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【詳細解説】プジョー新型「408」はBEV追加でどう変わった? “美しき異端児”の鋭さと静寂なる進化

新型プジョー408

鋭さを増した“ライオンの爪”。Cセグメントの常識を覆す「驚き」の進化論

ステランティス傘下のプジョーは2026年1月9日、Cセグメントのクロスオーバーモデル「408」の大幅改良モデル(新型408)を発表。2022年のデビュー以来、セダンでもSUVでもない「ファストバック」という独特のシルエットで市場に衝撃を与えたモデルが、その前衛的なキャラクターをさらに研ぎ澄ませてきた。今回の改良では、フロントフェイスの刷新によるデザインの先鋭化に加え、待望の100%電気自動車(BEV)である「E-408」の設定、そしてパワートレインの刷新がハイライトだ。フランス・ミュルーズ工場で生産され、「WOW CERTIFIED(驚きを保証する)」というキャッチコピーを掲げる新型408の進化の全貌に迫る。

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視覚的ノイズを排除した「顔」。新色グリーンが映える彫刻的フォルム

新型408のデザインにおける最大のトピックは、フロントおよびリア周りのライティングシグネチャーの刷新である。プジョーのデザインチームは、このクルマの持つ「突き刺すような眼差し」を一切邪魔しないよう、フロントマスクの構成を根本から見直した。

具体的には、ヘッドランプユニットと、ブランドの象徴である「3本爪」のデイタイムランニングライトが明確に分離された配置となった。ヘッドランプはバンパー下部へと移設され、極薄のモジュールを積み重ねた形状を採用している。上段がロービーム、下段がハイビームを担当し、消灯時にはグロスブラックのインサートと一体化してほとんど見えなくなるという巧みな処理が施されている。これにより、視覚的なノイズが排除され、よりクリーンでアグレッシブな表情が生まれた。

一方、シグネチャーライトとなる3本のLEDストリップは、GTおよびGT Exclusiveグレードにおいて、中央のイルミネーション付きエンブレムの上部を走るLEDラインで左右が結ばれ、車幅いっぱいに広がるデザインとなった。この3本爪はシーケンシャルウィンカー(スクロール式インジケーター)としての機能も兼ね備えている。

リアビューにおいても、ブランド初の試みが導入された。テールゲート中央に配置される「PEUGEOT」のレタリングが発光するイルミネーションタイプとなったのだ。これはグロスブラックの加飾とクリアレンズのストリップの中にシームレスに統合されており、夜間における後ろ姿の存在感を劇的に高めている。左右のテールランプも、フロント同様に斜めに配置された3本爪のLEDデザインへとアップデートされた。

ボディカラーには、専用の新色「フレア・グリーン(Flare Green)」が設定された。このカラーは光の当たり方によって劇的に表情を変えるのが特徴で、直射日光下では鮮やかなイエローに、影の部分では深いグリーンへと変化し、408特有の複雑なプレスラインや彫刻的なボディ造形を際立たせる効果を持つ。

BEV版「E-408」「E-408」の実力。157kWのパワーと日常をカバーする実用的な航続距離

今回のフェイスリフトにおける機能面での最大のニュースは、100%電気自動車である「E-408」の追加である。これにより408は、マイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド、そしてBEVという、電動化された3つのパワートレインを擁するモデルへと進化した。

新型E-408は、最高出力157kW(213ps)、最大トルク343Nmを発揮する強力な電気モーターを搭載する。バッテリーには、ニッケル80%、マンガン10%、コバルト10%という構成のNMCバッテリーを採用しており、使用可能容量は58.2kWhを確保している。

特筆すべきは、徹底的に磨き上げられた空力性能だ。ボディワークだけでなくアンダーボディに至るまで空力が最適化された結果、空気抵抗係数(SCx)は0.66という優れた数値を達成した。これにより、電費は14.7kWh/100kmという低燃費を実現し、WLTPモードでの航続距離は456kmに達する。Cセグメントユーザーの1日あたりの平均走行距離が45km程度であることを鑑みれば、日常使用には十分以上のスペックと言えるだろう。充電性能に関しては、最大120kWの急速充電に対応しており、約30分で20%から80%までの充電が可能だ。

さらに、EVならではの新機能も充実している。ナビゲーションと連動して充電ステーション到着前にバッテリー温度を最適化する「プリコンディショニング機能」や、充電ケーブルを接続するだけで認証や決済が完了する「プラグ&チャージ」、さらには車両のバッテリーから外部機器へ電力を供給できるV2L(Vehicle to Load)機能も搭載された。V2Lは最大3.5kWの出力を持ち、レジャーや非常時の電源としても活用できる。

プジョー電動化の最適解。走りのPHEVと、賢いMHEVという選択肢

内燃機関を組み合わせたパワートレインも刷新されている。プラグインハイブリッドモデルとして用意された「PLUG-IN HYBRID 240 e-DCS7」は、プジョーのラインナップの中でも408専用となるパワートレインだ。

これは180ps(132kW)のガソリンエンジンに92kWの電気モーターを組み合わせ、システム合計で240ps(177kW)というハイパフォーマンスを発揮する。トランスミッションには7速デュアルクラッチの「e-DCS7」が採用された。14.6kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、EVモードのみでの航続距離は都市部で85kmを実現しており、日常の移動を電気のみでカバーしつつ、長距離ドライブでは高出力なハイブリッドとして機能する汎用性の高さが魅力だ。

また、エントリーを担うマイルドハイブリッド「HYBRID 145 e-DCS6」も設定されている。こちらは145ps(107kW)のガソリンエンジンに、6速デュアルクラッチの電動化ギアボックスを組み合わせたものだ。走行中に自動的にバッテリーを充電し、発進時や加速時にモーターがトルクをアシストすることで、WLTP複合サイクルで5.0L/100km(20km/L)という低燃費を実現している。都市部での走行においては、走行時間の最大50%をゼロエミッションのEVモードで走行可能とされており、実用燃費の向上が期待できる。

「静寂」という名のプレミアム。オーディオと居住性を磨いたキャビンの深化

インテリアにおける「i-Cockpit」も進化を遂げた。ステアリング奥の10インチデジタルインストルメントクラスターはグラフィックが一新され、GT Exclusiveグレード(GTではオプション)には、視認性を高める3D表示機能が採用されている。中央の10インチタッチスクリーンもドライバー側に傾けて配置され、操作性が向上している。

キャビンの快適性、特に静粛性への配慮も徹底されている。フロントおよびリアのウィンドウガラス厚を3.85mmと平均より厚く設定したほか、フロントサイドウィンドウにはラミネート加工ガラス(GTおよびGT Exclusiveでは3.96mm厚)を採用。これにより外部からの騒音侵入を抑制し、フォーカル(FOCAL)製のプレミアムHi-Fiオーディオシステムのサウンドをよりクリアに楽しめる環境が整えられた。

シートには、ドイツの脊椎健康推進協会(AGR)の認証を受けたエルゴノミクスシートを採用。マッサージ機能やシートヒーターに加え、グレードに応じてアルカンターラやナッパレザーといった高品質な素材が奢られている。ホイールベース2.79mが生み出す後席のニールームは183mmとクラス最大級であり、クーペライクなルーフラインを持ちながらも、居住性は犠牲にされていない。

また、コネクティビティも強化されており、「i-Connect Advanced」システム搭載車では、トムトム(TomTom)のコネクテッドナビゲーションに加え、ChatGPTを統合したAIアシスタント機能が利用可能となっている。OTA(Over-The-Air)によるソフトウェアアップデートにも対応しており、ディーラーへ足を運ばずとも常に最新の状態が維持される。

プジョーは、この新型408を含むすべての電動乗用車に対し、8年または16万kmの「PEUGEOT CARE」保証(車両およびバッテリー)を提供すると発表している。デザイン、パワートレイン、そしてデジタル体験のすべてにおいて「トップエンド」への意欲を見せる新型408。Cセグメントの常識を覆すこの一台は、再び世界中の道路でそのカリスマ性を発揮することになるだろう。

【ル・ボラン編集部より】

「セダンでもSUVでもない」という美しき異端児が、ついに完成形へと到達した印象だ。従来のPHEVモデルでも、重量バランスの良さが生むフラットな乗り味が印象的だったが、完全電動化された「E-408」の追加は、その静粛性と滑らかさを極致へ導くだろう。スペック競争に陥らず、実用的な航続距離と効率を追求するあたりに、フランス流の理知的な設計思想が宿る。厚みを増したガラスがもたらす静寂は、このクーペライクな空間をより濃密なものにするはずだ。ドイツ車的な規範から解き放たれたいドライバーにこそ、この艶やかな選択肢を薦めたい。

【画像38枚】クラス最大級の後席と最新i-Cockpit。質感を高めたプジョー新型408の内外装をすべて見る

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。

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