ペガソZ102/PEGASO Z102
ペガソはスペイン語でペガサスの意味。何とも素敵な名前を持つメーカーです。
ペガソについて少しだけ
わたしにとってペガソは最も魅惑的なスポーツカーのひとつです。題記したようにペガサスという名前もそうですが、元イスパノ・スイザの工場でつくられ、そもそもエンツォ・フェラーリと犬猿の仲だったと伝えられるバルセロナ生まれのエンジニア、ウィフレード・リカルトの設計に因るスポーツカー、というだけで心躍るものがあります。
しかもペガソがスポーツカーを生産していたのは、たったの7年間。もうこれ以上はないほど、魅力要素が満載なのです。
ペガソのカタログ
このカタログを入手したのは、今から40年ほど前のことになります。国内に住むカタログ趣味の先達から分けていただくことができました。その方は遠方に住まわれていたため、当時は電話と手紙くらいしか通信手段はありませんでした。インターネットの発達した現在からは想像もできないことですが、ふと振り返ってみると、趣味人同士、今よりもある意味密度の濃い交流ができていたような気がいたします。
ペガソのスポーツカーは一説に125台ほどしかつくられていない、とのことです。ただし、カタログは数種類が確認されています。
ペガソのように実車を目の当たりにすることの難しいクルマの場合、特に、こうしたカタログと共に過ごす秋の夜長は、また格別のものに感じられてなりません。
秋の夜長のお伴にペガソはいかがですか。
今回紹介するペガソZ102のカタログは2種類です。まず8頁仕立てのこちらのカタログですが、裏表紙や最後の頁に掲載されている諸元表をよくみると、Z102のなかでも高性能なBS/3.2の記載があります。カタログ表紙などには写真がつかわれていて、もう一方の4頁仕立てのカタログよりも後のもの、のように思われます。カタログはそのクルマのことを知るという本来の目的以外にも、こうしてカタログ自体のことをあれこれ考える楽しみがあります。また、このペガソのカタログのように絵の多用されたカタログは、それ自体、何も考えずにただぼんやりと眺めているだけで、秋の夜長すら、とても短く感じられるのです。
こちらはBS/3.2の諸元が詳しく記されたタイプ打ち資料が付属
表紙に絵をあしらい、一切写真が使用されていないこちらのカタログは、8頁仕立てのカタログよりも先につくられたもののようです。8頁仕立てのカタログでは、巻末にしっかり記載されている102BS/3.2について、こちらのカタログには記載がなく、代わりにBS/3.2の諸元が詳しく記されたA4サイズのタイプ打ち資料2枚が付属していました。ありがたいことに、これらのカタログや資料は全て英語で表記されています。