる高性能ロードカーではない。その根底には、レースで勝つために生まれたという純粋な血統が流れている。このモデルは、2004年から2010年にかけてFIA GT選手権を席巻したレーシングカー「MC12 GT1」のホモロゲーション取得のために開発された公道走行可能バージョンだ。

GT1は、コンストラクターズカップ2回、ドライバーズチャンピオンシップ5回、チームチャンピオンシップ6回、さらに伝統のスパ24時間レースでの3度の勝利を含む、合計14ものタイトルと22の勝利をマセラティにもたらした絶対的な王者であった。サーキットでの圧倒的な成功がMC12の神話を築き上げ、その神話性がコレクターズカー市場における評価を不動のものとしたのである。

生産台数は2004年と2005年にそれぞれ25台ずつ、合計でわずか50台のみ。その希少性も、MC12の価値を飛躍的に高めている要因だ。心臓部には、排気量5988ccの自然吸気V12エンジンを搭載し、7500rpmで630psという強大なパワーを発生させる。そのエクステリアは、ブルーのアクセントが施された純白のボディカラーが特徴であり、これは1959年から1961年にかけて活躍した伝説的なレーシングカー「マセラティ・ティーポ61・バードケージ」へのオマージュである。究極のパフォーマンス、卓越したエンジニアリング、そしてブランドの栄光の歴史を反映したMC12 ストラダーレは、まさに走る芸術品なのだ。

今回の記録的な落札は、現代のスーパーカー市場の動向を象徴する出来事でもある。コレクターたちの目は、単なる速さや目新しさだけでなく、そのモデルが持つスポーツの伝統、生産台数の少なさからくる希少性、そして時代を切り拓いた技術革新といった、複合的な価値に向けられている。MC12は、これらすべての要素を高次元で満たす稀有な存在であり、そのことが市場で改めて認識された形だ。

今回のMC12 ストラダーレの記録的落札は、過去から現在、そして未来へと続くマセラティの揺るぎないブランド力の証明に他ならない。そしてその伝統は、サーキット専用モデルとして62台のみが生産される「MCXtrema」のような、現代の限定生産車にも脈々と受け継がれているのである。

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※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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