コラム

限界を超えても怖くない! 富士「モビリタ」の新GRプログラムで学ぶ、安全かつ本格的なクルマの操り方

富士スピードウェイ「モビリタ」でリニューアルした「GR DRIVING EXPERIENCE」をGR86で体験
富士スピードウェイ「モビリタ」でリニューアルした「GR DRIVING EXPERIENCE」をGR86で体験
富士スピードウェイ「モビリタ」でリニューアルした「GR DRIVING EXPERIENCE」をGR86で体験

スピンしても「ナイストライ!」。プロの指導で愛車をもっと自在に操る

富士スピードウェイ内の交通安全講習施設「モビリタ」で実施されている「GR DRIVING EXPERIENCE」が、2026年4月に全面リニューアルされた。クルマのポテンシャルを安全に引き出すスキルを磨くこのプログラムは、初心者の基礎固めから上級者の限界走行まで、習熟度に合わせてステップアップできる階級制へと進化した。トップドライバーによる直接指導の下、限界挙動を学べる貴重な体験をレポートする。

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1回限りで終わらせない。究極の86もレンタルできる新設コースの魅力

富士スピードウェイの中にある交通安全講習施設「モビリタ」でこの4月にリニューアルした「GR DRIVING EXPERIENCE」を体験してきた。「GR DRIVING EXPERIENCE」は、クルマを安全に操り、車両の持つポテンシャルを引き出すスキルを磨くドライビングプログラムだ。従来は全国のサーキットを巡回して「ベーシック」と「アドバンス」というレベル分けで実施されてきたが、どうしても1回体験するだけで終わってしまいがちということで、初心者から習熟度に合わせてステップアップしていける形に刷新したという。

新しくなったプログラムは、1日コースのGR4級からGR1級まで、加えて半日だけの体験コースで展開される。どのレベルも様々なレースで活躍するトップドライバーが講師として指導してくれるのはこれまで通りだ。

初めての受講者はGR4級あるいは体験コースから、既存の「ベーシック」プログラムを受講したことがあればGR3級から参加可能で、GR1~3級はそれぞれに合否判定があり、合格しないと昇級できない仕組みだ。

3・4級はマイカーでの参加が可能で、トヨタ車に限らず他メーカー車でもOK。GR車両を有料でレンタルすることもでき、そのラインナップに究極の86と呼ばれる「86GRMN」(レンタル料8万円也)も入っているのには驚いた。受講料は4級が3万8000円、3級が4万8000円、2級が9万8000円、1級が12万8000円。1・2級は料金が大幅アップするようにも見えるが、受講料にGR86のレンタル料、燃料代、タイヤをはじめとする消耗品もすべてコミコミなので妥当だろう。

スピンも大歓迎!? 褒め上手なプロの指導でオーバーステアを実践的に学ぶ

さて、今回体験させていただくのはGR3級とGR2級の内容を各30分にギュギュっとしたダイジェスト版だ。今日の参加者は見渡すところ腕に覚えのありそうな方ばかりだが、猛者たちもすなるドライビングエクスペリエンスというものを、腕に覚えのないへっぽこライターもするなり。

3級はスタッドレスタイヤを履いたGR86を使い、圧雪路程度の低μ路コースでオーバーステア、アンダーステアの体験とその対応を学ぶのがテーマだ。担当講師はS耐やGT300で優勝経験もあり、ニュル24時間でクラス優勝も果たしている松井孝允選手。まずは松井選手のお手本走行を助手席で体験するのだが、スムーズ&スウィートなドリフトで魅せる。あらそんなに速く走るのが目標なのね、驚いた。でもとにかくかっこいいわあ……とか言っている場合ではない。ドライバーズシートに交代である。かっこいい先生は降車して見守りながら無線を通じてアドバイスをくれるという。

事前に「雪道の運転が超苦手だし、グリップしていないと恐怖」だと話してあったので、まずは丁寧なグリップ走行で行きましょうとのアドバイス。だが、「いいですよ」「その調子で行きましょう」という褒め上手な無線の声に促され、水しぶきを上げて走っているうちにどんどんペースが上がって……ズリリッとリアが外に流れた。ああいやだ。過去に何度かオートバイでハイサイドに対応しきれず転倒していることもあって、ホントに苦手なんです。でもこれだけ広い場所なら、しかもこんな低速なら全然怖くない。むしろ楽しい!

そこからはしっかりアクセルとブレーキを使ったり、きつめのラインを取ってみたりと積極的に走れるようになった。滑り始めるとトラクションが欲しくて(逆効果なんだけど)反射的に、しかも雑にアクセルを開けてしまう悪いクセにも向き合い、反射を理性でコントロールしようと頭も使う。滑り出しても立て直せると松井先生がすかさず「いいですよ!」と声をかけてくれる。うまくいかずにスピンしても「ナイストライです!」と応援してくれる。次のコーナーはもっとうまくやれる、そんな気持ちで走っているうちに、あっという間に持ち時間の25分が過ぎた。

スポ根さながらの熱血指導! 圧倒的なスピードとGを体感するパイロンコース

楽しい気分で松井先生にお別れして、次はGR2級の講習を受けるべく、いそいそと蒲生尚弥選手(もれなくかっこいい)の助手席へ。蒲生選手もGT300でシリーズチャンピオン、ニュル24時間では2度のクラス優勝を果たしている。お手本走行にわくわくである。

2級は純正サマータイヤを履いたGR86で、広いスペースを贅沢に使ったパイロンコースで限界走行を体験する。4つのコーナーからヘアピンを抜けてスラロームからの最終コーナーで1周というコースは、前半ドライ、後半ウェットという路面環境。当然とはいえ、蒲生先生は超絶速くて超絶うまい! トップスピードはコース設定された100km/hを優に超えるし、なにしろ緩急がパキッとしていて、まさにお手本。これを体感できるのは貴重だ。

蒲生先生が降車してドライバー交代。ハイグリップでスピードが上がると滑り出しからスピンまでの間が短いので緊張感が高い。とりあえず慣熟走行とばかりにもたもた走っていたら「しっかり加速、まだまだ!」と檄が飛ぶ。慣れてきて全開、コーナー前にフルブレーキはできるようになったものの、コーナリングにつなげるブレーキの抜き方に丁寧さが足りないと指摘を受ける。複数回スピンしてエンストしたが、「ナイストライですよ」と背中を押されてリスタート。スラロームでは「もっと先を見てリズミカルに」とのアドバイスでかなり良くなった(気がする)。日常生活ではまず味わうことのないスポ根な感じもまた、いとをかしである。

GR2級は筆者には結構ハードで、終盤集中力が持たずに最終コーナーを思いっきりコースアウトし、蒲生先生は「あはは! 曲がる気ありますかー」と大笑い。先生はしっかり見てリアルタイムで的確な指導をしてくれるし、とにかく楽しい。腕に覚えがある方も、そうじゃない方も、いざモビリタ!

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