
















































メルセデス・ベンツ、2027年末までに40超の新型車を投入へ
メルセデス・ベンツは2026年10月27日、最新のパワートレイン戦略を発表した。2027年末までに40以上の新型モデルを市場へ投入し、かつてない規模とスピードでラインナップを拡充する。内燃機関から完全な電気自動車(BEV)に至るまで、徹底したモジュール化とデータ主導の開発により、あらゆるニーズに応える構えだ。F1由来の電動ターボや次世代バッテリーなど、注目の新技術を紐解く。
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モジュール化で多様なニーズに対応する次世代アーキテクチャ
メルセデス・ベンツが推進するパワートレイン開発の中核は、高い部品共通性を持つモジュール設計である。ハイブリッド車を含む内燃機関では、ISGを組み合わせたモジュールエンジン群を展開し、低燃費と高出力を両立させている。BEVにおいては、コンセプトカー「VISION EQXX」から派生した800Vのモジュール式アーキテクチャを開発した。これはCLAなどのコンパクトクラスから順次導入され、今後はEクラスやSクラスといった大型モデルにも拡張される。
BEVの心臓部となるエレクトリックドライブユニット「EDU 2.0」は、自社で一貫して開発・製造を行っている。エントリークラスでありながら高電圧システムの恩恵を引き出す800V設計を採用し、インバーターには効率を高める炭化ケイ素を使用する。さらに2速ギアボックスを組み合わせることで、強烈な加速力、最高速度の向上、そして電力消費の最小化という背反する要素を見事にクリアしている。
F1のノウハウを市販車へ。コンパクトクラス最強の新型エンジン
モータースポーツの最高峰であるF1からの技術移転も、同社の開発において重要な役割を担っている。英国に拠点を置く「メルセデスAMG ハイパフォーマンス・パワートレインズ」との緊密な連携により、レースの世界で培われた専門知識が市販車へとフィードバックされている。単なる部品の共有にとどまらず、開発手法やスピードそのものを取り入れている点が特徴である。
その具体的な成果が、新型の1.5L直列4気筒エンジン「M 252 LS」である。このエンジンには、メルセデス・ベンツの市販車として初めてF1由来の電動ターボチャージャーが組み合わされた。48Vシステムで駆動する電動ターボによって全回転域で鋭いレスポンスを実現し、コンパクトクラス最強の出力を誇る。従来型に比べて加速性能を向上させつつ、CO2排出量の大幅な削減も達成した。
無充電で1205kmを走破。実用化に近づく次世代バッテリー
電動化の鍵を握るバッテリー分野においても、独自の研究開発を推し進めている。現在主流のバッテリー改良に加え、コバルトを不要とする次世代のセル化学技術「LNMO」の開発を推進している。これによりレアメタルの使用量を削減しつつ、高いエネルギー密度とコストダウンの両立を目指す。従来のLFPバッテリーと同等の重量やサイズでありながら、航続距離を最大30%伸ばす可能性を秘めている。
さらに、全固体電池の開発においても具体的な進展が発表された。パートナー企業と共同開発した全固体電池をプロトタイプの「EQS」に搭載し、実際の公道環境でテスト走行を実施した。シュトゥットガルトからマルメまでの1205kmを無充電で走り抜くことに成功しており、全固体電池がもたらす長距離走行のポテンシャルを見事に実証している。
140年の歴史を礎に、モビリティの未来を牽引
メルセデス・ベンツは今年、自動車の発明から140周年という大きな節目を迎えている。今回発表された多角的なパワートレイン戦略と、2027年末までに40車種以上を投入するというかつてない規模の展開は、長年培ってきたエンジニアリングの専門知識の集大成と言える。
「完全な電気自動車であれハイブリッド車であれ、すべての顧客のニーズに最適なパワートレインを提供する」という同社の姿勢は、快適性とスポーティさが融合した独自のドライビング体験を約束するものだ。技術的な卓越性を追求し続けるメルセデス・ベンツは、これからもモビリティの未来を確固たるものとして形作っていくはずだ。
【ル・ボラン編集部より】
新型CLAのBEV版が示した雑味のないステアリングフィールや重厚な乗り味も、裏付けとなる徹底した駆動系の作り込みあってこそだ。2速変速機を持つ800VシステムからF1由来の電動ターボを積む新型エンジンまで、メルセデスの全方位戦略には一点の迷いもない。 効率と感性に訴える動的質感という相反する命題を、圧倒的な技術力で高次元に両立させてしまう懐の深さ。動力源が変われど、ドライバーが触れた瞬間に伝わる揺るぎない安心感と芳醇な走りの歓びこそ、140年続く最善の哲学である。
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