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補助金適用で約600万円から。航続1014kmのヒョンデ新型FCEV「ネッソ」が、日本の交通網に最適化された必然

新型ヒョンデ・ネッソ(NEXO)
新型ヒョンデ・ネッソ(NEXO)
新型ヒョンデ・ネッソ(NEXO)

単なるエコカーの枠を超えて。ヒョンデが提示する、日本社会とFCEVの新たな共存関係

ヒョンデ モビリティ ジャパンは2026年4月8日、新型水素電気自動車(FCEV)「The all-new NEXO(ネッソ)」の日本市場での販売を開始した。本モデルは昨年秋に開催された「ジャパンモビリティショー2025」にて日本初公開され、ヒョンデの水素バリューチェーン「HTWO」を象徴するテクノロジーシンボルとして注目を集めた一台だ。約5分の充填で1014kmという航続可能距離を実現し、実用性と環境性能を高次元で融合させた次世代SUVの詳細をお伝えする。

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単なるスペック競争からの脱却。倍増したバッテリー出力がもたらす「日常域の洗練」

昨年秋の「ジャパンモビリティショー2025」では、韓国本社からヒョンデ モーターカンパニー副社長のジョン・ユソク氏が登壇し、ネッソを日本初公開した。プレゼンテーションのために韓国から来日したその姿勢について、ヒョンデ モビリティ ジャパン代表取締役社長の七五三木敏幸氏は、ヒョンデ本社がいかに日本のマーケットを大切にし、本気で取り組んでいるかの表れであると言及している。

その会場で披露された新型ネッソは、従来モデルから動力性能が大幅に進化。水素燃料電池スタックの最高総出力は従来比16%増の110kWとなり、PE(パワーエレクトリック)システムの出力は135kWから190kWへ、バッテリー出力は40kWから80kWへと倍増した。これにより0-100km/h加速タイムは従来型の9.2秒から7.8秒へと短縮され、優れた加速性能とスムーズな追い越し性能を獲得している。

最小回転半径5.5mと国内専用制御。日本の道を知り尽くしたかのような「割り切り」の正体

今回日本での販売が開始される新型ネッソは、先代モデルから6.69kg(合計162L)へと大容量化された水素タンクと、最大出力150kW(204ps)、最大トルク350Nmを発揮する高出力モーターを搭載している。燃料貯蔵密度の向上により充填頻度が低減され、約5分程度の充填時間で1014km(「Voyage」グレードの参考値)という長大な一充填走行距離を実現した。

ボディサイズは全長4750mm×全幅1865mm×全高1690mmというミッドサイズSUVでありながら、最小回転半径は5.5mに抑えられており、日本の道路環境にも適した取り回し性能を備えている。また、走行時の快適性を高めるため「スマート回生システム」を採用している。これは前方レーダーとナビゲーション情報をもとに、前走車との距離に応じて回生ブレーキの効き具合を自動調整する機能であり、ストップ&ゴーが頻繁に発生する日本の交通環境に合わせて、発進加速が自然で滑らかになるよう国内仕様専用のチューニングが施されている。

クルマであり、インフラでもある。CHAdeMO対応が示唆する次世代SUVの果たすべき役割

SUVならではの全高を活かしたパッケージングにより、センタートンネルのないフラットな後席フロアと広々とした室内空間を確保している点も特徴だ。ラゲッジスペースは通常時で510L、後席を折りたたむと最大1630Lまで拡大し、日常の買い物から荷物の多いレジャーシーンまで柔軟に対応する。さらに、Googleマップ連携ナビゲーションやアプリ内水素ステーション検索機能、Audio by Bang & Olufsenによる14スピーカープレミアムサウンドシステムなど、日常の利便性を高める先進装備が標準搭載されている。

また、新型NEXOは「社会インフラ車両」としての価値も兼ね備えている。車内外で最大1500Wの電力供給が可能なV2L機能を標準搭載しており、アダプター不要で様々な家電製品を利用できる。さらに日本の給電規格であるCHAdeMOにも対応しており、外部給電器を用いた大容量給電やV2H機器への接続も可能となっている。これにより、災害時の非常用電源や地域のレジリエンス拠点として、タクシーや自治体公用車などの法人ユースでも高い運用効率を発揮することが期待される。

手厚い保証と147万円の補助金。最先端のFCEVを「現実的な選択肢」へ引き下げる価格設定

ヒョンデは新型NEXOをより安心して長く利用できるよう、購入後の維持管理を見据えた包括的なサポート「Hyundai Assurance Program」のサポート内容を拡充している。「Health Care」プログラムにおいては、通常モデルでは初回点検までの3年間としているサポート期間を延長し、NEXO専用として4年目の法定12ヶ月点検基本料金および車検点検基本料を無償で提供する。くわえて、外装部品が破損した際に対象部品の修理を無償で行う「Style Care」も3年間無償で付帯する。

車両本体価格(税込)は、「Voyage」グレードが750万円、「Lounge」グレードが820万円、「Lounge +」グレードが835万円に設定されている。本車両は国の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」の対象に指定されており、147万円の補助金交付が公表されている。さらに東京都が実施する「ZEV車両購入補助金」などの地方自治体による補助金制度を活用することで、さらに負担を軽減して購入することが可能となっている。

【ル・ボラン編集部より】

かつて本誌で先代ネッソをテストした際は、しなやかな乗り心地を評価する一方、高速域の直進性には一歩譲る点があるとの指摘があった。今回の新型は、アウトバーンを駆ける野心以上に、日本の特異な交通環境へ徹底的に最適化する道を選んでいる。ストップ&ゴーに特化した回生制御や取り回しの追求は、FCEVを単なるエコカーではなく、日常の社会インフラとして定着させるための理知的な「割り切り」だ。アイオニック5Nで示した狂気的な情熱とは対極をなす、ヒョンデの極めて冷静で成熟した戦略的アンサーである。

【画像7枚】フラットな後席フロアと広大なラゲッジ。SUVとしての実力とFCEVの先進性を高次元で融合させた新型「ネッソ」の内外装をチェック

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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