コラム

現役チェリストにしてドイツ唯一の日本人女性タクシードライバー。在独30年、彼女が語る現地の交通事情

ドイツ唯一の日本人女性タクシードライバーの素顔に迫る

ドイツで日本人女性がタクシー運転手!? 誰もがそんな方の存在に驚かれるのではないでしょうか。在独歴30年という海外生活ベテランの桂子・フォン・シュタッケンベルクさんは、ドイツでタクシードライバーとして勤務する唯一の日本人女性。筆者の住むミュンヘンからは片道250kmほど離れたバンベルク市近郊の町にお住まいという事もあり、なかなか再会が果たせなかったのですが、10数年程の年月を経て、タクシードライバーになられて初めてお会いする事ができました。

【画像15枚】ドイツ唯一の日本人タクシードライバーとして活躍している桂子・フォン・シュタッケンベルクさん

プロのチェリストとしても一流の音楽家

プライベートも仕事もクルマを運転する事が大好き

芸術界の東大といわれる日本最難関のエリートで、東京藝術大学付属高校と同大学、大学院のチェロ科を卒業後、単身ドイツへ留学。フリーの音楽家としてドイツ国内で演奏活動の後、結婚や出産を経て、子育てやチェリストとしての演奏活動の傍らタクシードライバーになられたと伺った時は本当に驚きました。
そんな異色の経歴を持つ桂子さんに、ドイツでのタクシードライバーとして働く日々について伺いました。世の中に数多く存在する職業の中から、チェリストからタクシードライバーになるまでには一体どんなきっかけがあったのか気になります。

ボルボV90タクシーの運転席に座る桂子さん

「音楽家という職業、ましてやフリーランスとしてドイツで生活していくには仕事の数は少なくて、定収入を得て年金を支払えるようにするにはどうすべきかと考えたんです。私が音楽以外で得意としているのは料理とクルマの運転。大好きなクルマの運転を仕事に出来るのならばと、タクシー運転手という道を選びました」と、桂子さんは優しく微笑みながら話し始めました。「ドイツのアウトバーンを走るのも大好きです」とプライベートも仕事もクルマを運転する事が大好きなご様子です。

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池ノ内 ミドリ

AUTHOR

武蔵野音楽大学および、オーストリア国立モーツアルテウム音楽院卒業。フリーランスの演奏家を経て、ドイツ国立ミュンヘン大学へ入学。ミュンヘン大学時代にしていた広告代理店でのアルバイトがきっかけでモータースポーツの世界と出会い、異色の転身へ。DTM、ル・マン/スパ/ニュルブルクリンクの欧州三大24hレースを中心に取材・執筆・撮影を行う。趣味は愛車のオープンカーでヨーロッパのアルプスの峠をひたすら走りまくる事。蚤の市散策。

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