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横浜ゴムが新たな構造用接着剤を開発

基礎技術の確立により多用途接着剤の実用化を目指す

薄く軽い超高張力鋼板の多用による軽量化や、鉄やアルミ、樹脂など異種材料の組み合わせが増えている自動車ボディの生産において、構造用接着剤の使用が急増している。スポット溶接より剛性バランスの向上に貢献する可能性もあり、接着剤メーカーも高性能接着剤の開発を積極的に進めている。

CFRPなどの軽量材料の導入や、マルチマテリアル構造が欧州車を中心に急増中の昨今、自動車構造用接着剤のニーズはさらに高まるだろう

そうした需要が増えるなかでタイヤメーカーである横浜ゴムも接着剤の開発に力を入れており、ここにきて高い強度と優れた弾性を両立させたウレタン系接着剤の基礎技術を確立。力に耐える引っ張り強度と、衝撃を緩和して振動低減などに貢献する弾性はトレードオフの関係にあるが、使用時に2液を混合させるこの接着剤はエポキシ系接着剤の持つ高い強度と、ウレタン系接着剤の持つ優れた弾性を高い次元で両立。自動車用はもちろん、電子機器などの工業用接着剤にも応用できる可能性を秘めているという。

自動車構造用接着剤の性能のポジショニング

ハマタイトの名で知られる横浜ゴムの接着剤やシーリング材は自動車だけでなく建築現場などでも幅広く使われており、60年以上の歴史を誇っている。ブランドが前面に出るタイヤに対し、いわば裏方の事業ではあるものの自動車の進化にも貢献しており、接着剤メーカーなどとの競争も激化している。今回の新たな接着剤技術がどういった製品で世に出てくるのか、しっかりウォッチしていきたい。

ル・ボラン 2019年2月号より転載
田畑修

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