ミシュラン最新オールシーズン「クロスクライメート3」は雪道でどこまで使える?
オールシーズンタイヤの需要はここ数年で明らかに高まり、各社がそれぞれの技術と思想のもとで高性能モデルを送り出している。ミシュランもその中心的な存在であり、日本市場では2019年導入の「クロスクライメート(CC)」シリーズが広く知られるようになった。
【画像27枚】ミシュランの最新オールシーズンタイヤ「クロスクライメート3/クロスクライメート3 スポーツ」を雪上&氷上で試す!
その最新世代が昨年登場した「クロスクライメート3(CC3)」である。“走り”の性能を求めた「CC3スポーツ」が設定される点も今回のトピックだ。オールシーズンでありながらスポーツ性能まで追求するというのは、いささか欲張りに思えるかもしれない。果たして、そんなオールシーズンタイヤのニューモデルの実力はいかばかりか。ミシュランの日本における開発拠点である北海道・士別テストコースで確かめることができた。
サマー性能を主役とするミシュランの一貫した哲学
オールシーズンタイヤの役割は文字どおり季節を問わずに走れることだが、都市部のユーザーにとって実際に気になるのは年に1〜2度の突然の雪への対応力だろう。となれば、どうしても雪上性能に注目が集まりがちだが、ミシュランのスタンスは一貫している。あくまでタイヤライフの主役は、ドライやウェットを含んだサマー性能。そしてその耐久性であり、それらを確保したうえで雪道にも対応する、という考え方である。
技術面でもその方向性は明確だ。クロスクライメートシリーズの象徴でもあるV字型トレッドパターンはCC3でも継承されているが、新たにセンターグルーブを追加することで排水性と排雪性を向上。さらにCC2よりブロック幅を細かくしピッチを増やすことでスノーグリップを高めた。ブロック配置の最適化によって不快な周波数帯のノイズも低減し、快適性の改善も図られている。
「スポーツ」の名に恥じない専用技術の投入
もうひとつ注目したいのがCC3スポーツだ。専用トレッドコンパウンド“サーマル アダプティブ コンパウンド2.0”を採用し、ドライ、ウェット、雪上すべてで高いグリップを実現。転がり抵抗ラベリングAを維持しながらウェット性能aを獲得したのもこのコンパウンドの効果である。
さらにミシュランのスポーツタイヤ「パイロットスポーツ」で培われてきた技術も投入された。アラミドとナイロンを組み合わせたハイブリッドキャッププライによる“ダイナミックレスポンステクノロジー”で、接地性とハンドリング性能を高めている。
いざ雪上へ。スタッドレス「X-ICE」との違いは?
昨秋の試乗ではドライおよびウェット性能の高さが報告されているが、先述のように、都市型ユーザーのひとりとして気になるのは氷雪路への対応力である。今回のテストではCC3単独の評価に加え、先代CC2やスタッドレスのX-ICEとの比較も実施され、性能の到達点と進化の幅を確認することができた。
旋回路、登降坂、氷上ブレーキなど、冬の実用シーンを想定した試験が用意されていたが、走らせてまず感じるのは雪道でもタイヤの働きが明確に伝わることだ。旋回試験路ではX-ICEがスタッドレス特有の粘るような食いつきを見せる一方、CC3はそれに迫るグリップを発揮しながら横荷重に対してもタイヤのよれが少なく、剛性感の高い挙動を示す。
CC3スポーツになるとその傾向はさらに際立つ。操舵に対する応答はより正確で、仮に滑りが出ても姿勢を立て直しやすい。制動時も同様で、大柄なSUVでもブロック剛性の高さが感じられ、スタッドレスで見られるような腰砕け感はない。実にコントローラブルで、不安を感じさせず雪道を走り抜ける。
走りの質を一段引き上げるオールシーズンの新基準
こうして雪上性能の高さを体感すると、CC3および同スポーツはスタッドレスに近い能力の持ち主と捉えたくなるが、ミシュランの立場はあくまでサマー性能を軸としたオールシーズンタイヤ。雪道でも走れることを過信してほしくないという考えから、アイス性能は意図的に控えめに位置づけている。この姿勢に同社らしい慎重さと見識が表れている。
サマー性能を主軸に据え、そのうえでウィンター性能を付加する。そうした開発思想があるからこそ、CC3シリーズは路面を問わず足取りの確かさを感じさせるのだろう。オールシーズンというカテゴリーのなかで走りの質をどこまで高められるのか。CC3とCC3スポーツは、その水準を一段押し上げた存在といえそうだ。
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