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BYD「シーライオン6」上陸。398万円~のPHEVが国産DセグメントSUVに突きつける「新たな基準」

FWDは航続距離重視、AWDは加速重視

BYDオートジャパン(BAJ)は2025年12月1日、SUV「BYD SEALION 6(ビーワイディー・シーライオン6)」を全国のBYD正規ディーラーにて発売した。希望小売価格(税込)は、前輪駆動のシーライオン6が398.2万円、全輪駆動のシーライオン6 AWDが448.8万円。

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あらゆるライフシーンに対応

シーライオン6は、日本市場において初導入となるBYD独自のスーパーハイブリッド「DM-i(デュアル・モード・インテリジェンス)」を搭載するPHEV(プラグインハイブリッドEV)である。EVの静粛性と滑らかさを基軸にしつつ、長距離走行はもちろん、ユーザーのあらゆるライフシーンに応えるという。

日常ではほぼ全てEVとして走行、長距離ではエンジンとの併用により効率の良い走りを実現、高い安心感と快適性を提供すると説明されており、FWDは航続性能重視(1200km)とする一方、AWDはスポーツSUVらしい加速性能(0–100km/h 5.9秒)を備えるとのこと。

DMテクノロジーとは?

BYDは20年以上にわたりハイブリッド技術の研究開発を続け、2008年には初代DMを搭載する世界初の量産型PHEVを発表したパイオニアであるとされる。現在ではPHEVを90以上の国と地域で展開し、累計販売台数は740万台を突破。

シーライオン6には、初代DM以来17年以上にわたって進化を遂げたというスーパーハイブリッド技術、DM-iを採用。これは1.5L高効率エンジン、高出力に対応するDM-i専用ブレードバッテリー、高効率なエレクトリックハイブリッドシステム(EHS)で構成される、「電気走行が主体」のハイブリッドシステムであるとのこと。

走行の大半をモーターが担うためEVのように静かな走りとスムーズな乗り味を実現し、必要な場面でのみエンジンを効率良く作動させ優れた燃費性能を発揮、満充電時には100km(FWD)のEV走行が可能とされる。

海洋シリーズならではのデザイン・ハイライト

シーライオン6のデザインは、BYDの海洋シリーズならではのスタイルを実現。伸びやかな横基調のフロントにシャープで存在感のあるOcean X Face(オーシャン・エックス・フェイス)のデザインを取り入れ、ダイナミックな印象を演出。サイドにはボディ全体を貫く稜線を配し、静かな水面に広がる波の動きを思わせる流麗なプロポーションを生み出したという。

リアに備えた一文字のテールライトは、光の演出によって立体感を強調し、先進的なSUVであることを視覚的に強調。19インチのブラックアルミホイールを装備し、海の色彩をモチーフにしたボディカラーを組み合わせて、存在感と上質さを併せ持つ外観を狙いとしている。

インテリアは、深みのあるブラック基調の空間に、ブラウンのアクセントとアンビエントライトを配し、海洋シリーズにふさわしいモダンなデザインにまとめたという。海をイメージしたフォルムのスポーツシートは身体をしっかり支えつつ、前席にはヒーターとベンチレーションを備え、長距離でも快適な姿勢を保てる設計とのこと。

視線が集まるセンターコンソールには、クリスタルを思わせる電動シフトレバーや2基のワイヤレス充電を配置。2765mmのホイールベースが確保する後席空間は大人がゆったり座れる広さを持ち、ラゲッジは日常用途から旅行まで幅広く対応できる容量とフラットな床により、使い勝手の良さを追求したという。

スマートかつ快適なユーティリティ

日常の移動をよりスマートにすることを狙いとした装備が多数搭載されており、ダッシュ中央には15.6インチの高精細大型ディスプレイを採用。最新のインフォテインメントシステムと組み合わせることで直感的な操作性と幅広い情報の提供を実現したという。Apple CarPlayやAndroid Autoによるスマートフォン連携も可能だ。前席には2台同時接続できるワイヤレス充電、前後席にはUSB端子を配置、ボイスコントロールは全席からの発話を認識して対応できる。

PHEVの強みである充電性能は、最大6kWの普通充電と18kWの急速充電に対応。車外への給電(V2L)や家庭への電力供給(V2H)にも対応しており、アウトドアや災害時など幅広いシーンで車両を電源として活用できるという。

快適装備としては、前席にヒーター/ベンチレーションを備えた電動スポーツシート、ステアリングヒーター、遮音性の高いガラス、ワンタッチ開閉式パノラミックサンルーフを採用。ラゲッジスペースは425Lの容量を確保、後席を倒せば1440Lまで拡張でき、フラットな床と大きな荷室開口部により高い実用性を実現したとのこと。

納車開始については、FWDは2026年1月末から、AWDは同年3月からの予定となっている。

【ル・ボラン編集部より】

BEV専業のイメージが定着しつつあるBYDが、日本市場で満を持して放つPHEV、シーライオン6。400万円を切る戦略的な価格設定は、国産DセグメントSUVへの明確な挑戦状といえよう。欧州プレミアムに迫る内装の質感に対し、重量級ボディを御する足まわりの味付けに独自の「文法」がどう宿っているか。ル・ボランでは近日中にこのクルマの試乗レポートをお届けする予定だ。スペック競争を超えた、乗り味の真価に注目したい。

【Specification】BYDシーライオン6(FWD)

■車両本体価格(税込)=3,982,000円
■全長×全幅×全高=4775×1890×1670mm
■ホイールベース=2765mm
■トレッド=前:1630、後:1630mm
■車両重量=1940kg
■パワーバッテリー容量=18.3kWh
■モーター定格出力 前/後=60kWh
■モーター最高出力 前/後=145kWh
■最大トルク 前/後=300Nm
■エンジン型式/種類=BY472QA/自然吸気エンジン
■総排気量=1498cc
■最高出力=72kW/6000rpm
■最大トルク=122Nm/4000-4500rpm
■燃料タンク容量=60L
■サスペンション形式=前:ストラット、後:マルチリンク
■ブレーキ=前:Vディスク、後:ディスク
■タイヤ=前後:235/50R19

【Specification】BYDシーライオン6 AWD

■車両本体価格(税込)=4,488,000 円
■全長×全幅×全高=4775×1890×1670mm
■ホイールベース=2765mm
■トレッド=前:1630、後:1630mm
■車両重量=2100kg
■パワーバッテリー容量=18.3kWh
■モーター最高出力 前/後=145kWh
■最大トルク 前/後=300Nm
■エンジン型式/種類=後日発表(ターボエンジン)
■総排気量=1500cc
■最高出力=96kW
■最大トルク=220Nm
■燃料タンク容量=60L
■タイヤ=前後:235/50R19
※記載なき部分は後日発表

■BYDシーライオン6公式サイト
■スーパーハイブリッド公式サイト

【画像8枚】BYD国内導入モデル第5弾「シーライオン6」の詳細をチェック

LE VOLANT web編集部

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