ポルシェ

【海外試乗】ピュア内燃機カイエンの最後で最強のスポーツモデル!「ポルシェ・カイエンGTS」

2023年にフルモデルチェンジを果たしたカイエンは、ダイナミックなGTSが加わることでモデルシリーズが完成した。そのカイエンGTSの国際試乗会が本国ドイツにて開催された。果たしてその走りのパフォーマンスはいかに!?

トータルバランスに優れたポルシェSUV

GT系ほど過激でなく、ターボ系ほどパワフルではないものの、Sよりパワフルかつ快活でバランスがいい。結論から言うと他のGTSの例に漏れず、6月19日に発表された新型カイエンGTSもそういうクルマに仕上がっていた。

ポルシェのGTSモデルはグランツーリスモスポーツの略称で、ダイナミクスと長距離ドライブ性能をさらに高めたモデルであることを意味するもの。さらに全地形対応SUVであるカイエンはまさに、どこへでもいける万能スポーツカーといえる。

その最大の特徴は、従来のツインスクロールからシングルスクロールとなったツインターボ、レスポンスの向上を図った新しい電気制御ウェイストゲート、350バールに引き上げられた燃料噴射圧、2段階のバルブリフト切り替え機構、最適化されたバリオ・カム・プラスなど、各部に改良が加えられたツッフェンハウゼン製4L・V8DOHCツインターボエンジンにある。

4Lツインターボエンジンは大幅な改良により、先代モデルに比べ最高出力は40ps増の500ps、最大トルクは40Nm増の660Nmを発揮し、さらなるパフォーマンスアップを実現。

これにより最高出力は40psアップの500ps、最大トルクは40Nmアップの660Nmへ向上。レスポンスや変速スピードを改善した8速ティプトロニックSを介して0→100km/h加速4.4秒(スポーツクロノ装着車)、最高速度275km/hというパフォーマンスを発揮。さらに燃費も、7.5〜7.9km/L(WLTP)、CO2排出量も303〜287g/km(WLTP)へと改善された。ボディタイプはスタンダードとクーペの2種類が用意されているが、今回ドイツで駆り出したのはクレヨンに彩られたスタンダードのカイエンGTSだった。

スポーティなデザインが随所に施されるGTS 。

基本的なスタイルこそ大きく変わっていないが、サイドスカート、フロントインサート、サイドウインドートリム、ホイールアーチ/エクステンションがボディ同色からハイグロスブラックに、テールパイプがブラックからダークブロンズに変更されたこと、そしてアンスラサイト・グレーの21インチRSスパイダーデザインホイールが装着されているのが新型の識別点。もちろん、大型インテークを備えたフロントエンド、ダークティンテッドのヘッドライトとテールライト、赤いブレーキキャリパー、スポーツデザイン・ルーフスポイラーといったGTS特有のディテールはそのままだ。

GTS専用装備が多数装着され、足元にはレッドのブレーキキャリパー&21インチのRSスパイダーデザインが装着される。

乗ってみて、まず心を掴まれるのはエキゾーストノートも勇ましいV8エンジンのレスポンスだ。確かに踏めば2190kgの車重をものともせずに、加速していくのだが、ピークパワーが云々というよりも全体的にパワーとトルクが厚くなり余裕ができたことで、どんな速度域でも扱いやすく、結果的にトータルの速さに繋がっているという印象を受けた。

標準装備の曲面デジタルメーターパネルを中心に新しいポルシェドライバーエクスペリエンスを採用。室内にはスエード調のRace-Texが至るところに配され、シートのサイドボルスターはさらに深くなりサポート性も抜群。

また10mmローダウンされたGTS専用の足回りは、先代に比べネガティブキャンバーを0.58度増したフロントアクスルのステアリングナックル、標準装備となった2バルブダンパー、2チャンバーエアサスペンションからなるアダプティブエアサスペンション、さらにPASM、PTVプラスなどとの相乗効果によって「まるでスポーツカー」という表現が誇張でないほど切れ味鋭く曲がり、安定したフォームを保ちながら、しっかりと路面を捉え続ける。それでいて走行モードをスポーツプラスにしても、不快になるようなゴツゴツ感はなく、乗り心地もいい。その後アウトバーンの速度無制限区間にも繰り出してみたが、加速性、高速安定性、制動力……どれをとっても小言を挟む余地など、まったくなかった。

まるで911のように基本コンセプトを守りながら、地道で着実な進化を続けてきたカイエン。新型カイエンGTSは、その内燃機時代の最後を飾るに相応しいスポーティでトータルバランスに優れた“ポルシェ・ネス”あふれるモデルに仕上がっていた。

Q.ズバリ、スタンダードとクーペ、どちらが買いですか?
A.カッコよくて意外と使えるクーペ推しです。

スタイルならカイエン・クーペ、実用性ならカイエンと思っていたけど、今回のドイツ出張の帰り、クーペの荷室に65L級のスーツケースが3個、見事に収まった実体験から俄然クーペ推しになりつつあります。

【SPECIFICATION】ポルシェ カイエンGTS
■車両本体価格(税込)=18,680,000円
■全長×全幅×全高=4930×1983×1674mm
■ホイールベース=2895mm
■トレッド=前:1690、後:1670mm
■車両重量=2190kg
■エンジン形式/種類=V8DOHC32V+ツインターボ
■内径×行程=86.0×86.0mm
■圧縮比=9.7
■総排気量=3996cc
■最高出力=500ps(368kW)/6000rpm
■最大トルク=660Nm(67.3kg-m)/2100-4500rpm
■燃料タンク容量=90L(プレミアム)
■トランスミッション形式=8速AT
■サスペンション形式=前:マルチリンク/エア、後:マルチリンク/エア
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前:285/45ZR21、後:315/40ZR21

【SPECIFICATION】ポルシェ カイエンGTSクーペ
■車両本体価格(税込)=19,230,000円
■全長×全幅×全高=4930×1989×1654mm
■ホイールベース=2895mm
■トレッド=前:1690、後:1688mm
■車両重量:2220kg
■エンジン形式/種類=V8・DOHC・32V+ツインターボ
■内径/行径/86.0×86.0
■圧縮比:9.7
■総排気量:3996cc
■最高出力=500ps(368kW)/6000rpm
■最大トルク=660Nm(67.3kg-m)/2100-4500rpm
■燃料タンク容量=90L(プレミアム)
■トランスミッション形式=8速AT
■サスペンション形式=前後:マルチリンク/エア
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前:285/45ZR21、後:315/40ZR21

問い合わせ先=ポルシェジャパン TEL0120-846-911

フォト=ポルシェAG/藤原よしお ルボラン2024年9月号より転載
藤原よしお

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