想像を上回るアンサー。常にスポーツホイールの“あるべき姿”を問い続ける
アドバン・レーシングはいつもスポーツホイールの“あるべき姿”を問い続け、我々の想像を上回るアンサーを用意してくれる。その思想が色濃く現れるのは、フラッグシップに位置する鍛造モデルたちだろう。2026年1月の東京オートサロン2026で発表された新作を軸に、そこに存在するふたつの系譜を整理してみたい。
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10本スポークの理想像を求めて。「RZ-F3」という新たな解釈
まず目に飛び込んでくるのは、オリジナル・ランデュースのGR86に装着されたブランニューモデル「RZ-F3」だ。これはアドバン・レーシングにおける10本スポークの、新たな解釈といえる。
起点となったのは、ブランド初の鍛造モデルとしていまも現役にいる「RZ-DF」だ。金型鍛造製法ならではの“強さ”を武器に、極限まで追い込んだディープリム設計、ポルシェを想定したP.C.D. 130やセンターロックへの展開など、きわめて前衛的な存在だった。その流れは「RZ-DF2」へと受け継がれる。「RZ-DF2」ではアウターリムの深さを一定としながら、インセットやJ数に応じて5段階ものコンケーブを用意。想定車種を明確に見据えたうえで、開発・生産体制を確立させた結果といえる。
「RZ-DF2」とは異なる立ち位置にあったのが「RZ-F2」だ。「D=ディープリム」を主張するのではなく、スポークをリムエンドいっぱいまで伸ばしたフルフェイスデザインを採用していた。その進化形こそが「RZ-F3」である。リムエンドの段付き形状をはじめ、スポークとリムの接合部、エッジの立て方やサイドカットの処理など、見る角度によって表情を変える造形は、フルフェイスならではの奥行きを感じさせる。
「バレルリム+ステップリム」による性能と色気。「GT」の飽くなき進化
さらに、国産スポーツカーからポルシェ、BMWといった輸入車まで幅広く対応するフラッグシップとして欠かせないのがアドバン・レーシング「GT」だ。一見シンプルな5本スポークながら、細部にまでつくり手の思想を落とし込んだ設計と、その結果としてのスタイリングは、ハードな国産チューニングカーから最新のポルシェまでを自然に受け止める。
スポーツカー/グランツーリスモの進化に歩みを合わせ、意匠の最適化を伴うサイズ拡充を重ねてきたところも見逃せない。派生モデルが多いのが、その証左だ。R35 GT-Rのサーキットアタック用として誕生した「GT Premium Version」、そしてポルシェ専用設定の「GT for PORSCHE」は代表的な存在である。
「GT」をベースに、大幅なアップデートが施されたのが「GT BEYOND」だ。「己を超越する」という名に違わず、単なる小変更にとどまらない進化を遂げている。最大のポイントはリム設計にある。「GT」にある多くのサイズで用いられるリバースリムをノーマルリムへと転換した。そのうえで大型化が進むブレーキシステムに対応するため、タイヤドロップ部から裏側へと膨らませる樽型形状のバレルリムを採用した。
そして2025年に登場したのが「GT BEYOND-R」である。バレルリムを踏襲しつつ、アウターリムに段差を設けたステップリム形状を採用。今年はそれに19インチが追加された。今回、HKSのデモカーであるFL型シビック・タイプRには、前後とも10.0J×19インチを装着する。スポーク天面およびアウターリムのマシニング&ダイヤモンドカットによる光沢が、力強い5本スポークとステップリムの奥行きを際立たせている。
「GT BEYOND-R」は2026年中の発売が予定されている。今年の新作に象徴されるように、アドバン・レーシングは、そこに進化を続けるスポーツカーが存在する限り、弛まぬ情熱と技術をもってそれを追い続け、最適解を導き出していく。
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