ミシュランの最新スポーツタイヤ「パイロットスポーツ5」は、パイロットスポーツ4の後継モデルで、定評のあるドライ&ウエット性能をさらに高めている。今回はホットハッチのアバルト595に装着して試乗を行なったが、その仕上がりはいかに?
ヤンチャ坊主に走りの洗練度を提供
スポーツタイヤは、メインステージにより分類が可能だ。大別すると、ストリート系とサーキット系になる。ミシュランのラインナップでは、ストリート系の最新モデルとしてパイロットスポーツ(以下PS)5が投入されている。
ただ、ストリート系といってもワインディングが苦手なわけではない。アバルト595に装着して山岳路を駆けぬけたところ、ステアリング操作に対する応答性が切り始めから超正確なことを実感。従来モデルのPS4に対する進化も明らかだ。切り込む過程ではタイヤの剛性に不足がなく、それでいてガチガチの硬さは感じない。
そのため、グリップ力の立ち上がりぐあいが確実に伝わりコーナリングの限界を維持しやすい。あえてコーナリング中にアクセルを踏みぎみにしてステアリングを切ミシュラン・パイロットスポーツ5り足しても、限界の奥行きが深く高いグリップ力が維持される。いずれも、ストリートでもワインディングでも重要な特性となる。
ステアリングの手応えは、スッキリとスムーズだ。試乗車は走行モードがノーマルなら手応えがかなり軽めだが、曖昧な印象とは無縁でいられる。こうした特性を備えるクルマの多くにも、山岳路で走りを楽しむ際の安心感を提供。別の機会にウエット路面を走ったことがあるが、手応えに対するグリップ力の変化はドライ路面と同様にわかりやすかった。
場面を高速道路に移すと、直進時の安定感の高さを確認。違和感を伴うようなステアリングの節度を際立たせることがなく、それでいて中立状態での落ち着きが認められる。路面の継ぎ目を通過する際の乗り心地に荒さがないため、試乗車はクルマ界きってのヤンチャ坊主ながらPS5を履くことで走りの洗練度の高さも得ていた。
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