国内試乗

価格差20万円の悩ましい選択。ボルボ EX30 クロスカントリー新RWDモデルは“合理派”の最適解か《LE VOLANT LAB》

瑞々しさを失わない洗練のミニマムEV

これまでツインモーターAWDのみだったボルボ「EX30 Cross Country」(以下、EX30 CC)に、新たに後輪駆動の特別仕様車「EX30 Ultra P5 Long Range Electric」が加わった。価格は標準EX30の同等グレードより20万円高い一方、EX30 CCの上位グレードより50万円安い。さて、この価格差をどう見るか。個人的にはかなり悩ましい選択肢が増えたと思っている。

【画像56枚】余計なものを削ぎ落とした北欧デザイン。ボルボ最小EV「EX30 クロスカントリー」の内外装を写真で堪能する

EX30シリーズはボルボ最小のEVだ。日本ではその標準車が2023年末に発表されたから、2年半あまり経っているのだが、いまだその瑞々しい印象は失われていない。EV専用プラットフォームをベースとしたコンパクトなボディはシンプルで潔く、内装も清潔感に溢れる。そのうえで素材や部品点数まで含め環境負荷を減らすという、いかにも今のボルボらしい仕立てである。

航続距離530km。安くて走れる“合理派”モデル

EX30 Cross Countryはそこから車高を20mm上げ、専用サスペンションや専用デザインを与えたモデルである。ボルボにとって“Cross Country”は25年以上にわたって受け継がれてきた名前であり、オンロードでの快適性を保ちながら、舗装の荒れた道にも気負わず踏み込めるところにその持ち味がある。

今回のUltra P5 Long Range Electricは、従来型EX30 CC AWDを1モーターの後輪駆動としたもの。69kWhのバッテリーを搭載し、一充電航続距離は530kmを誇る。それは、このタイミングで名称が変更された上位グレード「Ultra P8 AWD Electric」より30km長い。これだけを見ると、新しいEX30 CC P5 RWDは、安くて航続距離も長い“合理派”のための一台と言えるだろう。

柔らかくもしなやか。RWD化によるすっきりとしたハンドリング

ところが、実際に乗ってみると話はそれほど単純ではなかった。

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photo=茂呂幸正/Y.Moro
桐畑恒治

AUTHOR

1973年生まれ。滋賀県出身。幼少の頃から自動車やオートバイに慣れ親しみ、気づけば自動車専門誌のスタッフに。以来、20年以上にわたり編集記者として国内外での取材を担当したのちに独立。軽トラックからスーパーカー、オートバイまで、とりあえずなんでも乗ってみる雑食系、もとい好奇心旺盛なモータリングライターとして活動中。

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