ロールス・ロイス、最終評価を強化する「エリック・プラットフォード・テストウェイ」を開設
ロールス・ロイスは、2026年9月16日に英国ウエスト・サセックス州グッドウッドにて、完成車の最終評価を行う新施設「エリック・プラットフォード・テストウェイ」の開設を発表した。同ブランドが掲げる完璧さの追求と厳格な品質管理をさらに強化するための専用施設であり、静粛性や優れた乗り心地を正確かつ再現性のある環境下で評価することが可能となる。本記事では、この新しいテスト施設の詳細と背景について紹介する。
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伝統の名を冠した専用テスト施設の開設
ロールス・ロイス・モーター・カーズは、グッドウッドのホーム・オブ・ロールス・ロイスにおいて、新施設「エリック・プラットフォード・テストウェイ」を正式に開設した。オープニング式典は、製造ディレクターを務めるギュンター・ボヒナーのホストのもと、ウエスト・サセックス州ハイ・シェリフであるゲーリー・シップトン氏によって執り行われた。この施設の名は、サー・ヘンリー・ロイスの初代チーフテスターであり、ブランドの初期におけるエンジニアリングの卓越性を確立したエリック・プラットフォードに由来している。

プラットフォードは1913年のスペイン・グランプリで勝利を支えるなど、初期の顧客との関係性や妥協のない基準の礎を築いた重要人物であり、その名を冠すことでロールス・ロイスの変わらぬ姿勢を示している。
多角的な評価を可能にする8つの路面プロファイル
テストウェイは、手作業で製造されるすべての車両を対象に、シャシーやサスペンション、ボディ構造、インテリア部品へ制御された入力を与えるための施設である。敷地内には4つの並行レーンが設けられ、それぞれ長さが90メートルに及ぶ。これらを組み合わせることで、特定の車両レスポンスを誘発する8種類の異なる路面プロファイルが用意されている。テストでは各路面を固定速度と速度変化を伴う2つの方法で走行し、世界中で遭遇するさまざまな走行環境をシミュレートする。

具体的な路面には、異音の特定や乗り心地を確認するための大小の石畳セクションをはじめ、垂直方向の変動を生み出すランダム・コンクリート・ウェーブ、対向する車軸の動きでねじり荷重を加えるツイスト・ハンプなどが含まれる。さらに、前後車軸に連続した入力を発生させるレールウェイ・トラック、非対称なレスポンスを評価する鉄製マンホールカバー、高周波共振を測るサインウェーブ状のコルゲーション、そしてスムーズなタマックが完備されている。また、両端のターンアラウンドエリアではラウンドアバウトスタイルの方向転換が行われ、キャビン内の荷物の安定性なども検証される。
高度な静粛性テストと今後の検証体制
エリック・プラットフォード・テストウェイに入る前段階として、車両は静粛性試験室を通過する。ここでは可動式ガントリーに装着された高圧かつ変速可能なエアジェットを用いて、静的な風切り音の侵入テストが実施される。英国の国内最高速度制限である70mph(約112.6km/h)を超えるシミュレート速度や、一部市場の無制限道路に匹敵する環境でのテストが可能となっている。なお、同社ではこの新施設での検証に加え、従来からホーム・オブ・ロールス・ロイス周辺の一般道にある8マイル(約12.8km)のルートを活用したサンプル車両の走行テストも引き続き実施していく方針である。
【ル・ボラン編集部より】
BEV時代を迎え、大半のクルマが容易に「静けさ」を手に入れた現代。しかし、ロールス・ロイスが最新のスペクターで体現する静寂は根本から次元が異なる。それは単なるモーターの恩恵ではなく、車体への微細な入力や非対称な挙動を執拗なまでに管理するエンジニアリングの賜物である。デジタルシミュレーション全盛の今、あえて過酷な路面を物理的に再現する専用テストコースを新設する姿勢は、「完璧」を求めた初期の精神と色濃く重なる。真のラグジュアリーとは、こうした徹底的な検証の果てにのみ宿るのだ。
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