HEVでも悪路走破性や耐久性はそのままに
レクサスはLXを一部改良し、さらに同ブランド初の新ハイブリッドシステムを搭載したLX700hを3月24日から発売する。希望小売価格（税込）は14,500,000～21,000,000円。
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LXは、「世界中のどんな道でも楽に・上質に」をコンセプトとして、世界中のあらゆる道での走行に耐えうる運動性能と、レクサスらしい上質な乗り心地を両立するという、同ブランドのフラッグシップSUVだ。一方、レクサスのラインアップ上で唯一の、電動車の設定が無いモデルでもあったが、今回、新ハイブリッドシステム搭載のLX700h導入にあたり、LXが代々培ってきた「信頼性」「耐久性」「悪路走破性」を、電動化においても守り抜く事を第一としたとのこと。
「信頼性」「耐久性」「悪路走破性」を守り抜く
●レクサス初のパラレルハイブリッドシステム
V6 3.5Lツインターボエンジンと10速ATの間に、クラッチを有する「モータージェネレーター（以下MG）」を配置した、パラレルハイブリッドシステムを採用。エンジン＋モーターによるパワーを確実に路面に伝えると共に、シチュエーションに応じてエンジンのみ／モーターのみへの走行の切替を、ハイブリッド制御システムが最適にコントロールするという。
従来のレクサス・パラレルハイブリッド車には装備されないオルタネータとスタータを標準装備、万一ハイブリッドシステムが停止した場合にもスタータでのエンジン始動が可能、オルタネータで発電した電力を12V補器バッテリーへ供給することでエンジンのみでの退避走行を可能とした。退避走行中もトランスファーLoレンジの使用やアクティブハイトコントロールによる車高調整、A-TRACの作動が可能。
●エンジン車同等の渡河性能
リヤフロアに搭載したハイブリッドメインバッテリー本体を、上下に分割した防水トレイでパッキングする防水構造を採用することで、エンジン車同等の渡河性能700mmを確保したとしている。防水トレイ内に水が浸入した際には被水センサが検知、メーター表示によりドライバーへ注意喚起する。
●モータートルクを活かした走り
応答性の良いモーターのトルク特性と大排気量ツインターボエンジンの組合せにより、低速においてはアクセル低開度からレスポンスの良いリニアな発進・加速を、アクセル踏み込み時や高速域においては大トルクを活かした力強く伸びのある加速を実現、レクサスらしい“対話のできる走り”を追求したという。
また、オフロードにおいてはLoレンジでのモーター駆動をレクサスとして初採用、マルチテレインセレクトの各モードと組合わせ、岩場やダート・深雪路等においてはモーターのみでの走行も一部可能とし、高い走破性とコントロールのしやすさを両立したとしている。
●給電機能の充実
センターコンソール下に配置したACインバータ（防水構造付）によって、1,500Wまでの給電が可能。センターコンソール後部とデッキにコンセントも配置、様々な活動や災害時の非常用電源としても活用できるとのこと。
●GA-Fプラットフォームの改良
MGの追加により重量が増し、全長が伸びたパワートレーンを搭載するため、フレームに専用のクロスメンバーを新設。パワートレーンの重量増に合わせ、リヤエンジンマウントの材質もより耐久性の高いものに変更したとしている。また、リヤフロアへのハイブリッドメインバッテリー搭載に合わせ、スペアタイヤ位置変更のためスペアタイヤクロスを新設。12V補器バッテリーの搭載位置はエンジンルーム内からリヤのデッキ横に変更、専用の金属トレイと脱着式のバッテリーブレースを設定している。
レクサス Driving Signatureの追求
レクサスでは、全ラインナップで統一した走りの味、“レクサス Driving Signature”を追求する活動をモデルサイクルに関わらず絶え間なく実施し、「対話のできる走り」を目指しているという。
●剛性向上の取組み
レクサス他モデルで実践しているラジエータサポート周りの剛性向上をLXでも実現、ステアリング操作に対するリニアな反応を実現すると共に、補強部材をパッチ形状とすることでホイールアーティキュレーションを維持、悪路走破性を犠牲にすることなく操舵応答性を向上させたとのこと。テアリング支持剛性向上のためのブラケット追加や既存ブラケット板厚変更を実施、ステアフィールと操縦安定性の向上が図られている。
また、フレームにボディをマウントするためのキャブマウントクッションも構造を刷新、結合剛性を向上させたとのこと。これはフレーム車特有の低周波振動の低減が狙いとなる。
●AVSの進化
AVSアクチュエータ部のバルブ構造を見直し、路面の段差通過などでアブソーバーが急に縮む際の減衰力を滑らかにコントロールすることで、滑らかな乗り心地を実現したという。トランスファーLoレンジにおいても、極低速から車両が停止する際の減衰力コントロールを改善、余分な車両の動きを抑えたとのことだ。
●より一層上質なドライブのための機能・装備進化
ハイブリッドモデルの導入に合わせ、エンジンモデルも含めた機能・装備面の更なる充実が図られている。インパネには12.3インチ大型フル液晶メーターを採用、補器バッテリー電圧やエンジン油圧計のほか、画面カスタマイズにより、ブーストメーターやハイブリッドバッテリー充電状態も表示できる。
レクサスのオフロード4WD車としてエレクトロシフトマチック発採用に際し、心地の良い触感と高い操作性を両立するというLX専用のシフトノブを新規採用。「アドバンストパーク」のスイッチもセンターコンソール上面に位置が変更されている。
また、乗員の疲労軽減を狙いとして前席にエアブラダー（空気袋）方式のリフレッシュシートを新採用。センターコンソール上面の「置くだけ充電」も世代を更新、急速充電に対応すると共に、従来型ではリヤセンターコンソールのみだったEXECUTIVEをフロントセンターコンソールにも設定を追加した。
OVERTRAIL+を追加設定
レクサスは、カーボンニュートラル社会や「人と自然とモビリティの共生」の実現を目指し、幅広いアウトドアライフスタイルに寄り添う「レクサス OVERTRAIL PROJECT」に取り組んでいるとのこと。LXでは、このテーマに基づく装備と内外装色の “OVERTRAIL+”を追加設定した。
エクステリアでは、アルミホイールをはじめ各部品（フォグランプ、ルーフレール、ウィンドウモール、ホイールアーチモール、ドアハンドル、アウターミラー、リヤバンパーサイドメッキモール）を黒・ダーク系色でコーディネート。過酷な環境にも耐える“プロフェッショナルツール”の表現としている。
ボディカラーは、ソリッドのような色彩を持ちながらもメタリックの陰影により立体感を際立たせたという「ムーンデザート」（写真）を“OVERTRAIL+”設定色とし、全6色をラインアップ。インテリアには“OVERTRAIL+”設定色として「モノリス」を設定。シート表皮のメイン部分とドアトリムに低彩度のモノリスを組み合わせ、アッシュバール墨ブラックのオーナメント加飾をコーディネート。
装備面では、全車標準装備のセンターデフロックに加え、フロント・センター・リヤのディファレンシャルロックを設定。車輪がスタックした場合などの脱出性能を高めたとしている。足周りには65/65R18タイヤとアルミホイール（マットグレーメタリック塗装）を採用。扁平率の高い18インチ・タイヤは、悪路での路面追随性を向上させるという。ロードノイズにも配慮しトレッドパターンや構造を最適化されているとのこと。
人間中心の考え方に基づいた先進安全技術
●レクサス Safety System +のアップデートによる予防安全機能刷新
レクサスはモビリティ社会の究極の願い「交通事故死傷者ゼロ」を掲げ、安全技術開発を進めてきたとのこと。LXには最新のレクサス Safety System +を採用、運転状況に応じて適切な操作サポートを行うプロアクティブドライビングアシストや、ドライバーモニターとの連携によるドライバーの運転状況に応じた最適制御などを充実させたとしている。
その内容は、①「歩行者の横断」「飛び出し」などを先読みし運転操作をサポート、右左折時の原則支援や操舵アシストなども行うプロアクティブドライビングアシスト、②ドライバーのわき見運転等を検知して警告するプリクラッシュセーフティ、③レーダークルーズコントロール（全車速追従機能付）、④ドライバーの脇見運転等をシステムが検知、車線逸脱抑制を作動するレーンディパーチャーアラート、④運転姿勢などからドライバーの運転継続が困難と判断した場合、周囲に警告を行いながら減速、停車するドライバー異常時対応システム、などが含まれる。
●快適な移動を支えるレクサス Teammate
高度運転支援技術「レクサス Teammate」の機能「アドバンストドライブ（渋滞時支援）」と、「アドバンストパーク（ハイブリッドモデルのみ）」を採用した。
アドバンストドライブ（渋滞時支援）は、自動車専用道路において渋滞時（0km/h～約40km/h）レーダークルーズコントロール及びレーントレーシングアシストの作動中に、認知、判断、操作を支援し、ドライバーの疲労軽減を図るもの。アドバンストパークは並列駐車時の支援を拡大、バック駐車に加え前向き駐車に対応し、車内からの操作で前向き／バック出庫が可能になったという。
