モデルカーズ

フィフティーズのフィーリングをプラモで堪能! レベル製「1955年型シボレー・ベルエア」【モデルカーズ】

シボレー初のV8エンジンを搭載

1955年型は、シボレーの歴史の中でも重要なモデルとなっている。イメージ的な面では、それまでの野暮ったい実用車から、スタイリッシュで豪華なクルマへと、華麗に生まれ変わった点が大きい。車体構造を完全に見直し従来より低くなったボディは車高60インチ(約1520mm)を実現しており(ハードトップ)、さらに、前年のビュイックやキャデラックに続いてラップアラウンド・ウィンドウを採用、リアフェンダーにもテールフィンが控えめながら採り入れられた。技術的な面では、シボレー初のV8エンジン導入が最大の変化だ。

ラインナップは最廉価版の150(ワンフィフティ)、中級の210(ツーテン)、上級のベルエア、という3本柱。このうちベルエアは、1950年から加わった2ドア・ハードトップの名称が、モデル名に昇格したものである。ボディ形式は、2ドアと4ドアのセダンを全モデルに設定。うち、150には後席スペースを荷物置き場としたユーティリティセダン(定員3名)もあった。210では逆に、通常の2ドア・セダンの他、室内を若干豪華に装ったデルレイというモデルが設けられている。セダンと同じボディだがこちらはクラブ・クーペと呼称された。

さらに、210とベルエアには2ドア・ハードトップ(スポーツクーペ)、そしてベルエアのみにコンバーチブルが用意されていた。ステーションワゴンは150には2ドアのみ、210とベルエアには2ドアと4ドアが存在。その名称は、150と210の下級版ではハンディマン、210の上級版ではタウンズマン、そしてベルエアではボービルとなる。さらにベルエアには、傾斜したBピラーが特徴のスポーティな2ドア・ワゴンがノマドの名でラインナップされ、そのスタイリッシュなデザインは人気の的となった。

再現性高く組み立ても確実な名作キット
さて、ここでお目にかけているのは、レベル製1/25スケール・プラモデルの1955年型ベルエアを組み立てたものだ。これは1995年にリリースされたコンバーチブル(この時はモノグラム・ブランド)のバリエーションキットで、ストックとカスタムに組める2 in 1となっている。いくつかの仕様があるが、作例に使用したのは2007年の品番85-2069、”グッドガイズ”仕様。ストックとカスタムの2 in 1で、ホイールとタイヤ、エアクリーナー、ヘッドカバーなどが2種類付属する。ドライブインのカーホップ・トレイが付くのも楽しい。

ボディはプロポーションがとても良く、モールドも全体にカッチリとしている。パーティングラインもごく微か。パネルラインは若干深くしたが、ドア前側のパネルラインはサイドシルにかかる部分が無いので、彫り足した方が良いだろう。サイドモールはメッキの別パーツなので、塗装の厚塗りは避けたい。カラーは実車のラインナップから、コード614「SHORELINE BEIGE」と、「GLACIER BLUE」の組み合わせを選んだ。ベージュはクレオスのGX1ホワイトにC44タン、GX2ブラックを混ぜたもの。ブルーはC65インディブルーにGX2ブラックとC8シルバー(旧版)を足して調色。グリルはメリハリがあるのでスミ入れでも良いが、作例では裏側を削り格子の穴を貫いている。

インテリアはモールドのタッチが非常に良く、シートパーツの合いも良好だ。フロアとファイアウォールの合いが良くないため隙間ができるので、ここは要修正。ダッシュボードはメッキパーツを挟んで組み立てる構成になっているので、妙な角度を付けないように注意。ステアリングのホーンリングは破損しやすい。作例でも作業中に折ってしまったので、0.5mm洋白線をリング状にしたものを接着した。塗装はボディカラーと同じ塗料を使い、つや消しクリアーを上塗りしている。

エンジンもとても良く出来ており、プラグコードを追加するだけで十分見栄えがするだろう。作例はさらにヒーターホースを付けている。説明書ではオイルフィルターベースがオレンジとなっているが、これはミディアムブルーが正しい。ファイアウォールのヒンジ孔が結構大きいので、フードヒンジを使わない場合はプラ板などで塞いでおこう。シャシー、足周りはそのままで問題ない。タイヤはモールドに個体差があり、パーティングラインがバリ状となっている場合があるので、その場合はカッターなどで注意深く処理する。ショルダー部分が角ばっているので、気になる場合は軽くヤスリをかけると良い。

なお、実車のエンジンは全モデル標準で235.5-cid(3.9L)の直6(MT用123hp/AT用136hp)を搭載、先述のV8は265-cid(4.3L MT用162hp/AT用170hpのものと180hpのものの2種あり)で、こちらは全モデルにオプション設定されていた。このV8こそ、以後半世紀以上にわたって活躍する名機、シボレー・スモールブロックの元祖である。

 

作例制作=周東光広/フォト=服部佳洋 modelcars vol.258より再構成のうえ転載
CARSMEET web編集部

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