塗装の剥離剤は使用に注意!
日産フィガロの実車とその1/24スケール・ミニカーについては、前編の記事(下の「関連記事」参照)においてすでに述べた。ここでお目にかけているリペイント作品は、自動車模型専門誌「モデルカーズ」295号(2020年)の劇中車特集に合わせて制作されたものである。以下、そのとき掲載された作者・坂中氏による説明をお読みいただこう。
「テレビドラマ『相棒』において、黒塗りのフィガロは通称“右京カー”と呼ばれ親しまれており、水谷豊扮する杉下右京が、自らステアリングを握って事件現場や捜査に赴くのに使用していました。右京カーの初出は、2012年10月のシーズン11から、とのことです。三代目相棒の甲斐亨(成宮寛貴)までは度々画面に登場しておりました。
現相棒(注:誌面掲載時点)の冠城亘(反町隆史)の初登場の辺りでも、右京が運転するフィガロの助手席には長身の反町が居心地悪そうに座っていましたが、冠城のこの態度表情は右京カーの運命についてのシグナルであったが如きで、これ以後、冠城が運転するV37スカイラインの助手席に右京警部は納まる様になり、今日に至っています。右京カー引退には、一説にはカルロス・ゴーン氏の意向が影を落としているとの噂もありますが、その真偽は定かではありません。
フィガロ右京カーのモデルカーとしては、2014年にチョロQと京商製1/43モデルカーがリリースされておりました。今回は、待望の1/24モデル(ただしダイキャストミニカー)として登場した、国産名車コレクションをベースに、分解・再塗装することで右京カーを制作してみました。
手間はかかるであろうが模型用リムーバーをまず試すのも手
作業にあたり、まず塗装を落とすため酸性の剥離剤を購入したのですが、大変危険な劇薬ですので、手や目の保護と、換気は充分に行なう必要があります。ガスを吸引すると身の危険を感じますし、ゴム手袋を履いていても手足がピリッと痺れてきます。説明書をよく読んで、くれぐれも正しい用法で使用しましょう。剥離後のリューターと真鍮ブラシでの研磨においても、必ず目の保護を忘れずにお願いします。
フィガロの資料がそもそも手元になかったので、ネットから画像を拾っていたところ、有名フリマアプリで一般の方が同じコンセプトで1/24国産名車を塗り替えて出品しておられたのを確認。当方としては二番煎じな手法では色々とよろしくありませんので、単なるミニカーの色替えに終わらない手法を模索しました。そこで、バンダイ1/24 Be-1のシャシーを活用し、マルチマテリアルな模型という発想で取り組みました。ドラマ『相棒』ファン、日産フィガロ・ファンの皆様の御参考になれば幸いです」