ランドローバー

【国内試乗】こだわりのクリエイターが語る、プレミアムSUV+プラグインHVのある生活「ランドローバー・レンジローバー・ヴェラール」

“4番目のレンジローバー”であるヴェラールの特徴は、研ぎ澄まされたデザイン性。「CALM SANCTUARY(静穏な聖域)」という開発テーマにふさわしい場所を探して、西へ向かった。

朝の祇園になじむ控えめな美しさ

そうだ、レンジローバー・ヴェラールで京都へ行こう──。こう考えたのは、2023年に大がかりなマイナーチェンジを受けたときの開発テーマが「CALM SANCTUARY (静穏な聖域)」だったからだ。静かで穏やかな神聖なる場所を訪ねるわけだから、タイヤを鳴らすようなドライブよりも、古都の美しさを探すような自動車旅行がふさわしい。そこで、写真家の竹村麻紀子さんに京都でヴェラールに乗っていただくことにした。

Tester:写真家・竹村麻紀子さん/1982年、大阪府に生まれる。成安造形短期大学卒業後、某フォトグラファーのアシスタントとして修行を積む。2011年に独立。雑誌、広告、ファッション、ビューティのほか、家族写真など幅広く活躍中。

広告や各種媒体で活躍する竹村さんは、もともと京都を拠点に活動していた。超多忙になった現在は、自身のスタジオとオフィスがある大阪に暮らしているけれど、嵐山の老舗旅館などのクライアントがいる京都には、しばしば足を運んでいるという。
京都に持ち込んだのは2024年モデルからラインナップに加わったPHEV。この1月に2025年モデルが発表されたけれど、ヴェラールのパワートレインのラインナップは変更なし。2Lのガソリンとマイルドハイブリッドを組み合わせた2Lのディーゼル、そしてこのPHEVの3本柱だ。

「東京の友人は、街中に普通に世界遺産が現れるのが京都のおもしろいところだと言います」と竹村さん。確かに、市街地を走行中に東寺の五重塔が見えると一気に気分がアガる。

ヴェラールと対面した竹村さんの第一声は、「すごく上品ですね」というものだった。
「もちろん立派で存在感はあるんですけれど、どこか控えめというか……、シンプルで無駄な飾りがないところに好感を持ちます」
確かに、装飾を付け足すのではなく、磨き上げた玉石のように滑らかなフォルムで、早朝の祇園の街並みにもよくなじむ。

石畳の道に町家が並ぶ、祇園の白川沿いの道に佇むレンジローバー・ヴェラール。ラグジャリーを標榜しながらこの景色と調和するSUVは、ほかに思い浮かばない。

竹村さんは現在、5月に予定している風景写真の個展に向けて準備をなさっているとのこと。作品撮りやロケハンを兼ねて、京都のあちこちを巡りながら試乗していただくことになった。
運転席に座った竹村さんは、「外から見た時は大きいので心配になりましたが、座ってみるとそれほど大きくは感じないですね」と安堵の表情を見せる。外観はスタイリッシュであるけれど、伝統のコマンドポジションは健在。小柄な竹村さんも、シート位置を合わせると、車体の四隅が容易に把握できて快適とのことだった。

「インテリアは、素材が上質ですね。外観と同じようにすっきりしていて、外側と内側の世界観が統一されています」
こうした感想を口にしながら、竹村さんはヴェラールを走らせる。仕事柄、ほぼ毎日運転しているというだけあって、ハンドルさばきはスムーズだ。
「いえいえ、クルマが滑らかなんですよ。モーターの加速は初体験ですが、こんなに静かで快適なのかと驚いています」

「修行時代から、お給料をいただいては機材を買う、ということを繰り返していました」と振り返る竹村さん。ヴェラールの荷室は、625Lと大容量であるだけでなく、スクエアな形状で床もフラットで使いやすいと太鼓判を押した。

まだ車通りの少ない朝の京都を、ヴェラールのPHEVはグライダーやヨットのように静かに駆けぬける。フル充電の状態であれば、カタログ値では67kmのEV走行が可能で、実走行ではその8割だとしても、50kmは電気自動車として使えることになる。となると、ウィークデイの使い方だとエンジンの出番がない可能性もある。ちなみに、家庭用の7kWの普通充電器だと、2時間30分でフル充電にできるという。

京都とヴェラールはどこか似ている

祇園から嵐山方面を目指しながら、竹村さんは「私は免許を取るのが遅くて、30歳半ばのときだったんです」と切り出した。
「クルマに乗るようになって、完全に世界が変わりました。好きなだけ機材を積んで出かけることができるし、天気が悪くても関係ない。今日までは、クルマは実用的ということしか頭になかったんですけれど、ヴェラールに乗せていただいて、こういう優雅な世界もあるんだと勉強しています」

ガソリンとディーゼルにはコイルサスペンションとエアサスが設定されるが、PHEVはコイルのみ。大柄なボディにも関わらず、曲がるのが得意。

竹村さんがヴェラールのノーズを向けたのは、嵐山高雄パークウェイ。免許を取って初めてドライブをした思い出の場所だという。
「この登り坂をこんなに楽しく、快適に走れるのかと感動しています。パワーがあるクルマは怖いという先入観がありましたが、運転が楽しいんですね」

電動モーターとインジニウムガソリンエンジンを組み合わせ、それぞれの長所を発揮するようにセッティングされたパワートレイン。WLTCモード(国土交通省審査値)の燃費は10.5km/L。

2Lの直列4気筒ガソリンターボエンジンと駆動用モーターを組み合わせたシステム全体のパワーだと、最高出力は404psで最大トルクは640Nm。踏み込めば怒涛の加速を見せるけれど、このクルマは速く走るよりも、優雅に走ることにパワーを使うほうが似合いそうだ。
パークウェイの途中にあるパーキングに停めて、竹村さんは荷室をチェック。カメラマンとしては、気になるところなのだろう。

「機材オタクなところもあるので、これだけ広いと、あれも積めるな、これも載せられるな、と妄想してしまいます」と笑った。
「京都に住んでいた頃、大阪で仕事を終えて戻る時に、雪が降ったことがあったんです。幸い、何事もありませんでしたが怖くて怖くて。でもこのクルマは4駆の性能もすごいとうかがったので、頼りになりそうです」

先進的なインフォテインメントシステムであるPiviProは、11.4インチの曲面ガラスタッチスクリーンですべての操作が完結する。「直感で操作できるので使いやすいです」と竹村さん。インターフェイスをタッチスクリーンに集約することで、ダッシュボードがすっきりとまとまった。

桂川を渡る渡月橋など、ヴェラールが似合いそうな場所を案内してくださる竹村さんに、京都の魅力を尋ねてみた。すると、「のんびりしているところが好きです」という答が返ってきた。
「観光客が多い場所は賑やかですが、実は里山的な景色や古い街並みがひっそりと残っています。時間の流れ方が穏やかでゆったりしているので、京都に帰ってくるとホッとします」

「削ぎ落とした美しさ、引き算の美学が京都の風景に合います」と竹村さん

ゆったりとした時間が流れ、静穏な心持ちになる場所──。それはレンジローバー・ヴェラールと共通しているように思えた。このクルマで京都に行こうと思ったのは、間違いではなかったようだ。

【SPECIFICATION】ランドローバー・レンジローバー・ヴェラール・ダイナミックHSE P400e PHEV
■車両本体価格(税込)=13,180,000円
■全長×全幅×全高=4820×1930×1685mm
■ホイールベース=2875mm
■トレッド=前:1640、後:1655mm
■車両重量=2290kg
■エンジン形式/種類=PT204/直4DOHC16V+ターボ
■内径×行程=83.0×92.2mm
■総排気量=1995cc
■最高出力=300ps(221kW)/5500-6000rpm
■最大トルク=400Nm(40.8kg-m)/2000-4500rpm
■モーター形式/種類=TZ269/交流同期電動機
■モーター最高出力=142ps(105kW)/3650rpm
■モーター最大トルク=278Nm(28.3kg-m)/1000-3700rpm
■燃料タンク容量=69L(プレミアム)
■燃費(WLTC)=10.5km/L
■トランスミッション形式=8速AT
■サスペンション形式=前:Wウイッシュボーン/コイル、後:マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前後:265/45R21

問い合わせ先=ジャガー・ランドローバー・ジャパン TEL0120-18-5568

リポート=サトータケシ フォト=デレック槇島 ルボラン2024年2月号より転載
LE VOLANT web編集部

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