マセラティのミドルサイズSUVで行く、ショートトリップ
国内導入から3年を経てなお鮮烈な存在感を放つマセラティ・グレカーレ。そのラインナップに、1000万円を切る戦略モデル「エッセンツァ」が加わった。今回はMC20譲りのネットゥーノ・エンジンを搭載する最強の「トロフェオ」とともに2台を連れ出し、ショートトリップへと向かう。性格の異なる2台のステアリングを握り、マセラティが謳う“格別な日常”の真価を改めて確かめてみた。
【画像31枚】990万円の「エッセンツァ」と最強の「トロフェオ」。マセラティ・グレカーレ、2つの個性を写真で比較する
クルマと過ごす時間を艶めいたものに。1000万円以下で手に入る、妥協なきラグジュアリー
国内での発表から3年が経過したマセラティ・グレカーレ。しかしながら今も街行く姿にハッとさせられるのは、他の何にも似ていない存在感ゆえのことだろう。
そんなグレカーレを改めて体感するべくショートトリップへと出掛けた。まず乗り込んだのはグレカーレ・エッセンツァ。日本向けに設定された特別仕様車である。
注目は990万円(税込)というプライスタグ。為替の影響もあり今や1065万円になるエントリーモデルを大幅に下回る価格だが、実は装備が減らされているわけではない。ボディカラーを3色に限定するなどオプションの選択肢を絞り込むことで価格を抑えているのだ。
改めて対面すると、艶めかしい曲面で構成された長いノーズとクーペライクなキャビンを持つ外観は、トライデントが主張する楕円形のグリルやフロントフェンダーの3連ダクトといった伝統のディテールも相まって、スポーティなだけでなく情緒にも強く訴えかけてくる。個人的には、3200GTのそれをモチーフとするテールランプにもグッと来る。

マセラティ・グレカーレ・エッセンツァ:これまでのエントリーグレードに採用してきた高品質なフルプレミアムレザー、シートヒーター、アンビエントライトなどの装備は残しつつ、ボディカラーを絞るなどして車両本体価格9,900,000円(税込)を実現。
ワイド画面のタッチスクリーンやボタン式シフトの採用で先進感を高めたインテリアは、同時に贅沢な素材をふんだんに用いたオーセンティックなラグジュアリー性をも併せ持つ。見慣れたアナログ時計も実はデジタル化されている。眺めているだけで気分が高まる仕立ては、さすがマセラティ。では走りはどうか。
リニアなトルクと軽快なフットワーク。日本の都市環境に寄り添う、スマートなイタリアンSUV
2Lターボエンジンに電気モーター、そしてeブースターと呼ばれる電気式スーパーチャージャーを備えたパワーユニットは、低回転域からリニアなトルクの立ち上がりが印象的だ。その余裕を活かして優雅に走らせるのも得意だが、いざアクセルを踏み込めば、優れたレスポンスと期待以上に粒の揃ったサウンドが相まって爽快な走りを楽しめる。

マセラティ・グレカーレ・エッセンツァ:彫刻的なラインとバランスの取れたイタリアンデザインを纏うグレカーレ。SUVとして理想的な重量配分を実現するため、バッテリーとコンバーターを車両後部に配置。さらにトップクラスの広々とした室内空間を誇る。
コーナーは俊敏な操舵応答のおかげで軽やかにクリア。その分、乗り心地はやや硬めだが、2.9mの長いホイールベースのおかげでピッチング挙動は落ち着いているから長距離も苦にならない。
ベースモデルでも十分にマセラティの妙味を味わえるエッセンツァ。しかも嬉しいのは全幅だけでなくタイヤ幅もしっかり1950mmに収められていることで、都心部の立体駐車場の多くにすんなり収まる。車検証上は入るのに……というクルマも少なくない中、この点でも有り難い存在なのである。
右足と直結する530psの快楽。MC20の魂を宿した「トロフェオ」が放つ、スポーツカーの熱量
続いて乗り込んだのはグレカーレ・トロフェオ。そのパワートレインは最高出力530psを誇るプレチャンバー燃焼を採用したV型6気筒3Lツインターボだ。
実用域でも十分に力強いその走りだが、本領を発揮するのは、やはりアクセルペダルを踏み込んだその先だ。独特の低音を主体にしたサウンドを伴った吹け上がりは豪快だし、何より踏んでも離しても右足の動きに完全にリンクした吹け上がりの一体感にシビレる。

マセラティ・グレカーレ・トロフェオ:MC20スーパースポーツカーで初採用された革新的なプレチャンバー燃焼システムを採載した、レース由来のツインターボV6ネットゥーノエンジンを搭載し、最高出力530ps/最大トルク620Nmを発揮。
シャシーはエアサスペンションが標準となり、快適性は上々。しかも操舵応答もますます正確で狙ったラインを外すことがない。エンジンもシャシーも、とにかく意のままになる走りが、グレカーレ・トロフェオの真骨頂である。
しかも、帰り道に遭遇した渋滞すら充実の運転支援装備のおかげで快適に過ごさせてくれた。今どきのイタリア車は、こうした場面での振る舞いもスマートなのだ。
デザイン、先進性、そして走り。激戦区のSUV市場でグレカーレが放つ独自の存在感
ブランド力のみならずデザインに先進性、そして走りと、どの角度から見てもグレカーレは、魅力と個性が際立った存在だと今回の2台の試乗は改めて実感させてくれた。ライバルひしめくプレミアム・ミディアムクラスSUVの中でも、クルマと過ごす時間をもっとも艶めいたものにしてくれるのは、間違いなくこのグレカーレである。
【画像31枚】990万円の「エッセンツァ」と最強の「トロフェオ」。マセラティ・グレカーレ、2つの個性を写真で比較する
【SPECIFICATION】MASERATI GRECALE ESSENZA
マセラティ・グレカーレ・エッセンツァ
■車両本体価格(税込)=9,900,000円
■全長×全幅×全高=4845×1950×1670mm
■ホイールベース=2900mm
■車両重量=2165kg
■エンジン種類/排気量=直列4気筒DOHC 16V+ターボ/1995cc
■最高出力=300ps(220kW)/5750rpm
■最大トルク=450Nm(45.9kg-m)/2000rpm
■トランスミッション形式=8速AT
■サスペンション形式=前:4リンク、後:マルチリンク
■タイヤ(ホイール)=前後:235/55R19
■問い合わせ先=マセラティジャパン TEL:0120-965-120
■モデル公式ウェブサイト:https://www.maserati.com/jp/ja/models/grecale

マセラティ・グレカーレ・エッセンツァ:「エッセンツァ」はイタリア語で本質・真髄を意味し、グレカーレの魅力の本質を凝縮した新グレード。
【SPECIFICATION】MASERATI GRECALE TROFEO
マセラティ・グレカーレ・トロフェオ
■車両本体価格(税込)=17,130,000円
■全長×全幅×全高=4860×1980×1660mm
■ホイールベース=2900mm
■車両重量=2030kg
■エンジン種類/排気量=V型6気筒DOHC 24V+ツインターボ/2992cc
■最高出力=530ps(390kW)/6500rpm
■最大トルク=620Nm(63.2kg-m)/2750rpm
■トランスミッション形式=8速AT
■サスペンション形式=前:4リンク、後:マルチリンク
■タイヤ(ホイール)=前後:255/40R21
■問い合わせ先=マセラティジャパン TEL:0120-965-120
■モデル公式ウェブサイト:https://www.maserati.com/jp/ja/models/grecale

マセラティ・グレカーレ・トロフェオ:全輪駆動システムと電子制御式リミテッドスリップデフ(ELSD)により、ダイナミックなトラクション性能を発揮する。






























