ロールス・ロイスは創業115年で過去最高を更新。メルセデス・ベンツSクラスも2ケタ増に
中国の新車販売はやや停滞気味ながら、世界市場では高級車のセールスが好調だ。その多くを欧州メーカー車が占めているが、2018年はロールス・ロイスとメルセデス・ベンツSクラスの販売が増加。他のブランドのフラッグシップモデルの販売台数も追って公表されることになるが、相変わらず高級車マーケットは活発なようだ。
ロールス・ロイスは4107台と台数はさほどではないが、創業115年の歴史のなかでの過去最高と聞くと、その好調ぶりがうかがい知れる。2017年はモデルチェンジの狭間でファントムのデリバリーが減少し、16.2%減の3362台と落ち込んでいたが、2018年は見事に回復。伸び率は22.2%となり、一世紀以上の時を超えて過去最高を更新。新型ファントムのデリバリー開始に加え、ロールス初のSUVであるカリナンの登場が台数を後押した結果だ。
日本でもロールス人気は高く、2018年の販売台数は前年比2.2%増の230台と9年連続で過去最高を更新。台数では2000万円台のモデルをメインとするベントレーの437台より少ないものの(ロールスはすべて3000万円以上)、ロールスにとって日本は安定した市場といっていいだろう。
いち早く2018年の世界販売台数を発表したメルセデス・ベンツ(乗用車)も前年比0.9%増と伸びは小さかったが、231万185台と過去最高を更新。とくにSクラスの伸びが著しく、12.2%増の7万7927台を販売。そのうちマイバッハSクラスが21.8%増と大きく伸びており、中国での台数増が大きく貢献しているという。
メルセデス・ベンツはプレミアムブランドにおけるリーダーシップを保つが、伸び率がやや鈍りつつあるのも事実で、これはBMWやアウディにも当てはまる。米国や中国の景気動向に左右されるカテゴリーであり、とくに2018年はやや不振だった中国の新車販売の影響が小さくないが、その半面、富裕層の購買意欲は衰えていないようにも見える。格差社会の反映という側面も持つ高級車マーケットではあるが、2019年はどんな動きを見せるのか、興味深いところだ。