48V電装とスターター/ジェネレーターの順次標準化も
6月13日、ダイムラーは今後2年間で“グリーン”技術に70億ユーロ(約8350億円)を投資すると発表した。これにより、スマートは内燃機関とバッテリーの両方を動力源とするモデルのみで全ラインナップを構成する世界唯一の自動車メーカーになり、メルセデス・ベンツはGLCに、プラグイン技術を採用した燃料電池車を加えることになるという。
加えてメルセデスでは、プラグインハイブリッドモデルのGLC 350 e 4MATICとE 350 eの販売を2016年中にも開始し、翌2017年には電気のみで50kmを超える航続距離を実現するS 500 eのニューモデルを投入するとのことだ。GLCの燃料電池モデルである「GLC F-CELL」は、それらに続いて2017年中の市場投入を目指している。
GLC F-CELLは、外部からプラグインで充電した電力を蓄えるため、約9kWhの大型リチウムイオンバッテリーを搭載。これにより、エンジンルームに収まる程度のコンパクトな燃料電池システムで、NEDC(新欧州運転サイクル)燃費で約500kmの航続距離を実現しているとのことだ。これはすなわち、完全な専用プラットフォームを用意しなくても燃料電池車を構築できることを意味しており、インフラの問題は別に存在するが、燃料電池車のラインナップを一気に展開させる下地をメルセデスは手に入れたことになる。燃料電池車では先行しているトヨタやホンダは、この動きをどう見るのか。メルセデスの“グリーン”車攻勢に加え、そちらの動向からも目が離せない。