魔法のようなパッケージングが生む、新感覚のコンパクト7シーター
2026年7月に発売された新型シトロエン「C3エアクロス ハイブリッド」は、BセグメントSUVで唯一となる3列7人乗りレイアウトを採用した注目モデルだ。日常の取り回しやすさと高い実用性を両立したこの個性派SUVの実力はいかほどのものか。自身もフランス車を愛用し、日々子育てに奮闘する3児の母でもあるモータージャーナリストの竹井あきらさんが試乗し、極上の乗り心地と3列目の居住性に迫る。
【画像30枚】おしゃれで実用的。フレンチマジックが詰まった新型「C3エアクロス」のディテールを全画像で確認
ベースのC3から大幅拡大。「おしゃれはがまん」を過去にする実用性
おいしいオムレツをつくるコツは、小さめのフライパンでたっぷりの卵を使うこと。小さくおしゃれなSUVに大人数が乗り込めば、バターが香るふわとろのオムレツみたいなマジックが生まれる。
外観はほぼC3と同じように映るが、コンパクトSUV唯一の3列7人乗りであるC3エアクロスは、ベースとなるC3より395mm長く、35mm幅広く、70mm高い。全長は4410mmだからBセグメントからは少々はみ出し気味だが、全幅は1800mmを切るから街中での扱いやすさはたしかにBセグメントのそれだ。

よく見ればフロントアンダーガードやフェンダーにはC3よりもゴツッとした印象が加えられて力強い。そして全長とホイールベースが延ばされている分、のびやかでスタイリッシュ。「おしゃれはがまん」なんてもう古い、おしゃれでエフォートレスな7人乗りの誕生である。
洗練されたフレンチインテリアと、力強い48Vハイブリッドの走り
運転席に乗り込んだ印象もまた、ほぼC3と変わらない。シートの色使いは白と黒ですっきりしているものの、テップレザーとファブリックが複雑に組み合わせられ、ステッチも効いてじつは凝っているというのもしゃれている。C3が現行型になった際、前席シートのヘッドレストが髪を耳の後ろあたりの高さで結んでいてもじゃまにならないような形状に変更されたのが密かにうれしかったが、C3エアクロスもまたその形。

ダッシュボードは水平基調でシンプルながら、下段のトレーはクッション性のあるファブリックに包まれて質感が高く、天地が短い小径ステアリングホイールの上に見える位置に横長の細いメーターパネルが備わるのもC3と同様だ。ただ明らかに違うのは、キーシリンダーを回す式のC3に対し、プッシュボタン式のスターターが備わること。とはいえC3にも追って装備されるという。

スターターボタンを押すとエンジンがブルンと目を覚ます。振動は抑えられているものの、エンジン音は実用車然としていてあまりしゃれっ気はない。C3同様に48Vの駆動バッテリーを積むハイブリッドだから、エアコンの負荷が許容範囲なら、微低速域や巡航時にはEV走行もできる。搭載される1.2Lターボ付き直列3気筒エンジンもC3と共通だ。ただし最高出力を26kW、最大トルクを25Nm、それぞれ強化することで120kgの重量増を補い、出足も加速も快調だ。
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