伝統の系譜を受け継ぐ次世代機動車
2026年9月16日、ディフェンダーは英国陸軍の「DVD 2026」イベントにおいて、新型軍用車両「ディフェンダー ウルフ シリーズII」の3つの新しいバリエーションを世界初公開した。英国国防省の軽量機動車(LMV)調達要件に合わせて仕様策定されたこの次世代モデルは、ブランドが軍用車両として歩んできた70年以上の歴史に新たな1ページを刻むことになる。
【画像6枚】イギリス国防省の入札に挑む! 新型「ディフェンダー ウルフ シリーズII」の走りを見る
新設された防衛部門から登場した初の3モデル
今回お披露目されたのは、「タクティカル・モビリティ・ビークル(TMV)」、「モノ・タクティカル・モビリティ・ビークル(M-TMV)」、そして「ユーティリティ・ビークル(UV)」の3車種だ。これらはベッドフォードシャー州のミルブルック・プルービンググラウンドで公開された。

これら3車種は、JLR内に新設された「ディフェンダー・ディフェンス・ディヴィジョン」のもとで開発された初のモデルとなる。英国国防省の軽量機動車入札への参戦を果たすとともに、NATO加盟国の防衛機関への販売も視野に入れている。ディフェンダーのマネージング・ディレクターを務めるパトリック・マギリカディ氏は、次のように意気込みを語っている。
「当社の次世代軍用車両である『ディフェンダー ウルフ シリーズII』の3つの新しいバリエーションを発表できることを大変誇りに思います。新設された『ディフェンダー・ディフェンス・ディヴィジョン』を通じて、世界中の防衛機関に向けて展開するとともに、英国国防省の軽量機動車調達入札に参加してまいります」
専用設計の「D7x」モノコック構造による圧倒的な走破性
「ディフェンダー ウルフ シリーズII」は、ディフェンダー専用に開発された「D7x」アーキテクチャおよびモノコック構造をベースに採用している。従来の「ラダーフレーム」技術を凌駕する積載量を確保するとともに、過酷な環境に対応する強靭なボディ剛性を実現した。

ディフェンダーのエキスパートエンジニアたちは開発プロセスにおいてエンドツーエンドのコントロールを維持し、不要な複雑さを排除。これにより、最新の近代化されたフリートに対する軍の要求仕様を迅速かつ大規模に満たすことに成功している。また、エンジンはウルヴァーハンプトンで製造される英国製が搭載されており、確かな主権防衛能力(ソブリン・カパビリティ)をも体現している。
開発にあたっては、エンジニアリング承認に向けて6万2000回以上に及ぶ極限のテストを実施。シャシーとボディアーキテクチャは、JLRの厳格な「エクストリーム・イベント・テスト」の手順に耐えうるよう設計された。
70年の歴史を継承する現代の「ウルフ」
「ディフェンダー ウルフ シリーズII」は、英国軍に70年以上にわたり奉職した初代「ランドローバー」および「ディフェンダー ウルフ」以来となる、ディフェンダーブランド初の本格的な軍用車両のローンチとなる。
本車両は、国境警備隊、警察、軍、消防など、世界中の緊急組織で現在採用されている既存の「ディフェンダー エキスパート」ポートフォリオをさらに拡充するものであり、過酷な環境下における車両の優れた適応性を証明している。ダカールラリーでの成功や、英国国防省の独立系テストコースで行われたデモンストレーションにおいて全障害物を首尾よくクリアした唯一の車両となった実績も、その圧倒的なオフロード性能を物語っている。

英国で設計・エンジニアリングされ、最新テクノロジーをまとって蘇った「ディフェンダー ウルフ シリーズII」。軍用車両の未来を切り拓くその動向に、今後も世界中の視線が集まることだろう。
【ル・ボラン編集部より】
最新のディフェンダーは、もはや泥臭い実用車ではなく、極上の快適性を誇る高級SUVへと変貌を遂げている。しかし、この「ウルフ シリーズII」の登場は、その骨格であるD7xモノコックがいかに強靭な基本設計を持っているかを我々に突きつける。かつてのラダーフレーム時代のような武骨な道具としての精神性を、最先端のアーキテクチャで体現しているのだ。最新でありながら泥まみれの最前線へと回帰する姿は、ブランドの揺るぎない歴史的系譜を感じさせる。洗練と土埃の共存が生み出す、現代における究極の機能美である。
【画像6枚】イギリス国防省の入札に挑む! 新型「ディフェンダー ウルフ シリーズII」の走りを見る





