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サファリの激闘を制した勝田貴元とGRヤリス。WRC初制覇で体現した「世界で勝てる日本人ドライバー」

伝統と過酷さのサファリで、確実な走りが結実

2026年3月15日(日)、FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦「サファリ・ラリー・ケニア」の最終日デイ4が行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(GR YARIS Rally1 18号車)が待望のWRC初優勝を飾った。日本人ドライバーによるWRC総合優勝は、1992年の篠塚建次郎以来となる歴史的な快挙だ。

【画像11枚」砂埃と泥にまみれ、過酷な環境でのサファリラリーを制した勝田

世界で最も過酷なラリーとして知られるサファリ・ラリー。勝田はこれまで5回出場して3度表彰台を獲得するなど同イベントを得意としてきたが、昨年は最終日の最終ステージでロールオーバーを喫し、悔し涙を流した因縁の地でもあった。

首位を争うチームメイトたちが相次いでトラブルに見舞われる波乱の展開のなか、デイ3でトップに立った勝田は、最終日デイ4でも冷静かつ確実な走りを披露。ボーナスポイントがかかる最終のパワーステージ(SS20)もしっかりと走り切り、猛追する総合2位のアドリアン・フォルモー(ヒョンデ)を27.4秒差で抑え込み、トップでフィニッシュした。
日本人ドライバーがWRCで総合優勝を果たしたのは、1991年と1992年にコートジボワールを制した篠塚建次郎以来。また、サファリ・ラリーでの日本人優勝としては、1995年(W2Lとして開催)にトヨタ・セリカGT-FOURを駆って制した藤本吉郎に次ぐ、史上2人目の偉業となった。

トヨタはサファリ6連覇! パヤリも3位表彰台を獲得

勝田の劇的な勝利により、トヨタはサファリ・ラリーがWRCカレンダーに復帰した2021年以降、負けなしの6連覇を達成。トヨタとしての通算サファリ制覇記録を「14」に伸ばした。

また、TGR-WRT2からエントリーしたサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車)も、荒れるラリーを確実性の高い走りで乗り切り、前戦スウェーデンに続く総合3位表彰台を獲得した。

デイ3でのリタイアから見事な再出走を果たしたオリバー・ソルベルグ組(99号車)は総合10位でフィニッシュしつつ、スーパーサンデーとパワーステージを制覇して最大ボーナスポイントを奪取。セバスチャン・オジエ組(1号車)は総合11位、エルフィン・エバンス組(33号車)は総合13位で完走し、それぞれ貴重なポイントを持ち帰った。これにより、ドライバーズ選手権ではエバンスが首位をキープし、マニュファクチャラーズ選手権でもトヨタ(TGR-WRT)がトップの座を堅守している。

豊田章男会長「日本の若者たちへの本当に大きなプレゼント」

今回の快挙に対し、TGR-WRT会長の豊田章男氏(モリゾウ)は、「”世界で勝てる日本人ラリードライバー”が日本の子供たちの憧れになる日が来てほしいとずっと思っていました。(中略)この勝利は、そんな日本の若者たちへの本当に大きなプレゼントになりました。貴元、ありがとう!」と熱い祝福のコメントを寄せた。

悲願のWRCウィナーとなった勝田は、「フィニッシュラインを通過した時の気持ちを言葉で表すのは難しいですが、とにかくクレイジーでした。決して楽な道のりではありませんでしたが、ついにここまで来ることができました。自分と一緒に一生懸命努力してくれたアーロン、そして常に僕を信じてくれたチームの皆に感謝します」と喜びを爆発させた。

WRC次戦(第4戦)は、4月9日〜12日にかけて開催されるターマック(舗装路)イベント「クロアチア・ラリー」。WRC優勝という新たな称号と自信を手にした勝田貴元と、圧倒的な強さを誇るGR YARIS Rally1のさらなる活躍に期待が高まる。
【画像11枚」砂埃と泥にまみれ、過酷な環境でのサファリラリーを制した勝田

LE VOLANT web編集部

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