フォレスターはストロングハイブリッド搭載で燃費を向上したことも評価
2025年12月4日、「2025-2026 日本カー・オブ・ザ・イヤー」(主催:日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会)の最終選考会が開催され、カー・オブ・ザ・イヤーにスバル・フォレスターが選ばれたほか、各賞が決定した。
【画像29枚】王者フォレスターの勇姿と、愛らしいID.Buzzの表情。2025-2026 日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞モデルを見る
46回目となる今年度のノミネート車は、2024年11月1日から2025年10月31日までに日本国内で発表または発売された全35台のモデルで、自動車評論家、ジャーナリスト、有識者からなる選考委員60名による第一次選考で選出された上位10台の「10ベストカー」から、最終選考投票により今年度のイヤーカーが決定された。なお、今年から10ベストカーのうち、上位から25-18-15-12-10-8-6-4-2-1点と、すべてに得点を入れる方式に変更された。
日本カー・オブ・ザ・イヤー:スバル・フォレスター
イヤーカーを受賞「スバル・フォレスター」の授賞理由は、「走行性能、実用性、快適性、オフロード性能、そしてスバルが一貫して重視してきた安全性を高い次元で融合したSUVとして高く評価された。待望のストロングハイブリッド(S:HEV)の採用により、独自技術である水平対向エンジンは、燃費性能と走りの愉しさを両立する“SUBARUらしい環境エンジン”へと進化。さらに、アイサイトXをはじめとした先進運転支援技術や、歩行者だけでなくサイクリストの傷害低減にも寄与するエアバッグなど、安全装備の進化も高い評価を集めた」とされている。
インポート・カー・オブ・ザ・イヤー:フォルクスワーゲンID.Buzz
インポート・カー・オブ・ザ・イヤーは、「フォルクスワーゲンID.Buzz」が受賞。「BEV(電気自動車)のフルサイズミニバンという、現在国内市場では唯一無二の存在であり、BEVとしての完成度も極めて高い。電気自動車ならではのパッケージングが、ミニバンとしてゆとりある居住空間を実現し、BEVミニバンという新たなカテゴリーを切り開いた。さらに、“ワーゲンバス”として親しまれたType 2の魅力を現代的に継承したエクステリアデザインは、運転者のみならず周囲の人々までも笑顔にする存在感を放ち、高い評価を獲得した」のが受賞理由だ。
デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー:フォルクスワーゲンID.Buzz
また「フォルクスワーゲンID.Buzz」は、デザイン・カー・オブ・ザ・イヤーも受賞。「また、いまなお色褪せない人気を誇るワーゲンバス(Type 2)のヘリテージを受け継ぎ、それを現代的に解釈した ID.Buzz のエクステリアデザインは、ひと目でわかる強い個性を備えながら、誰にでも懐かしさと愛らしさを感じさせる魅力を放っている。テクノロジー優先で無機質になりがちな時代において、自動車にはエモーショナルな価値が不可欠であることを改めて示した意義は大きく、その存在はデザインのあり方に新たな視点を投げかけた」ことが評価された。
テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー:ポルシェ 911 カレラ GTS
テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーは、「ポルシェ 911 カレラ GTS」に。ポルシェが日本のカー・オブ・ザ・イヤーで受賞するのは初となる。受賞理由は「ポルシェ911の長い歴史の中で初めて採用されたハイブリッドシステム「T-Hybrid」は、運動エネルギーだけでなく熱エネルギーまで回生する、モータースポーツ由来の先進技術を搭載している点が大きな特徴である。電動化=エコという既成概念にとらわれない、ハイブリッド技術の新たな方向性を示すとともに、スポーツカーとしての走りの魅力を一切損なうことなく環境性能を高めたポルシェの技術力」が高く評価された。
実行委員会特別賞:ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京/STMO
実行委員会特別賞は「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京」と、スーパー耐久レースを運営する「STMO」およびST-Qクラスに参戦するチームが受賞した。そのうち「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京(PEC東京)」の受賞理由は「2021年10月の開設以来『地域との共生』を掲げ、千葉県木更津市との連携による地域活性化プログラムをはじめ、東京大学との共同プロジェクトとして若年層向けスカラーシッププログラムを展開するなど、社会的意義の高い取り組みを継続。PEC東京は、単なるプレミアムブランドの発信拠点にとどまらず、「モビリティ社会に開かれたスポーツカー文化のプラットフォーム」として、企業と地域、そして人とクルマをつなぐ持続的なモデルを提示するなど、その先進的な社会連携の姿勢と具体的な成果は、日本の自動車文化のさらなる発展に寄与するものとして高く評価された」とのことだ。
一方「STMO」は、2021年(当時:スーパー耐久機構)に試作車両などの参戦を可能にする「ST-Qクラス」を新設。これにより、TOYOTA GAZOO Racing、SUBARU、ホンダ・レーシング、MAZDA SPIRIT RACING、日産自動車/日産モータースポーツ&カスタマイズが試作車両を投入し、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、ブリヂストン、ENEOSとともにカーボンニュートラル燃料や水素燃料などを活用した先進的な取り組みを開始した。さらに 2025年には、日本自動車会議所とともに、アメリカンモータースポーツの象徴である NASCAR のデモランなど、国際交流の新たなステージを切り開き、モータースポーツを通じて日米の文化交流を促進する「ST-USAクラス」を新設。2021年から続く革新的な試みと、2025年の新たな挑戦は、モータースポーツの未来を示す取り組みとして高く評価された」とのことだ。
【ル・ボラン編集部より】
フォレスターの戴冠は、スバルが長年模索してきた「環境性能と走りの愉悦」の最適解がついにS:HEVで結実した証だ。水平対向エンジンのネガを電気で補うのではなく、互いの長所を増幅させる「シンクロ」こそが真骨頂である。一方、ID.Buzzの愛らしさや911の電動化が示すのは、技術がいかに進化しようとも、そこにブランドの「物語」が宿らなければ人の心は動かないという事実だ。理屈を超えた「愛されるクルマ」たちが揃った、豊作の年と言えるだろう。
■日本カー・オブ・ザ・イヤー公式サイト
【画像29枚】王者フォレスターの勇姿と、愛らしいID.Buzzの表情。2025-2026 日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞モデルを見る




























