次世代のデザイン言語を宿す、マリナー製コーチビルド第3弾
2025年8月7日、ベントレーモーターズは、ビスポーク部門のマリナーが手掛けた最新モデル「バトゥール・コンバーチブル」の最初の1台が完成したことを発表した。このモデルは、ベントレーの象徴であるW12エンジンを搭載する、ブランド史上最もパワフルなドロップトップ・グランドツアラーとなる。
【画像16枚】オパライトの輝きと精緻なクラフツマンシップ。「バトゥール・コンバーチブル」内外装の全貌
W12の伝統とEVの未来を繋ぐ、マリナーの最新作
バトゥールは、12台のみが生産された「バカラル」に続くマリナーのコーチビルドモデルであり、そのデザインは2025年に登場予定のベントレー初のバッテリー電気自動車（BEV）のデザイン言語を示唆するものとされている。車名はインドネシア・バリ島のバトゥール湖に由来する。クーペモデルに続き登場したこのコンバーチブルは、マリナーのコーチビルドファミリーにおける3番目のモデルとなる。
今回初公開された生産第1号車は、顧客との緊密な協力のもとで共同製作された、まさにワンオフ（1台限り）の特別な仕様である。エクステリアは「オパライト」と呼ばれるきらめくシルバーで仕上げられ、グロスブラックのレーシングストライプがボンネットからリアデッキまで貫いている。このストライプの両脇には、アクセントカラーであるマンダリンのピンストライプが添えられ、視覚的なドラマ性を強調している。このカラースキームは、グロス・ベルーガとマンダリン・オレンジのハイライトで仕上げられたマトリクスグリルや、5本スポークのアロイホイールにも反映されている。
最大の特徴、非対称の「ワンプラスワン」インテリア
このモデルの最大の特徴は、「ワンプラスワン」と名付けられたユニークなインテリアデザインにある。運転席側と助手席側が対照的ながらも補完的なカラーで明確に分けられているのだ。運転席側はベルーガブラックのハイド（本革）とアルカンターラで統一され、ドライバーを包み込むようにセンターコンソールからダッシュボード、ドアへとマンダリンカラーのハイドの帯が走る。一方、助手席側はリネンカラーのハイドとアルカンターラで仕上げられ、マンダリンのステッチがアクセントとなっている。このテーマは後部ラゲッジスペースにも及び、運転席側はベルーガ、助手席側はリネンでデザインが統一されている。さらに、キーケースやシートベルトといった細部に至るまで、それぞれのカラースキームに合わせてコーディネートされる徹底ぶりだ。
オーナーのディテールへの情熱は、マリナーの職人技によって見事に具現化されている。ダッシュボードやドアウエストレールにはサテンブラックのエンジンスピン仕上げが施され、センターコンソールにはグロス・ベルーガのウッドパネルが採用された。ステアリングホイールや各種ロータリーコントロール、パドルシフトなどには、機械加工されたチタンが用いられ、特別なモデルであることを主張する。
限定生産される「走る芸術品」、その心臓部とビスポーク体験
心臓部には、最高出力740psを発生するハンドアッセンブルの6.0L W12ツインターボエンジンが搭載される。この強力なパワートレインは、バトゥール・コンバーチブルの並外れたパフォーマンスを視覚的にも強調するデザインと融合している。
なお、開発車両である「バトゥール・コンバーチブル・カーゼロ」は、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでダイナミックデビューを飾った後、米国で開催されるモントレー・カー・ウィークで展示される予定だ。
バトゥール・コンバーチブルは、クーペと同様に厳格な少量限定生産となり、マリナーのデザインチームが顧客一人ひとりと協力し、専用のビジュアライザーを用いて内外装のあらゆる部分の色や表面仕上げをカスタマイズすることで、オーナーの個性を反映した唯一無二の一台が創り上げられる。これは、ベントレーが提供する最高峰のビスポーク体験の証左といえる。
【画像16枚】オパライトの輝きと精緻なクラフツマンシップ。「バトゥール・コンバーチブル」内外装の全貌
