新型「ゴルフ・オールトラック」、あるいは「B-SUV 5 Seater」?
フォルクスワーゲンの謎の開発車両がカメラに捉えられた。ご覧の通りベースは現行「ゴルフ」だが、今回はその外観と現在までに得ている情報から、その正体を探ってみる。
問題のテスト車両は現行ゴルフに対してわずかにリフトアップされているが、目立っているのは不自然なまでに膨らんだ前後フェンダー。このことからトレッドがゴルフ比で大幅に拡大されていることは明らか。また、一見ベース車と変わらないように見えるCピラーには艤装が施され、テールライトやバンパー形状も異なる。とはいえ、エキゾースト回りはダミーではなさそうなので最近特にフォルクスワーゲンが力を入れているEVではないようだ。
では内燃機関をメインとする新型フォルクスワーゲンで該当するモデルがあるかといえば、次期型の「ゴルフ」と「ティグアン」という線は薄い。前者はすでにフルヌード状態に近い開発車がキャッチされていることに加え正式発表も間近。後者は現行型が発売されて3年程度なので、この種の開発車両を公道テストする段階ではないからだ。
となれば、残る可能性と考えられるのは次期型の「ゴルフ・オールトラック」。あるいはフォルクスワーゲンが今年3月のメディアカンファレンスで存在を示唆した欧州Bセグメント級のクロスオーバーSUV、「B-SUV 5 Seater」あたりだろう。これは「MQBプラットフォーム」を採用、「ポロ」の下位に位置する5人乗りのコンパクトSUVで「Tクロス」とは異なるブランニューモデルだ。だが、後者だとするとテスト車が現行ゴルフベースの不自然な形態であることに疑問が出てくる。なぜなら、この新型SUVは2019年内に発表とアナウンスされているからだ。というわけで、現段階ではこのテスト車の正体を断定することはできないが、フォルクスワーゲンがSVUラインアップの一層の強化を図っていることは間違いないようだ。