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”脈動”する感覚で人馬一体へ。ロータス、1000馬力の未来像「セオリー1」をドイツ初公開【IAA 2025速報】

ロータスの過去と未来がそこに!

ロータスは、2025年9月8日から14日までドイツ・ミュンヘンで開催中の「IAAモビリティ2025」に出展し、ブランドの未来を示す新しいコンセプトカー「Theory 1(セオリー1)」(2024年発表)をドイツで初めて公開した。会場では、F1の歴史に名を刻むマシンや、そのオマージュとなる特別仕様車も展示された。

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展示のハイライト、セオリー1

今回の出展における最大の注目は、コンセプトカー、セオリー1である。このモデルは、ロータスの新しいデザインマニフェスト「The Lotus Theory」を具現化したものとされ、今後のすべてのロータス車の基盤となる思想が反映されている。このマニフェストとは、「デジタル」「ナチュラル」「アナログ」(DNA)という3つの核となる原則に基づいたもの。デジタルは没入感のある直感的な体験を 、ナチュラルは人間中心のデザインを 、アナログはパフォーマンスエンジニアリングの継続的な進化を象徴している。

特徴的なのは中央に運転席を配した3シーターレイアウトで、ドライバーに最高の視界を提供する。ドアは逆開き式のラップオーバーデザインを採用し、狭い駐車スペースでも容易な乗り降りを実現している。目標性能諸元は、最高出力1000ps、0-100km/h加速2.5秒未満、最高速度320km/h、車重1600kg未満とされている。

セオリー1の核心技術のひとつは、独自のドライバーシステム「LOTUSWEAR」である。これは、アダプティブな軽量ロボティックテキスタイル素材を使用し、シートやステアリングホイールに内蔵されたポッドが膨張することで、ドライバーにサポートやグリップ、さらにはパーソナライズされた触覚フィードバックを提供する。例えば、ステアリングホイールの左右が脈動することで、曲がるべき方向を直感的に伝える。

また、ユーザー体験の向上は視覚・聴覚にも及び、フロントガラスへの情報投影や、LED・レーザーライトによって障害物検知やブレーキングなどの情報をドライバーに伝える。ヘッドレストにはKEF社と共同開発したバイノーラルオーディオシステムが組み込まれ、乗員一人ひとりに合わせた独自のサウンドスケープを提供することが可能だ。

サステナビリティと軽量化への挑戦

ロータスは持続可能な未来への取り組みとして「Challenge of 10」を掲げ、車両の主要な表層素材をわずか10種類に限定してセオリー1を設計した。これには、セルロースベースのガラス繊維、リサイクルされた炭素繊維やアルミニウムなどが含まれる。このアプローチは、ブランドの伝統である構造の単純さと軽量化の原則に立ち返るものでもある。

シャシー設計は、伝説的なF1マシン「ロータス49」から着想を得ており、モーターとバッテリーアッセンブリを構造体の一部として利用することで、サブフレームを不要にし、複雑さと重量を削減している。空力性能も徹底的に追求されており、車両先端のノーズコーンやアンダーフロア、サイドポッドが空気の流れを最適化し、効率を高める。

ロータスのデザイン担当副社長であるベン・ペイン氏は、このモデルについて次のように述べている。
「Theory 1によって、私たちはロータスが77年の歴史の中でこれまでに達成してきたすべてのものを基盤とし、パフォーマンスビークルを運転することの意味の限界を押し広げました」

「私たちは、デジタルとアナログの両方の能力が未来の車で調和して機能することで、妥協する必要がないことを実証したいのです。これにより、生々しい感情、機能性、そして接続性を核として、ドライバーに可能な限り最高の没入型ドライビング体験を提供することができます」。

モータースポーツにおける伝統へのオマージュも

会場では、ロータスの豊かなモータースポーツの歴史を象徴するモデルとして、アイルトン・セナが1987年のモナコGPとデトロイトGPで優勝を飾ったF1マシン「ロータス99T」の実車が展示されている。

さらに、この99Tをモチーフにした特別仕様車「エミーラ・リミテッド」も公開された。伝説的なレースカーを彷彿とさせる黄色の塗装に青のアクセントが施され、世界で12台のみが生産される希少なモデルだ。これらに加え、ロータスが進める電動化の現在を示すモデル、エレトレとエメヤも並ぶ。ロータスはこれらの展示を通じて、パフォーマンス、革新、デザインを融合させるというブランドの未来に向けたビジョンを示すとしている。

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※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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