南フランスの風と地中海の陽光がデザイナーのクリエイティビティを喚起
グローバル化に沿ってトレンドが早いペースで移り変わる自動車デザインだが、自動車メーカーはその流れをリードすべくさまざまなチャレンジを行なっている。なかでもメルセデス・ベンツは世界各地に「アドバンスド・デザインセンター」を置き、デザイナーが自由な発想でエクステリアやインテリアのデザインを手がけられる環境を整えてきた。ドイツ以外ではイタリア・ナポリ郊外のコモ、アメリカ・カリフォルニアのパロアルトなどに加え、日本でも横浜市都筑区にアドバンスド・デザインセンターがある。
さらに同社はここにきてフランス南海岸一帯のリゾート地として知られているコートダジュールにアドバンスド・デザインセンターを新設。カンヌとニースの間に位置するアンティーブ付近に建設予定のセンターは、松林の中に円筒形を横に置いたようなデザインで、全面ガラス張りの側面から射し込んでくる地中海の陽光がデザイナーのクリエイティビティを喚起する構造となっている。
3000平方メートルの敷地を持つこのセンターは今年中の稼働予定で、次世代車のエクステリアやインテリアを約50人のデザイナー手がけることになる。南フランスの太陽と風が、メルセデスのデザインにどんなエッセンスを加えることになるのか。数年後に出てくるであろう次世代メルセデスにその味わいがあらわれることを期待しよう。