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美しき“特注”の競演。33ストラダーレとMCXtremaが「ボッテガ・フォーリセリエ」で示す、情熱の系譜

ボッテガ・フォーリセリエ:マセラティ GT2 ストラダーレ
ボッテガ・フォーリセリエ:マセラティ MCXtrema
ボッテガ・フォーリセリエ:アルファ・ロメオ ジュリア・クアドリフォリオ・ルナ・ロッサ
ボッテガ・フォーリセリエ:アルファ・ロメオ 33ストラダーレ
アルファ・ロメオとマセラティによるボッテガ・フォーリセリエ

パリ発・アルファとマセラティが「アルティメット・スーパーカー・ガレージ」で初の共同展示

2026年1月29日、パリ。ポルト・ド・ヴェルサイユ見本市会場で開催中のイベント「アルティメット・スーパーカー・ガレージ」において、イタリアを代表する2つのブランドによる特別な共演が実現した。アルファ・ロメオとマセラティは、「ボッテガ・フォーリセリエ(BOTTEGAFUORISERIE)」という新たなプロジェクトの下、4台の特別なモデルを並べて展示し、世界のコレクターや愛好家の注目を集めた。両ブランドがこのプロジェクトを通じてモーターショーで共同展示を行うのは今回が初の試みであり、ビスポーク・ドライビング体験の未来を形作るという戦略的なヴィジョンを鮮烈に印象付けるものとなった。

【画像19枚】伝説の復活か、最速への挑戦か。アルファ・ロメオとマセラティ、パリの会場を彩った「究極の4台」を見る

4つの柱で構成される創造的ハブ。「ボッテガ・フォーリセリエ」が目指す特注の未来

「ボッテガ・フォーリセリエ」は、単なるカスタマイズプログラムの枠を超え、美的探求とパフォーマンス、そしてイタリアの卓越したクラフトマンシップを統合するクリエイティブ・ハブとしての役割を担っている。その名の通り「工房(Bottega)」と「特注(Fuoriserie)」を融合させたこの部門は、イタリアの製造業の卓越性を象徴するヴィジョンそのものだ。

このプロジェクトは4つの柱で構成されている。「ボッテガ」は、唯一無二のワンオフやフューオフ(少数限定車)モデルの構想と製作を担う。そして「フォーリセリエ」は、顧客が自身の車をオーダーメイドの傑作へと昇華させるためのパーソナライゼーション・プログラムである。さらに、最先端技術とエンジニアリングを融合させスーパースポーツカーの革新を牽引する「レーシング」、両ブランドの遺産を保護しレストアや認定を行う「ヒストリー(ラ・ストーリア)」が加わり、伝統と未来の対話を生み出している。

ボッテガ・フォーリセリエのゼネラルマネージャーを務めるクリスティアーノ・フィオリオは、このプロジェクトについて「ステランティスグループが最も象徴的なブランドを強化し、独自の起業家的プロジェクトを展開する自由を与えるというコミットメントの証です」と語っている。

アルファ・ロメオ:伝説の再解釈「33ストラダーレ」と、海に挑む「ジュリア」

今回の展示でアルファ・ロメオが披露したのは、ブランドの過去と現在を繋ぐ2台のモデルだ。まず注目すべきは、世界限定33台ですでに完売している「新型33ストラダーレ」である。1960年代の伝説的な同名モデルに由来するこの2シータークーペは、彫刻的なデザインと圧倒的なパフォーマンスを兼ね備えている。会場に展示された個体は、GTAやカラボといった歴史的モデルにインスパイアされたグリーンのカラーリングを纏い、アルファ・ロメオにとって色が単なる美的選択ではなく、情熱を伝える感情的な言語であることを体現している。最高出力630psのV6ツインターボエンジンを搭載し、0-100km/h加速は3秒未満、最高速度は333km/hに達する。

もう一台は、わずか10台限定で生産された「ジュリア・クアドリフォリオ・ルナ・ロッサ」だ。これは第38回アメリカズカップに挑戦するルナ・ロッサとのパートナーシップを記念したモデルであり、ボッテガ・フォーリセリエの哲学を体現する高度な技術の結晶である。特筆すべきはエアロダイナミクスで、専用のカーボンファイバー製キットにより、ダウンフォースは標準モデルの最大5倍に達する。インテリアには実際の帆から調達した素材が使用され、海上のレースの世界との深いシナジーを感じさせる仕上がりとなっている。

マセラティ:サーキットの野獣「MCXtrema」と公道の極致「GT2 ストラダーレ」

マセラティからは、ブランドの最もラディカルな側面を示す2台が登場した。サーキット走行専用車として62台限定で生産される「MCXtrema」は、740psを発揮するネットゥーノV6エンジンを搭載した、マセラティ史上最も強力なサーキットカーである。パリで公開された車両は、オーナーのために特別に作成された「コルセ」リバリーを纏い、マセラティのスポーツヘリテージとMC12への敬意を表して「77」のナンバーが描かれている。

一方、「マセラティ GT2 ストラダーレ」は、レーシングカーであるGT2の公道バージョンとして、レースとラグジュアリーの世界を見事に融合させている。640psの出力を誇り、0-100km/h加速はわずか2.7秒、最高速度は320km/hを超える。これは公道走行可能なマセラティの内燃機関モデルとして最強のスペックだ。このモデルに対するカスタマイズの需要は非常に高く、購入者の80%が「フォーリセリエ」プログラムを利用しているという事実は、現代のスーパーカー市場においてパーソナライゼーションがいかに重要であるかを如実に物語っている。

「所有」から「体験」へ。両ブランドが描く、顧客と共に創るラグジュアリーの新たな戦略

今回の「アルティメット・スーパーカー・ガレージ」は、単なる車両展示の場ではない。それは、ボッテガ・フォーリセリエという新たな枠組みの中で、アルファ・ロメオとマセラティがいかにして顧客の夢を実現し、唯一無二の価値を提供していくかを示すデモンストレーションの場でもある。

アルファ・ロメオCEO兼マセラティCOOのサント・フィチリは、「アルファ・ロメオとマセラティが初めて共有スペースで一堂に会し、我々の誇りである卓越性を披露できることは、我々のビジョンにおける重要な戦略的資産となるでしょう」と述べている。

ボッテガ・フォーリセリエの使命は、両ブランドの歴史的遺産を尊重しながら、大胆さ、真正性、そして比類なきパフォーマンスによって定義される次なる物語を紡ぐことにある。パリでのこの競演は、イタリアン・ラグジュアリーカーの未来が、極めて個人的で、かつ情熱的なものであることを世界に高らかに宣言するものとなった。

【ル・ボラン編集部より】

トリノとモデナ、かつて覇を競った両雄が「ボッテガ(工房)」の名の下で共鳴する姿は、イタリア車好きには感慨深い。33ストラダーレの妖艶さとMCXtremaの獰猛さの共演は、単なる懐古趣味ではない。電動化への過渡期にあって、「内燃機関の官能」と「ビスポーク」こそが、絶対的なラグジュアリーの真価であることを再定義するマニフェストだ。効率化とは対極にある“究極の無駄”を愉しむ余白。それこそが、成熟した自動車趣味人に許された特権と言えるだろう。

【画像19枚】伝説の復活か、最速への挑戦か。アルファ・ロメオとマセラティ、パリの会場を彩った「究極の4台」を見る

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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